二人目の追うもの 3
テーブル越しのポラーレがルーチェの方へと身を乗り出していた。マスターやオリチェもルーチェの方へと視線を向けていた。
「書いてあったものをただ読み上げただけ」
ルーチェは通信端末に目を落としながら答える。
「もう一度、ディスプレイ端末につないでもらっても?」
ポラーレに言われて、顔を上げるルーチェ。目の前にはマスターが手を差し出していて、その中にはディスプレイ端末があった。ルーチェはそれを受け取り、通信端末をつなぎなおす。空中に通信端末のデータが映し出された。
「本当ぉに書いてあるわねぇん。さっきは気づかなかったわぁん……オリチェちゃぁん。無理に見る必要わぁ、ないわよぉん」
マスターがオリチェを見上げながら伝えた。それに対して、オリチェは手を握りこみながら小さく告げた。
「大丈夫です、マスター……」
そう言いながらも、オリチェの表情は青白くルーチェには見える。
「わかったわぁ。せめてぇ、座りなさぁい」
はい、と返事をしながら、ドカリと腰を下ろしたオリチェ。ルーチェは何も言わず、ディスプレイ機器へと視線を戻す。
それから、ゆっくりと口を開く。
「可能性の話だけど……」
そう前置きをして、ポラーレとマスターそれぞれへと視線を向ける。ルーチェへと視線が向けられていたことを確認して話を続ける。
「アナリズは何らかの理由でガンビーザを追っていた。そして、偶然ここで見つけた」
誰も口を開かず、ルーチェが話し続けるのをじっと待っていた。ルーチェは指で床を示していた。
「この下のピエノパッチでガンビーザを見つけたアナリズが接触しようとしたけれど、その時にはすでにアルヴィネンサを飲んでいたガンビーザは店の中で暴れた」
「思い出しただけでもぉ、イライラしてくるわぁ」
マスターが手を強く握りこんだ。うっ血したのか、色があかくなっていった。
ルーチェはそれを無視し続ける。
「そこで訳がわからないまま、アナリズは器用にガンビーザの攻撃を避けていた」
「他の客を吹っ飛ばしたぁ後でねぇん。……筋が通ってるようなぁ、通ってないようなぁ、感じねぇん」
「とりあえず、こじつけでも話を無理矢理つないでいるので、穴だらけだと思います」
「別にいいわぁ。わたしたちわぁ、探偵でもぉ警察でもぉないからぁん」




