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ハイスペック超人は隠しボスに挑んだようでした。

一部表現がグロテスクなところがあります、ご注意ください。

 スキが無いか辺りを警戒する俺、決して逃がすまいと徐々に距離を詰めてくるウルフの群れ、そして遠くで傷を癒しながら高みの見物を決め込むウルフリーダー。



 俺の体力もウルフリーダーとの戦いで残り3割程まで減少し、まさしく絶体絶命な上に徐々にボスの体力が回復していくというおまけつき。あれ程ボスには自動回復を付けるなと言われてるだろうが!



「ちくしょう!俺は最後まで諦めねぇぞ!地の海アースオーシャン地の針アースニードル、からの爆破ァ!」



 ウルフたちの足を奪い、下から針で刺し爆破。ウルフ達にダメージを与えたのは良いが、ここで新たな問題が浮かび上がる。



「やばっ、MPが残ってねぇ!」



 慌ててMPポーションを煽るが、そんな一瞬の粋を見逃すような奴らではない。ギリギリ針の脅威から逃れられた数匹のウルフが仲間のウルフを足場にして飛び掛かってきた。



「痛ッ!離せよ、この!地の拳アースナックル!」



 右腕に噛みついてきたウルフの口の隙間から土を流し込み、爆発させる。その瞬間だった。



ブチッ!



「ぐ、があアアァァァッッ!!」



 右腕に今まで感じなかったほどの鋭い痛みが走る。ウルフに噛まれた比じゃないほどの痛みを肘に感じ、咄嗟に右腕に視線を動かすと



 目の前で宙・・・・・を舞う右腕が見えた・・・・・・・・・



「え⋯⋯?ア?」



 突然起こった理解できない事態に脳の処理が追い付けず、痛みすら忘れて思考が停止してしまう。



 何が起きた?何がどうなった?右腕の痛みはなぜ無くなった?右腕自体がなくなったからだ。目の前で宙を舞っているコレ・・は何だ?これは右腕だ。じゃあ誰の右腕だ?見覚えのある色と形。はっきり残る痛々しい傷跡。こびり付いた土と血の汚れ。俺の右腕は何処に行った?いや、これが俺の右腕なんだ。何で?なんで?ナンデ?何で俺がコんな目に合ワなきャいケないんダ?⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯



 あまりに情報が大量過ぎるので、俺は考えるのをやめた。



 グルルルゥゥゥ⋯⋯⋯。



 遠くで見物していたウルフリーダーが立ち上がり、歩み寄ってくる。ゆっくり、しかし確実に死の足音が近づいて来る。



 やがて目の前で立ち止まったウルフリーダーは動かなくなった獲物を一瞥し大きく口を開き



 バクンッ!



 先程まで死に物狂いで足搔いた敵は物言わぬ獲物となり、光となって消えたのだった。

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