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水と油 〜乱立するカレー屋が、遂に観光市場の中にまで進出した時の歌〜

作者: 柿原 凛

誰も寄り付かないのに客寄せし続けるのは

はたから見ていてもやっぱり辛そうで

自分でもわかってるだろうにどんなに声を張っても

市場に溶け込めない印度料理屋じゃあ誰も来ない


笑顔ではいるけれど彼は本当に心から

お客に来てほしいのだろうか

バカバカしいことをしてると分かっていながらも

そうすることしかできないんじゃないだろうか



一生懸命 声掛けしても

必死過ぎて顔が怖い

刺身と合わないからと断っても

1周してまたラッシーを押し付けてくる



誰も相手してくれないから旅行し続けるのは

はたから見ていたらきっと可愛そうで

自分でそうやって可愛そうな自分でいるときだけは

どこにも溶け込まずに済むから誰も来てくれない


愛想笑いはできるけど私は本当に心から

彼を馬鹿にできるだろうか

かまってほしいから可愛そうな自分を演じるけど、

それこそ本当の自分なんじゃないだろうか



一生懸命 声かけてもらうために

一人ぼっちを演出するけど

うちらと合わないからとそっぽ向かれ

結局また一人ぼっちを演じ続けることになる



ぬるくなったラッシーを

仕方がないからと自分で飲み干し

ため息をついて

また声掛けをし始める



一生懸命 声掛けしても

必死過ぎて顔が怖い

刺身と合わないからと断っても

1周してまたラッシーを押し付けてくるだろう


一生懸命 声かけてもらうために

一人ぼっちを演出したけど

買わないからとそっぽ向かれ

結局また一人ぼっちを演じ続けることになる




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― 新着の感想 ―
[良い点] 心にざっくり刺さります。演じているつもり、でもそれこそが自分本来……なんだか自分のことみたい。作者様の作品の意図するところとは違うかもですが、どこの世にも上手く溶け込めない自分と重なって見…
[良い点] 刺身とラッシー……たしかに°・(ノД`)・° 全国各地で売り子した経験があるので泣けます~。 情景と心象が同時に浮かび上がってくる素晴らしい作品でした°・(ノД`)・°・
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