身体測定2
「ふぅ…少しだけ落ち着いてきたわ。」
「結局買ってきたもん全部食っちゃって大丈夫か?」
「平気平気!それにいざとなったらアンタをサンドバックに運動するから増えてしまった体重もすぐに元に戻るわよ」
「そこで俺をサンドバックにしないでくれるかい?」
多少満足感が出て余裕が出始めた冷凪と一緒に風兎は自分の教室に入ると
「お腹すいたぁ…」
「早く終わらないかしら」
「飴で少しは気分を紛らわさないと…」
女子の大半が先程までの冷凪と同様に空腹で魂が抜かれきったようになっていた
「みんな考えていることは同じなのかな…。さっきまでのお前と全く同じな人が多いじゃんか」
「女子にとって身体測定が行われる今日以上に恐る日はないからよ。」
「そんなに体重気にする必要はないと思うけどな?冷凪なんて俺から言わせておけば細過ぎるんじゃないかって思うくらい細いだろ?」
「あたしがナイスバディなのは全人類が知っている周知の事実よ」
「へ〜……ナイスバディ…ですか……【ジッ】」
「ほぅ?あたしのナイスバディが見えないのかしら?腐った目を持つと苦労するわね」
「出るとこ出ていなくて出ている人に嫉妬する人生の方が俺【ガシッ】が悪かったです本当にすみません許してください」
「あたしはナイスバディよね?」
「冷凪様は前人未到のナイスバディでございます」
「よろしい【パッ】」
「はぁ…暴れん坊が治るように早く身体測定終わらないかなぁ…」
「って言うかアンタは身体測定嫌じゃないの?」
「俺は授業が潰れるから毎日身体測定行ってほしいくらい好き」
「アンタあたしに禅寺に修行しろっていうの?」
「禅寺は毎日断食させないだろ」
「だってみんな痩せてるし…」
「精進料理は出るから皆毎日食べてるはずだろ?知らんけどな。それに有名なお寺のお坊さんって恰幅いい人多くないか?」
「あれが成金の末路ってことね」
「偏見が凄いな!?」
〜HR終了後〜
「さてといよいよ身体測定が始まるわけだが…」
「…………【ガタガタガタガタ】」
「そんなに怯えるなって……今更ジタバタしたってどうにもならないんだしこの際諦めて放課後のラーメンのことだけ考えていろよ?」
「体重が…体重が……」
「深刻な問題なわけね…?ダメだったりしたら今後は運動したり間食に気をつ得るとかじゃダメなのか?」
「……【フルフル】」
「あぁ…間食はしたいのか……。じゃあジムに通ったりはどうだ?俺が行ってるところだったら俺も運動に付き合えるしさ?」
「うぅ…アンタにこうやって励まされるのがこんな屈辱なんて……絶対後でラーメンたくさん奢ってもらうんだからね?【ギロリ】」
「そんな爆食いしたらまた太るぞ?」
「「「「ギロリ」」」」
風兎の軽はずみな「太るぞ」と言う発言をした瞬間、クラス中の女子たちが風兎を睨みつけた
その目は確実に「お前…殺すぞ」と発していた
「アンタ死にたいの?まぁ…死にたいんだからそんな軽率な発言ができるんでしょうけどね?」
「は、ははは…。あんな女子に睨まれたのは初めてだったなぁ…。あぁこわ…」
「ふふふ、あたしは子鹿のように怯えるアンタの顔が見れてだいぶ落ち着いたわ。感謝しといてあげるわ」
「流石はドSの女王。人の負の感情が大好物だったとは……」
「だからアンタから負の感情を頂戴しているのよ。もっとよこしなさい」
「己はウルトラマン80の敵かっての…」
「それではこれより身体測定を始めるぞ〜?男女別で出席番号順に並べ〜?」
「おっ、始めるようだな?それじゃあ俺も行くからまたな?」
「【ガッ】待ちなさい チュッ…ピチュ…」
「お、おまっ…!?ここ教室だぞ!?バレたらどうすんだよ!?」
「カーテンで見えないように工夫したから大丈夫よ。それにこんな美少女に学校でこっそりキスされて嬉しくないの?」
「嬉しいから困ってるんだがな…」
「結構よ。キスは精神を落ち着かせるのらしいしあたしも大分落ち着けたからこれで万全の状態で身体測定に臨めるわ。それじゃあね【ヒラヒラ】」
「…………脈圧高くなって引っかかりそうだっての…」




