ハイスペック超人は真面目に集団戦に挑むようです。
「オラァッ!」
殴る。蹴る。頭突く。避ける。投げる。転ばす。殴る。避ける。掴む。投げる。蹴る。避ける。掴む。振り回す⋯⋯。
無我夢中になりながらもウルフと戦っているうちに移動してしまっているのか、1体倒したと思いきや3体追加され、3体倒せば5体、7体⋯⋯と、最初よりもウルフの数が増えてきている。
ウオオオォォォーーーン!
「だあっ、遠吠えしてるんじゃねぇよ!このままじゃキリがつかねぇっ!地の壁!」
9体のウルフの群れのうち7体を倒したところで9体の増援を呼ばれてしまったことを確認した俺はひとまず地の壁で即席の高い足場を作り上げその上に避難した。
「漫画とかでたまに見る、犬に追いかけられて高いところに登る人の気持ちが分かった気がするよ。」
こうして高所に逃げたのは何時ぞやの範囲狩りの時か。って、そういえば半日前だったな。なんて呑気なことを考えながら俺はこのちょっとした窮地を脱する策を考えていた。
「地の針じゃあ一撃で仕留められなかったからなぁ⋯⋯、無難に行動を封じるか。」
すばしっこい相手には行動を封じるのが基本と思った俺は、
「地の海、からの地の手。」
PKを倒した際に使ったコンビを使用した。
突然足元が液状化してしまったウルフたちはバランスを崩し、その半身が地面の中に沈み込んでしまっている。それと同時に地面から生えた無数の手が決して逃がすまいとウルフの四肢を掴み、身動きできないように封じ込めていく。もちろん遠吠えされないように口元もしっかりと抑えておく。無数の手はウルフたちの四肢をきつく締めあげていき、しまいに
ゴキリ
という音がウルフたちから聞こえたかと思うかと思うとその四肢が本来曲がる筈のない方向に曲げられた。ビクンッビクンッと大きく震えたかと思うと小刻みな痙攣を繰り返し、数秒後には物言わぬ死体となり光となって消えていった。
「恨むんなら俺じゃなくて勝ち目の無い戦いに挑んだ自分を恨むんだな。」
今の俺ってかなりかっこよくね?と、戦闘の所為で変なテンションになり妙なことを口走っていた俺は
『条件を達成しました!隠しボス、ウルフリーダーと勝負しますか?」
という突然の通知に「は?」と首をかしげるのだった。




