お昼寝
ガチャ
「ふぅ…!あっついわねぇ…。ママったらいちいちあたしに風兎の家にお使い出さないでほしいわね面倒臭い…。ちょっと風兎!?ゴロゴロしてないでママからのお土産受け取りなさいよ!!」
「………………」
「風兎……?」
放課後
高校生の至福の時間
部活に精を出す者、アルバイトに勤しむ者
そして…家でゴロゴロする者もいるのであった
「………………」
「………………」
県立北山高校一年の志水風兎と嶋津冷凪はいつものように風兎の部屋にいた
といっても今日は普段とは違い冷凪は自分の部屋でのんびりする予定だったのだが母から
「どうせ今日もふ〜ちゃん家に行くんでしょ?お母さんこれから夕飯の買い物に行かなくちゃいけないからこれふ〜ちゃんに渡しておいてね?」
とお使いを頼まれた冷凪は渋々風兎の部屋に入ったのだった
冷凪は風兎の母親から風兎よりも信用されており家の合鍵まで持っているので勝手に入ることが可能だ(因みに風兎は冷凪の家の合鍵を持っている)
「すぅ…すぅ……すぅ……」
「はぁ…やっぱり寝不足だったのね……」
いつものようにゲームしているか漫画を読んでいるかと思っていたが風兎は寝息を立てて眠っていたのだった
昨日冷凪が電気を消して眠ろうとしたのは午前1時半
しかしその時間はとっくに眠っているであろう風兎の部屋に灯りはついていた
恐らく数日前に発売された新作のアクションRPGゲームに熱中して徹夜でもしたのだろう
それなら今日一日の風兎のぼーっとしていた理由にも繋がってくる
電柱にぶつかる 学校で一番怖いと言われている小山先生の授業で平気で爆睡をする 女子トイレに入ってトイレを済ませる
「徹夜してゲームなんて本当に子供よね。おかげで今日一日上の空であたしの話も全く聞いていないとか信じられないわ。」
冷凪は風兎のベットに腰掛けながら風兎の顔を覗き込む
冷凪が部屋に入ってきたこともベットに腰掛けて寝顔を見ていることも全く気付かず眠り続けるその顔は幼い頃から見てきた寝顔と全く一緒だった
「いつもは不細工な顔を晒しているのに眠ってる時だけは可愛く見えてしまうわね…。変な魔法にでもかけられているのかしら【フミ】」
「すぅ…すぅ……すぅ………………フゴッ!…………」
「ぷっ!あははははフゴッ!ですって!!豚の鳴き声みたいでおもしろ〜!!」
風兎の鼻を摘んで様子を見ていると息が詰まりそうになり変な音が出た
その音がどうにもツボに入ってしまった冷凪は何度も風兎の鼻を摘んでは息を止めようとした
「フゴッ!………フゴッ!……フゴッ!………フゴッ!フゴッ!………フゴッ!」
「あっはははは!!も、もうだめ……お腹捩れそう……くっくくくくくく……」
何度も何度も鼻を摘んで風兎の反応を確かめるが帰ってくるのは同じような反応
しかし冷凪のツボにどっぷり刺さり延々と続けること既に20分
20分間同じことして反応を確かめる冷凪も冷凪だがこんなに悪戯されて起きない風兎も風兎だ
「はぁ…!はぁ…!あ〜っ久々にめっちゃ笑った気がするわ【チラッ】それにしても相変わらずとは言え全く起きないわね……(キスでもしたら……起きたりして……なんて今更キス如きで起きないわよね……)」
そう思いつつ冷凪は風兎の唇に自分の唇を近づける
今までも何度もしてきた行為だと言ってもやはり照れ臭くなる
「んっ…ちゅっ……ちゅむっ……はぁ…本当に起きないんだから……んっ…ちゅ……少しは…危機感を……んっ…覚えなさいよ……」
冷凪は小鳥が親鳥から餌啄むように風兎にキスをしながら風兎のあまりの眠りの深さに関心を通り越して呆れてしまう
いくら眠りが深いと言ってもここまでされては普通なら起きるだろうが風兎は…
「スゥ…んんぅ………スゥ…スゥ……」
「はぁ…これでも起きないとかほんとどう言う神経してんのよ…。ふわぁ…なんかあたしも眠たくなってきちゃった……」
冷凪は強引に風兎の腕を広げると腕を枕にして冷凪も1分も経たないうちに寝息を立て始めた
ガチャ
「風兎〜?さっき冷凪ちゃんママと会って冷凪ちゃん今日家に泊まっていくらしいわよ〜?冷凪ちゃん夕飯は何が良いかしら〜?あら?」
買い物に出掛けていた風兎の母が風兎の部屋を訪れ夕飯のメニューを確認に入ると部屋ベットの中で二人仲良く寝息を立てていた
「あらあらあら〜!いつまで経っても仲良しさんね〜!ごゆっくり……」
二人を起こさまいとそ〜っと部屋から出ていった
その後、冷凪と風兎は風兎のお母さんが夕飯に呼びに来るまで二人仲良く眠っていたのだった
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