ハイスペック超人は解決策を見つけたようです。
「今度はどうしましたか?キジンさん。」
そう、困ったときのナビさん頼みである。
「あー、今回は俺じゃなくて、隣にいるアカネさんのことで聞きたいんだけど⋯⋯。」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯。」(唖然)
突然の出来事に着いて行けずフリーズしてしまっているアカネさんを見ながらナビさんに尋ねる。
するとナビさんは少し考えるそぶりを見せながらアカネさんに尋ねた。
「そうするとキジンさんにアカネさんの情報がばれることになりますが⋯⋯ログを確認した限り、お互いに情報は交換済みのようですね。」
「それでは説明いたします。アカネさんの持つ称号、『魔境の戦士』はいわゆる種族称号になります。キジンさんの『ホムンクルス』も同じですね。アカネさん、ステータスを開いてその称号に触れてみてください。」
言われるがままにアカネさんが操作すると、そこから新たにウィンドウが開かれた。
ハイオーガ 進化必要Lv10
「「え、これだけ?」」
あまりの少なさに俺とアカネさんがつぶやくと、ナビさんが答えてくれる。
「最初はこのようなものですよ。進化するにしたがって、もしくは条件を満たすことによって進化先が増えていきますよ。ハイオーガになればアカネさんの悩みも恐らく解決すると思われます。」
「あ、ありがとうございますっ!」
「どういたしまして。今回はアカネさんでしたけれど、キジンさんも似たような称号があるんですから、きちんと確認するんですよ?それでは。」
「ああ、分かったよ。今回もありがとう。」
そう言うとナビさんの姿は消えたのだった。
「とりあえずやることは決まったな。まずはレベル上げだ。」
「よろしくお願いします。」
そう言うと俺はメニューからアカネさんにパーティー申請を送る。アカネさんも了承して、パーティーが結成される。
「俺の戦闘スタイルは基本的に魔法を使う拳闘士だと思ってくれて構わない。アカネさんはどういった戦闘スタイルなんだ?」
そう言いながら軽くシャドーボクシングをする。
「私は基本的に、相手の攻撃を防御してから反撃する、いわばカウンターですね。一応火魔法を取っているのですが、詠唱する暇がなくてほとんど使ってないです。」
するとアカネさんは背中におぶっている剣、否、大剣を構えて見せる。今までアカネさんに隠れていてあまり見えなかったが、大剣の長さは恐らく俺の胸元くらいまであり、横幅に至っては俺の横幅とほとんど変わらない。
あんな細い腕でどうやって持ってるんだ?
「いちいち真面目に詠唱しなくても、使いたい魔法のイメージがはっきりしているなら、重要な語句さえ唱えれば魔法は発動するぞ?」
そう言うと俺はナビさんから教わった魔法のコツをアカネさんにも教えてあげた。さすがに森の中なので実践させるわけにはいかなかったが。