二人目の追うもの 2
「……マスター、アナリズはなんて言ったんですか?」
ルーチェがイスから立ち上がる。そのまま、腕を組んで天井を見上げる。
「えっ?」
「だから、アナリズはなんて言って起こしたんですか!?」
ルーチェがマスターに目線を向けて強く言い放った。向けられたマスターが思わずのけ反った。
「いきなり言われるとぉ、ええっとぉ、マスター起きてください、だったかなぁ」
頭を抱えながら答えたマスター。
「そのあとは?」
ルーチェがすかさず、質問を差し込んできた。マスターは頭を抱えながら頭を振りながら答えた。
「そ、そのあとぉ? 僕、先にいってますね、って言ってたと思うわぁ。確かねぇん」
「……どういう意味? 言葉通りだとすると、ここに戻ってくることを指していると思うけど……」
「しかし、違うようですね……」
ルーチェの言葉をマスターが引き継いだ。
「だとすると……どこかへ行った?」
「どこかってぇ、いったいぃどこにぃ?」
全員の口が閉ざされた。誰もが考え込む動作をして、何も話すことをしなかった。
ふと、ルーチェはディスプレイを見る。
「そういえば、いなくなる直前、このニュースを見ていた……ガンビーザの話をしていた。私がガンビーザが暴れた後のことをきいていた時に起こしに行った……」
口の中で話すように、ルーチェはしゃべり続けている。視線はディスプレイを向いているが、ぼんやりと見ているだけ。
「アナリズにとって、ニュースの内容とガンビーザの話だけでつながるものがあった……あるいは、狙いはガンビーザそのもの……?」
ルーチェは自分の通信端末を取り出し、起動する。青白い光が放たれると同時に小さな電子音が鳴った。すぐに画面が切り替わり、ルーチェはアルヴィネンサのデータを開く。そこから被験者リストを見つけ、リストの中のガンビーザを探す。
「……あった」
さっきも見た白いガウンのようなものを着たガンビーザの姿が映し出された。画面をスライドする。投与した記録が続き、どれもが制御不能と書かれていた。一番最後に注釈がつけられていた。ルーチェはそれを読み上げる。
「ガンビーザは投与時に確かに制御不能な状態になった。しかし、すべての力が出されていたかは不明。暴走をしながら、制御もしていた可能性がある。ガンビーザにアルテファットを施したリィカトーレ博士の手腕によるものかもしれない」
「ルーチェさん。今のはどういうことでしょうか?」




