ハイスペック超人は決着をつけたようです。
瞬く間に距離は詰められ、浮かんでいた太刀が雷のエフェクトを散らしながら俺に斬りかかってくる。
「大地の拳ッ!」
右腕で殴り威力を相殺しようと試みるが、拮抗する兆しすら見せずあっさりと右腕が根元から切り捨てられた。
「まだまだ終わらぬでござるよ!間髪入れず最後の攻撃ッ!正真正銘、最後の一撃でござるッ!この一撃で、カタをつけるッ!」
一撃目を対処している間に太刀を振り上げていた武蔵が、振り下ろしながら叫ぶ。
それに対抗するは俺の左腕。振り上げられたその拳が再び太刀で切り裂かれる。
「あっけなかったでござるな⋯⋯。その姿ではもはや何も出来ぬで御座ろう?潔く負けを認めるでござ⋯⋯いや、キジン殿。何故倒れていないのでござる?ダメージ的に倒れていなければおかしい筈でござる!」」
両腕をバッサリと切られ満身創痍となった俺だが、武蔵の全力の攻撃を食らったにもかかわらず未だ立っていた。
「これで麻痺も継続ダメージも無くなった。見せてやるよ、俺のとっておきを。」
ウルフリーダー達に負けた後から考えていた。あの時は急に相手の数が増えて手数が足りなくなり、対処が追い付かず、腕に負担を掛け過ぎたのが原因で負けてしまったと。
あの時どうすれば勝てたのか?それを深く考えた時、一つの案が出た。
腕に負担を掛けたくないなら何かで代用すればいい。手数が足りないなら⋯⋯
「文字通り、手数を増やせばいいってか。⋯⋯ふぅ、大地装甲・百椀巨神。」
そうつぶやくと周囲の土が集まり、肩付近に集まっていく。一本、また一本と腕を形作り、右腕十本、左腕十本の計二十本の腕が出来ていた。
「不味いでござるッ!今アレを受けてはひとたまりも無いでござ⋯⋯ッ!?足が地面に埋まって動けないでござる!」
試合序盤に仕掛けた大地の海がようやく効果を表して武蔵の足を奪い、そのことに安堵しつつ近づいていく。
「⋯⋯ッ!負けを認めるでござるよ、キジン殿。さあ、とどめを刺すでござる。」
「ああ。大地の連撃、ウオオォォ!!」
二十の腕が武蔵へと殴り掛かり、体力を削っていく。
「良い死合だったでござるよ、キジン殿⋯⋯。」
体力のなくなった武蔵はその言葉を残しながら倒れ、後には試合終了の合図が鳴るのだった。




