第一の夢
この作品は青春学園ラブコメです
更新頻度は月に一度から二度だと思います
良ければ読んでみて下さいね
――――今日も平凡な日常のはずだったのに。
――――あんなことがあるとは。
それは、今から遡ること数時間程前、俺はある夢を見た……。
気が付いたら俺は、自分の所属する2年A組の後方、ロッカーの前に立っていた。
「どういうことだ……」
状況が上手く読み込める気がしない。
教室の時計を見ると、時刻は完全に昼休み真っただ中、だというのにここには俺一人しか存在しない。
校内全域を事細かに確認したわけではないが……ここには全くと言って良い程、音が無い。
「ふむ。」
俺は中央の座席に座り、顎に手を置き、状況を整理する。
無論座った席がなんで真ん中なのか、とか、実はこの席が女子の席だからとか、実はその女子が凄く美人だとかそんなことは一切関係ない。
まず、ここは俺が所属する2年A組で間違いない。
何故ならこの教室のドアの上方にある小窓から2年A組という札が覗いているからだ。
念の為に窓から見える住宅の高さや、机の配置などを見てみるが、ここはまごうことなき、2年A組の教室で相違ない。
「――――。」
腹の虫が鳴った。
どうやら、夢の中とは言え、不思議とお腹が空くこともあるようだ。
「財布は、と」
制服のポケットを一つ一つ探るが、一切財布が見つかる気配はない。
引き続き財布を探していると、不意に教室のドアがノックされた。
「――――!」
ノックした主は俺が返事をする間すら与えずスニーカーの特有の音を鳴らして教室に入って来る。
どんどん音は、近くなってきている。
丁度俺の席の辺りに来ると音は、ピタリと止まった。
「あらどうも、久遠君今1人よね。」
声で察するに、俺の方に向かって来ていたのはどうやら生徒会長の神尾芽衣先輩のようだ。
芽衣先輩は黒髪のロングヘア、顔立ちというと日本人のものではあるが何処か日本人離れしているような美しさがある。
そして、見た目は身長は大きくも小さくもない程度の大きさで細くそれでいてよく頭が切れて生徒会長をしている。
(芽衣先輩は時期生徒会長候補を探しているのかは知らないが。)
(それはさておき、今日は何の用だろうか。)
鞄から財布を探すのを一度止めて、芽衣先輩の声がした前の方を向く。
案の定、先輩は俺の机の前に居た。
「それで、芽衣先輩何の用ですか。」
「ねえ、久遠君放課後校舎裏に来てくれない?話したいことがあるの。」
(何か頼まれることあったかな?多分買い物に付き合えばいいんだろうか?)
(わざわざ放課後を指定したということは、多分急用ではないんだろう。)
「放課後ですか、今じゃなくていいんですか?」
「後がいいの。」
「分かりました。」
「じゃ、また後でね。」
そうを言い、そそくさとその場を芽衣先輩は教室から去って行ってしまった。
キーンコーン、カーンコーン。
チャイムが放課後になったことを告げる。
「もうこんな時間か、芽衣先輩が話があるって言ってたなどんな話だろうか?」
「まさか......告白、ではないと思うんだけど。」
「そんな素振りなかったし、必要以上に関わらないようにされてる気がするんだよな。」
(そんなことを口にしながら、日が沈み始めた夕暮れ時の廊下を校舎裏に向かい歩いて行くことにする。)
(5分程歩いたら指定されていた校舎裏に着く。)
(さて芽衣先輩を探すとしよう。)
芽衣先輩は俺が来る方向を予測していたかのように、俺の来る方向に体を向けていた。
(とりあえず、先輩に声を掛けることにしようか。)
「芽衣先輩、話ってなんですか?」
「どういう話ならば久遠君、嬉しいのかしらね。」
「特にないですけど、選択権とかないんですか?」
「なら、選択肢をあげる。」
「ありがとうございます。」
冗談半分だったが本当に選択肢をくれた。
「三択にするけども、どれがいい?」
「まだ言われてないので、流石に判定できないです。」
「それもそうよね、その三択はね・・・・・・。」
「一が告白、二が買い物、三の生徒会についてこの三つのどれかの話。」
「生徒会の話だと、個人的にはいいです。」
「それは.....どうかしらね?」
「怖いんですけど。」
「答えは、何ですか?」
「一の......告白よ。」
(考えた様子はなく直ぐに言葉を返された。)
「一の、告白ですか。」
「ええ、私は貴方のことが好きよ。」
(憧れとしてか、人としてなのかなんだろうか?)
