ハイスペック超人はギルド登録したいそうです。
あっと言う間に梅雨も終わり、夏が来ました。
書いている間の暑いこと暑いこと⋯⋯。
皆様も熱中症にはお気を付けください。
足元の光が収まると、俺は噴水のある広場の一角に立っていた。周囲を見渡すと次々にプレイヤーが現れている。
「⋯⋯とりあえず、人ごみの少ないところに移るか。」
俺は近くの路地裏に入ると、改めてメニューを開きステータスを確認した。
キジン
ホムンクルス
魔術師
HP20
MP820
体力1
筋力11
敏捷11+5
器用1
魔力31+10
ステータスポイント残り0
スキル
格闘術Lv1 格闘術に補正。
土魔法Lv1 土魔法が扱えるようになる。
回避Lv1 回避行動に補正。
鑑定Lv1 鑑定が扱えるようになる。
MP自動回復Lv1 毎秒MPを1回復する。
魔力操作Lv1 魔力操作に補正。魔力+5
敏捷上昇Lv1 敏捷+5
魔力上昇Lv1 魔力+5
錬金術Lv1 錬金術が扱えるようになる。
節制Lv1 ありとあらゆる消費を半減する。七つの美徳スキル。
称号
ホムンクルス 魔石を取り込み、己の力へと変える。
節制の美徳 美徳は互いに惹かれ合う。
どうやらホムンクルスという種族も節制というスキルも当たりのようだ。称号のホムンクルスもかなり使えるだろう。節制の美徳によれば、他の美徳スキルを持つ者もいるだろう。まあ、詳しいことは分からないが。
ステータスを確認し終えた俺は、まずギルドへ登録しに行くことにした。これをしないとクエストが受けられないからだ。
俺は路地裏から出て、プレイヤーの流れに沿ってギルドへと向かった。
広場を過ぎて暫くすると、剣が交差した看板が掲げられた建物へたどり着いた。周囲の声を拾い聞きすると、ここがギルドで合っているようだ。
中に入ると、思ったよりもすいていた。絡まれることもなく受付へ進む。
受付にいたのは金髪の若い女性だった。どこがとは言わないが、一部の主張がものすごく激しい。今にも零れないか心配だ。
「すまない、ギルド登録をしたいんだが。」
なるべくその部分には目を向けないよう気を付けながら尋ねる。
「はい、新規の方の登録ですね!ステータスを拝見いたしますので、こちらの水晶にお触れ下さい。」
そう言うと受付嬢は水晶を取り出した。ここで少し尋ねたいことがあるので訊く。
「ステータスは、すべて見られるのか?できれば秘匿したいスキルなどがあるのだが⋯⋯。」
「見るのは名前と種族、職業だけですのでご安心ください。」
どうやらスキルまでは見られないようなので、安心して水晶に触れる。触れると、水晶の中に名前、種族、職業の文字が浮かんでくる。
「ええっと⋯⋯名前はキジン様、職業は魔術師、種族は⋯⋯えぇっ!ホムンクルス!?」
受付嬢が驚いたように目を見開き、こっちを見てくる。もしや、ホムンクルスは登録できないのだろうか?
受付嬢は辺りを見渡すと、周囲に聞こえないようにそっと耳打ちしてくる。近い。
「ホムンクルスはこの現在、かなり希少な種族です。むやみに明かすのはなるべく避けたほうがいいかと。」
「そ、そうか。分かった、これからは気を付ける。」
そう言うと受付嬢は、一転変わって笑顔になり、いろいろとギルドについて説明した後、何やらカードを渡してくる。
「こちら、ギルドカードとなります。紛失されると再発行に銀貨1枚かかりますのでお気を付けください。」
「ああ、ありがとう。」
無事に登録も済み、今度はクエストが張られているボードに向かう。
「んー、最初というのもあるし、定番な物から行くか。」
俺は『薬草10本の採取』と『スライム5体の討伐』の紙に触れる。すると目の前に
『クエストを受けますか?YES/NO』
と出てきたので、当然YESを押す。
クエストも無事に受けた俺は、ギルドを後にするのだった。