第8話 見知らぬ、天井
「ここは……どこだ?」
周りを見渡すと白衣を着た衛生兵やミレリア、リュミエールが俺の周りにいた。
そして俺の手には白い羽根が握られていた。
「……師団長。よかった、生きていてくれて」
ミレリアの声は震えていた。だが、それ以上に安堵に満ちていた。
「俺は簡単に死なねーよ」
笑おうとしたが、胸に刺さるような痛みとともに言葉が途切れた。
ミレリアはそっと顔を伏せ、小さく呟いた。
「……私たちを信じて、前に出てくれたのですね」
その言葉に、胸が熱くなる。
あの瞬間、迷いはなかった。ただ、部下を、仲間を――信じていた。
そして俺が倒れることによって少しは忠誠を得られるかもと少し期待もしていた。
「見え透いてますよ、師団長」
俺の視界にフッと入ってきたのはリュミエールだった。
「私言いましたよね、"必ず生きて帰ってきてくださいね"と」
「あ……いやほら!生きてるからセーフってね!」
「治療してくれたエルフが言っていましたよ。貴方の体は何も強化されていないただの体
でいつ死んでいてもおかしくない状況だと」
「あ、いやぁ。ほら!士気を鼓舞するのも上官の努めじゃん!」
そういうとリュミエールは怖い表情になり俺のほっぺをつねり始めた
「しょ、しょっとリュミエールふゃん……いだいでふ」
「お仕置きです」
これらの光景を見ていたミレリアは席を立った。
「そういえばダガンも心配してたので呼んできます」
そう言うとミレリアは医療室から出ていった。
リュミエールはため息をし、俺の頭に手をおいた。
「これからは無茶な行動は絶対にやめてくださいね?」
「は、はい!」
リュミエールの表情は怖かった。
「もしまたやったら軟禁しようかしら……」
「え?リュミエール何かいった?」
「何でもないです。少し報告書を書かなければならないので私は失礼します」
そうしてリュミエールは部屋から出ていった。
そして少し時間が立つと大きな足音が聞こえてきた。
……絶対にうるさくなるな
こうして俺は少し身構えたのであった。