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ハイスペック超人は邪魔者に遭遇したようです。

誰も今回オーガに会うなんて言ってない。

 街を出た俺は、街の南にあるクエストのオーガが出たという場所、誘いの森へと来ていた。



「なんか不気味で、今にも何か出てきそうだな⋯⋯。」



 周囲の木々が視界を奪い、頭上一面にも張り巡らされてかなり薄暗い。風が吹くたびに木々がざわめき、より一層不気味さを際立たせる。



(それにしても⋯⋯恐らくだかつけられているな。3人⋯⋯いや、4人か?杞憂で済めばいいが、予想通りだったときのために備えておかないとな。)



 森に入って少し経った辺りから、何人かの気配を感じる。地面に魔力を流して足音を感じ取ってみたりしてみるが、慣れないことなのでいまいちよくわからない。



「⋯⋯危なっ!」



 水でできた矢が飛んできたため、咄嗟に後ろに下がって回避する。すると、突然木の上から剣を持った男が飛び降りってきて襲い掛かってくる。



「ヒャッハー!その首置いていけぇ!」


「やなこった、地の壁アースウォール!」



 壁を作って奇襲を防ぐ。いつの間にこんな近くに!



「胴体ががら空きだぜぇっ!」


「っ!地の弾丸アースバレット!」



 剣を弾いて逸らし、周囲を確認する。気付くとすでに剣士職3人、魔法職1人の4人のPKに囲まれていた。



 PKとは、プレイヤーキル、またはプレイヤーキラーのことだ。ほかのプレイヤーを襲い、倒すことによって手に入るアイテムや所持金などを目当てにしている。


 別にそれもプレイの一環ではあるが、あまりオススメはされていない。メリットに対してデメリットが大きいためだ。


 PKなどの犯罪行為を犯したプレイヤーは、通称レッドプレイヤーと呼ばれ、専用のスキルがないと一部施設の利用が出来なくなる。


 また、故郷人につかまる、もしくはほかのプレイヤーに倒されるとアイテム、所持金全損などの大きなペナルティがある。



 その他にもPKに襲われたプレイヤーは反撃して倒してもPKにはならない、PKに倒されたプレイヤーはPKK、PKキラーと言ういくつかの特殊職に就くことが出来るが、今回は割愛させてもらう。



「おい、一体俺に何の用だ。」


「そりゃあ決まってるだろう。あのスライム野郎をキジンっていうプレイヤーが倒したっていうからどんな奴かと思ってみたら、初期装備のレベル1の新米プレイヤーじゃねえか!鑑定してみればスキルも全部レベル1だし、おまけに魔術師ときた!まさしく鴨が葱背負って来るとはこのことよ!」


「丁寧な説明ご苦労さん。要するに、新米プレイヤーがボスのドロップを持ってると思って飛びついてきたってわけか。」


「ご名答!さあ、死にたくなかったらアイテムと所持金全部置いて行きな!ああ、安心しろ?さすがに装備までは取らねえからよっ!」


「そうか、そんなに欲しいか。⋯⋯だが断る。地の海アースオーシャン。」



そう言うと同時に、地面の様子が変化していく。表面が波立ち、周囲のPKが一気に膝まで沈む。俺?自分まで巻き込まれるようなへまは流石にしない。



「うおっ、なんだコレ!てめえ、何しやがったぁ!!」


「簡単な話、地面を液状化しただけだ。ほら、ついでに地の手アースハンド。」



 さらにあちこち地面から手が生えて来て、PK達の体を掴み、そのまま地中へと引きずり込んでいく。



「どうだ?狩る側から狩られる側へと変わった時の気持ちは?さぞ怖いだろう?これに懲りて二度とPKはしないことだな。」


「頼む、頼むからぁ!たす、助けてk



 チャポン



「⋯⋯地の針アースニードル。」



〈称号『PKキラー』を手に入れました。称号『無慈悲なる者』を手に入れました。〉



 ええっと、PKキラーはPKを倒すことによって手に入るのか⋯⋯。効果は、スキル『看破』と『気配察知』の入手か。無慈悲なる者は⋯⋯命乞いを無視して倒すことで手に入るのか。効果は⋯⋯スキル『威圧』の入手か。


 早速使ってみるか。えーっと⋯⋯ッ!?そこにいるのは誰だッ!

 書いてて思った。地中に引きずり込められるって、なんのホラゲー?

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