もしかして私ってチート?
第3話更新です。
表現がおかしかったり読みにくかったらごめんなさい!
「ステータスウィンドウオープン!!!」
ああ、爽快!!一度でいいからやってみたかったことが出来て私の心の中は大興奮ですよ!!
異世界に来てまずやることと言ったら己のステータスを見ること…ステータスを見るということはこの世界に馴染むための第一歩といっても過言ではないのでは!?
おっと、興奮してばかりじゃダメだわ。
ステータスはどのように表示されるのかな?
ーステータスを表示いたします。
頭のなかに直接語りかけてくる声、目の前に表示された薄く半透明のプレートのようなもの。
名前 石月絢美(15)
[種族] 精霊族 (女)[職業] 旅人
[Lv] 1 [EX] 2
[HP] 10 [MP] 850
[DEX] 5 [AGI] 3
[幸運] 5
[スキル]
起死回生・物作りチート・ミニチュア魔法・異世界ネット通販
[魔法]
鑑定魔法・アイテムボックス・付与魔法
[称号]
[加護] ルネラリーチェの祝福
[所有品]
便利道具セット・あまおう1パック・牛乳1パック
→インストール・異世界知識
なるほど、これが私のステータス。
スキルと魔法が充実していてほくほくだわ。
精霊族、15才…この頭の垂れ耳は精霊族の耳なのね。
ルネラリーチェって誰!?こっちの神様なのかな。とりあえずこの異世界知識をインストールしておきましょう。
「ぽちっとな」
ーインストールされました。今後インストールされた知識は記憶のなかに保存されますので自由に閲覧することが可能です。
ふむ、つまり見ればこれこれこうだねってわかったりするのね。とても便利だわ。
便利道具セットの中身も見ておきましょう。
どれどれ…うっわぁ神様これはチートですわ…最強過ぎてなにも言えない…
「アリガトウ,カミサマ」
便利道具セット
魔法のレシピ(異世界料理に付与される効果がわかる)素敵なミシン(壊れない。付与魔法付き[作業効率上昇高、故障知らず])料理道具セット(包丁、まな板、泡立て器、ミキサー、杓文字…お鍋などはない。)魔法仕掛けの裁縫箱(もとの世界で手にはいる裁縫用具や材料が出てくるから好きに使うのじゃぞ。)金貨一枚
うん、チートだぁ…。
これだけ便利道具が入ってるってことはこっちの世界ってそんなに危ないの!?
とりあえずこの魔法のレシピは物作りチートスキルにインストール出来るみたいだからしておいて、全部アイテムボックスにしまっておこう。
私の知ってるアイテムボックスなら多分入れられるし時間経過もないはず…。
明るいうちに近くの村とかに移動した方が良さそうだし、その道すがらいろいろ調べてみましょう。
異世界知識によるとルネラリーチェは物作りの神様。服飾や料理、鍛冶の仕事につく人たちはこの神様の祝福を持っているとより良い仕事につけるみたい。私の場合は料理と服飾に適用されるらしい。つまり美味しい料理が作れる…。
こっちの世界の料理は国によってはあまり美味しくないものが多いみたい。
もちろん貴族だったりお金持ちなら美味しいものも食べれるんでしょうけど一般市民は不味い食事ということもあるみたい。
ミニチュア魔法はそのままものをミニチュアサイズに出来るスキル、持ち運びが楽になるみたい。これは使うときに改めて調べよう。
付与魔法は多分作ったものや買ったものに何らかの効果を付与できるってこと。そして異世界ネット通販はお金を入れれば向こうの世界にあるものをほとんど全て購入できる…すごくありがたいです。
さて、てくてくと歩いていたら川が見えて参りました。
「私っていま、どんな格好なんだろ。」
ひょこりと川を覗き込むと…デデン!なんとビックリ!年相応にシワが出てきて疲れきった顔だった私の顔がプルプルもちもち柔らかい真っ白お肌に!先程は顔はみれなかったのでビックリですね!!!
のでーっと垂れたウサギのような耳はぴょこぴょこと自力で動かせるみたい。
これなんてチート。私がかわいい。
服は真っ青の長袖ロングワンピース。
これなら異世界でも紛れ込んで暮らせそうです。
走行しているうちに太陽が真上に来てます。
少し急がないとこの森で夜を明かすことになりそうね。急ぎましょう。
てくてく、てくてく…
四時間ほどぶっ通しで歩いてやっと明かりが見えました。
どうやら少し小さめの村みたいね。泊まれるところがあるといいのだけども。
異世界知識によると精霊族は人前に普通に姿を表すみたいだから耳を隠したりはしなくて良さそう。さっさと村にたどり着いてなかに入れてもらいましょう!
お!第一村人発見!!鎧をつけてるから兵士さんかな?
「すみませーん!そこの鎧のかた!お聞きしたいことがあるのですが…」
「今忙しいから後にしてくれるかい?ほら、あっちにいった。」
わずか数秒でリリースされたんですけど…
忙しいってなにがあったんだろう。ついていってみようかな。
どれどれ…あの人だかり、なんだろう?それに鉄みたいな臭い、誰か怪我してるのかな?
「あのう、すみません。何かあったのですか?」
「ああ!あんたポーションもってないかい!?少し前に魔物が押し寄せてきてね、大怪我してるやつがいるんだよ。」
ポーション。大怪我。魔物。鉄の臭い。
私が話しかけた女性は杖をもって呪文を唱えている。きっとヒーラーなのだろう。
「ポーション…持ってないです…」
私はなにもできない。
女性がその場から動いたから、目の前に横たわっている人が見えた。
お腹の辺りが真っ赤に染まっている。この人以外にもたくさんの人が倒れている。
「おい!低級ポーションでもいいからはやくもってきてくれ!」
「お願い!こっちを手伝って!」
ここはゲームでも物語の世界でもない。現実なんだ。
ぐっと手を握り込む。何か出来ることはないのか…
ほんの少しの期待を胸にスキルから魔法のレシピを引く。
イチゴミルク 回復ポーション(上級)
怪我の回復に使えます。状態異常には効きません。
いちごみるく、おまえ、ポーションだったのか。
こうしてはいられない!少し離れたところでアイテムボックスからミキサーと苺と牛乳を取り出す。
ミキサーにあまおうと牛乳を入れて、混ぜる!
異世界ネット通販で金貨一枚を投入してガラスの牛乳瓶を20本購入。
出来たところから瓶に流し込んで…
「完成!イチゴミルクな回復ポーション!!」
さっそくあの女性に渡してこよう!
「すみません!これ、ポーションです!使ってください!」
「なんだって!?」
女性の視線は私の持つ大量のイチゴミルクと怪我人の間を泳ぐ。
そして一本受け取り目の前の怪我人の口に運ぶ。
本当にこれでよかったのか。
イチゴミルクはポーションなのか。
効かなかったらどうしよう。
手がじっとりと汗ばむ。
ポーションを飲ませた怪我人が起き上がる。
良かった。ポーションだった。
女性はその様子を見て次々にポーション()を飲ませていく。
私は目の前の光景が信じられなかった。
だってイチゴミルクがポーションだなんて誰も思わないじゃない…
とにかく、目の前の人を助けることができて良かった。
1文無しになったけど、それでも…
「本当に、よかった」
ここはゲームでも物語の世界でもない。
ここが私にとっての現実。
この日の出来事はわたしにそのことを自覚させる大きな出来事だった。
楽しく読んでいただけたら嬉しいです(*´∇`*)
次回更新は来週のどこかで行います!