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二人目の追うもの 5

 通信端末に向かって怒鳴り散らしたオリチェ。


「ああ、あの店にいた店員のお嬢さんですか……弁解をさせてもらいますが、ガンビーザは留置場にしっかりと入れておきました。加えてあの力です。拘束もさせていただきました」


 キャンビアは落ち着き払った声で話し続けた。


「だったらなんで!?」


 オリチェは息が荒れるほどの声をあげていた。その様子を見ていたマスターが横からオリチェに手を伸ばした。その手がオリチェの肩に届いた。しっかりと肩をつかんで、オリチェの顔をマスター自身の方へと向けた。


「オリチェちゃぁん! ちょっと落ち着きなさぁい! 何にも話ができないわぁん」


 肩で息をしていたオリチェの顔を見続けていたマスター。やがて、肩の揺れが収まってきた。それを見て、マスターはゆっくりと手を離した。


「それじゃぁ、キャンビアちゃぁん。どうして留置場からガンビーザが出たのか教えてもらってもいいかしらぁん?」


 マスターは通信端末に向かって話していた。しかし、その声は徐々に低いものに変わっていった。


「マスターですか……。さっきもいったが、留置場が内側から壊されていた。おそらく、内側からやったんだろう。破片が廊下側にあったんでね」


 キャンビアは最初に少しだけ間を空けてから、ほとんど息継ぎをせずに一気にしゃべった。その間、ずっとコツコツという音が聞こえてきた。どうやら、それは通信端末の向こうからのようだった。


「拘束を破壊した、と?」


「それ以外考えられるかい? あのガンビーザの力を侮っていた。流石、第一世代、といったところか。まぁ、その辺りは我々よりもルーチェの方が身をもって知っているだろうね」


「…………」


「おっと、ここで静かになるんだったら、もう用はないな。切らせて——」


 キャンビアが通信端末の向こう側で通話を切断しようと小さな音がたてた時だった。ルーチェとオリチェが同時に声を上げた。


「待って!」


「待て!」


 異口同音が響き渡った。互いに顔を見合わせたルーチェとオリチェ。示し合わせたように二人は続けた。


「アナリズがそっちにいった可能性がある!」


「アナリズがいなくなった!」


「! どういうことだ? 二人で話そうとするな。一人ずつ話してくれ。聞き取れない」


 キャンビアが一瞬息を飲んだ音がした。しかし、すぐに話を促してきた。


 再び、ルーチェとオリチェが目を合わせた。そして、オリチェが手のひらをルーチェに見せてきた。ルーチェは黙って頷き、通信端末へと向き直った。


「さっきまでいたはずのアナリズがいなくなった。理由はわからない」


「どうしていなくなったと?」


「寝ていたマスターを起こしに行って、先にマスターが来た。アナリズは戻ってきてない」


「……なるほど。それはそうだな。で?」


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