ナビゲーターは世界の成り立ちについて説明するそうです。
今回は説明回、少し短めです。
初級錬金術セットを片付けながら待っていると、数分後にナビさんが戻ってきた。
「おかえり。どうだった?話せることありそう?」
「お待たせしました!許可が出たので現時点で話せることは全部話しますね!」
そう言うとナビさんはこの世界の歴史について語りだした。
「まず、キジンさんの節制について説明するのですが、節制などの美徳系スキルは神々の持っていたスキルなのです。」
「この世界は元々、1人の万能神アルル以外は何も存在しない無の世界でした。暇だった神はそこにまず宇宙を創り、星を創り、太陽と大地と海と空を創り、2人の女神を創り出し、その世界を女神たちに託して眺めることにしました。」
「概念の女神エミットは星を動かして世界に昼と夜を創り出し時を創りました。生命の女神フェイルは太陽と大地と海と空の欠片、火と土と水と空気を混ぜて命を創り、様々な形に変えて動物と植物を創りました。エミットは動物と植物に寿命という概念を与え、フェイルは昼と夜を切り取って光と闇を創り出しました。」
「それを見ていた万能神アルルは動物に知恵を与え、火、土、水、空気、光、闇それぞれに自らの血をこぼして、魔法を創り出しました。」
「最後にアルル、エミット、フェイルの3神は自らが住めない代わりに、自分たちに姿の似た『人』を創りました。」
「人にはさまざまな姿があり、ある人は動物の姿を持ち獣人と呼ばれる存在になり、ある人はこぼれた血を取り込んで魔人と呼ばれる存在になり、ある人は火と土の力を得てドワーフと呼ばれる存在になり、ある人は水と空気の力を得てエルフと呼ばれる存在になりその他にも様々な人がいました。」
「3神は人々が支え合って生きていけるように、それぞれお気に入りの14人に自身のスキルから7つの優しさと7つの醜さを1つずつ与えました。その7つの優しさが美徳系スキル、7つの醜さが大罪系スキルと呼ばれるものなのです。」
なるほど、この世界はそういう仕組みでできているのか。初めて知ったわ。
「あー、簡単に表すと美徳系、大罪系スキルは本来神の持つ力ってことか?」
「そういう事になりますね。では、成り立ちについて説明いたしましたので次はありとあらゆる消費についてお話しますね。」
どうやら話はまだ続きそうである。