(性格についてだろうか、恋の好きなのだろうか?)
(そんなことを冷静に考えた結果、出た言葉と言うと・・・・・・。)
「どういう種類の、好きですか。」
(告白してきた人に言うべき言葉ではないことは分かっているが、言ってしまった。)
(先輩は、どう返してくるのだろうか?)
「どういう好きって、キスしたいとかの好きよ。」
「一応確認ですけど、人として好きでなく異性としてですよね?」
照れ隠しではなく、単なる興味本位としてのことにしておいてくれよ。
(嫌われているかもと思ってた人に、告白されるとは誰も思わないだろうから仕方ないよな知らんけど。)
「そう私、久遠君に恋してる。」
「理由、お聞きしてもいいですか。」
「自分の魅力に、気付いてないのね。」
「魅力ですか、よく分かりませんね。」
「自分じゃ分かりにくいから仕方ないんじゃないのかしら?」
「仕方ないとして、俺の魅力って何ですか。」
「私、久遠君の噂は入学式の前から知っていたの。」
「それは、ありがとうございます。」
「実際に会ったら、噂以上に格好良くて惚れたのよ。」
「そんな、惚れられるような噂ありましっけ?」
「あら知らないかもだけど、久遠君中学校卒業後に歴代最優秀の生徒長としての噂が幾つもあるのよ?」
「俺には、そんな話されてないので初耳ですよ。」
「その話関連以外で出すとしても、沢山出るけど久遠君どうする?」
「多過ぎ無い程度なら、幾らでもいいですよ。」
(あんまり出ないなら、本気で好きではない訳だから試してみよう。)
「そんなこと言うと100個とか出すわよ。」
(芽衣先輩本当に、そんなに出せるんだろうか?)
「100は多いんで、5個位絞っていただけませんか。」
「100個じゃ、ダメかしら。」
「ダメです、100個は流石に時間が掛かり過ぎます。」
「5個に減らすのね、まあいいけどね。」
「1つ目は性格、2つ目は外見よ。」
「3つ目は見た目、4つ目は気配り上手な所ね。」
「5つ目は何事にもすぐ行動出来ることかしら。」
「何故、この5つですか。」
「好きなの5個出すってことですぐ浮かんだのを出したのよ。」
「他に上げてと言われたら、何を言います?。」
「知りたいの?」
「そうですね、知りたいです。」
「今出すよりも次の時あれば出したいから、今さっき5つ答えたやつを解説したいのだけどダメ?」
「絶対恥ずかしいので、勘弁して下さい。」
「ダメなの?」
「ダメです。」
「どう・・・しても?」
「お願いですから、勘弁して下さい。」
「そういうこと言われると、解説したい。」
「ドSでしたっけ、芽衣先輩。」
「そんなことはないけど?」
「反応見て楽しんでますよね。」
「どう思う?」
「やっぱり楽しんでますよね。」
「確かに、楽しんでるけどね。」
(白状したよ、やっぱりじゃんか。)
ゴトン。
何か、大きな音がした。
痛った、なんだ何処かぶつけたかな?
視界が変だ、いつもと違う。
斜めってるみたいに感じる。
(もしかしてだけど、何処かに落ちてる?)
嫌そんなことあり得る訳ないよな、気にせず寝るとしよう。
瞼を閉じて再度寝ようとして違和感に気が付く。
なんか、凄く寝にくいんだが!!!
どうしたものかと欠伸をしながら目を開けて、部屋の中を確認してみる。
すると目に映りこんで来たのは、何ということか斜めってる天井?だった。
まあ、まあそんなことは無いだろうが周りを確認してみよう。
ゴツン。
ん?横向いたらまた何かに、当たった。
まあいいか、嫌良くない何故目を閉じたんだろうか?
目を開けると見えて来たのは、ベッドのフレームだった。
「やっぱり、落ちてるんだけど。」
理由は言わずとも把握はしている、あの夢で驚いて動いて落ちたんだろう。
今日が休日で良かった、と思ったことは今日以上にないだろうな。
知らんけど。
(というか時間は、何時だ?)
確認して見ると、時間はまだ朝の2時だった。
また、寝るとしようか。
今度は変な夢でビックリして起きないといいなー笑。そしてまた眠りに落ちていく。
初めてまして影山京夜と言います
読んでいただきありがとうございます。
面白いか分かりませんが努力しますので読んでいただけると幸いでございます。
自分を知ってる方も知らない方も居ると思いますがよろしくお願いします。
Twitterも同じく影山京夜でやっております良ければそちらにもオリジナルの話投稿してますので見てみてね