身体測定1
身体測定
一年の始まりの4月に行われる行事である
自分の知りたい身体の数値が知れる反面自分の身体の知りたくもない数値を知り突きつけられる行事でもある
「………………」
「………………」
県立北山高校一年の志水風兎と嶋津冷凪はその身体測定の朝を迎えていた
「あぁ…頭痛い……お腹すいたぁ……」
「大丈夫か冷凪?顔色めっちゃ悪いしふらついてるぞ?」
「気にしないで…。とっととこんなくだらない行事を終わらせて帰るわよ…。って言うかあまり話しかけないでくれる?」
「もしかしてだけど……朝飯食ってないのか?」
「愚問ね。今週一週間ロクなメシ食ってないわよ……」
「一週間!?そういや確かに最近の昼飯がサプリメントみたいな食べ物じゃねぇやんってものばっかだったしな…。そうか、身体測定が原因だったのか……」
「えぇ。何度美味しそうに弁当食べたりお菓子食べてるアンタを八つ裂きにしてやろうかと思ったことか…」
「よく生きていたな俺……。そういや注意もしなかったし冷凪はなんで俺に手を上げなかったんだ?いくらでもストレス発散できたんじゃないか?」
「アンタを引っ叩く元気が生まれなかったからよ……。少しでも元気が残っていたら顔の原形が無くなるくらい引っ叩いてやるわよ」
「冷凪が引っ叩きたくなくなるくらい元気が無いって余程だな。何か食べた方がいいんじゃ無いか?」
「冗談じゃ無いわよ。折角ここまで我慢して来たんだから今ここで我慢しないでどうすんのよ」
「はぁ……少しここで待ってろ…」
そう言って風兎は冷凪を外に待たせるとコンビニへと入っていった
少しと自分で言った通り、風兎は5分も待たずにコンビニから出てきた
「お待たせ。ごめんな少し時間かかって…」
「いい度胸じゃないあんた…。一週間断食状態のあたしの目の前でご飯を食べようっての?アンタの方がよっぽどドSに見えるわよ?何?いつもの仕返しでもしようっての?いいわよ。ご飯食べて元気が出たらバイオハザード並みにぐちゃぐちゃにしてやるわよ」
「いや怖い怖い!その元気がなくて滲み出てくる黒いオーラがマジで怖いから!!俺のじゃなくてお前の分だよ」
「だからあたしはいらないって言ってるでしょ?耳腐ってるの?」
「腐ってないよ。それにゼリーくらいだったらそこまで変わらないからせめてこれくらいは身体の中に入れとけ」
「嫌よ」
「これくらいのゼリーで変わるならそれは体重じゃ無いだろ。このままだったら身体測定受ける前に学校で倒れるぞ?」
「アンタには関係ないでしょ?」
「あるよ。誰がお前の看病すると思ってるんだよ」
「面倒だったらそんな手間のかかることしなければいいじゃない」
「残念ながらそれが出来ないのが俺の悪いところなのかもな。それに俺はお前が倒れる姿を見たくないしそれを防げるんだったらお前に殴られてでもそれを防ぐよ」
「…………」
「ほらっ、一気に飲み込むなよ?びっくりしないようにゆっくり身体に入れろよ?」
「【ごくっ…ごくっ…ごくっ】ぷはぁ!美味しいぃ〜!!!」
「エナジーチャージって売り文句をしてる商品とはいえこんなにもエナジーがチャージされてるところなんて初めて見たわ…。」
「おかわり!!」
「まぁ買ってあるからあるけどそんな調子乗って飲み過ぎると流石に体重に影響されちゃうから程々にしとけよ?」
「いいのいいの!あたしいくら食べても太らない体質だから!!」
「だったら断食なんてするなよな…」
その後、冷凪は風兎が購入したエナジーゼリーや軽食を学校の肛門までに全て平らげてしまった
風兎は心配になり何度も食べ過ぎだと食べるのをやめるよう注意するが今まで我慢していたツケが回ってきてしまったのか冷凪の食欲は止まることを知らなかった
果たして…冷凪は自身が満足できる身体数値を記録することができるのか?