ハイスペック超人は下準備を済ませるようです。
前回の話は何となく予想してた方、多かったでしょうかね?
「とりあえず、あらかた回って街の構造は理解できたな。」
この町の中心には噴水のある広場があり、そこから東西南北に通りがある。
北は通称『ギルド通り』。冒険者ギルドの他、傭兵ギルドがあり、主に護衛系の依頼が多い。また、生産系にもそれぞれギルドがあり、それをまとめる商業ギルドがある。後、ところどころにクラン用のハウスも販売されていたりする。
クランというのは簡単に言えば、似たような目標を持つプレイヤーの集まりで、主に8人以上の集団をクランという。
有名どころとしては、攻略トップの『白銀の旋風』、生産トップの『暴走機関』、獣人だらけの『至高のもふもふ』、魔術師ばかりの『魔術研究会』、ロールプレイヤー、役になりきった人ばかりの『異世界転移戦記』などがある。
話はそれてしまったが、南には通称『雑貨通り』と呼ばれ、この世界にもともと存在していた、故郷人(NPC)や、俺たち異郷人が店を開いたり、住宅があったりと、日常生活を過ごしている。
俺が今いる場所もこの雑貨通りの一角にある宿屋だったりする。値段は安めだが、別にログイン、ログアウトする場所なだけなので問題ない。
そして最後に、東西はまとめて『生産通り』と呼ばれている。ここでは簡単な農業や噴水の水を利用した水産業が行われ、また、その加工までが行われている。生産職の異郷人や、故郷人などがここで働いている。俺もそろそろちゃんと錬金術使わなきゃなぁ⋯⋯。
「まぁ、必要な物はこんな感じかな。」
『隠蔽』のスキルブック、初級料理セット、初級錬金術セット、中級MPポーションを200本ほどと、こんな感じである。
隠蔽のスキルブックはこのステータスを隠すため、初級料理セットと錬金術セットは生産用、HPは紙レベルなのでその代わりに大量に中級MPポーションを買った。ちなみにこれは1本でMPが100回復する。
ちなみにスキルについてだが、取得方法は3つある。
1つ目は今回のようにスキルブックを用いて取得する方法。この方法なら一番手っ取り早くスキルを覚えることが出来る。しかし、殆ど初期のスキルしか覚えない上に、珍しいスキルブックは基本的にイベントの上位報酬だったり、超高価だったりというデメリットがある。
2つ目は一定の行動をしたり、繰り返すことで取得する方法。時間と労力はかかるが、これならば珍しいスキルも覚えたりすることもある。その代わり、狙っていたスキルと似たスキルが手に入ったり、やり方によってはスキルが入らないこともある。
3つ目はスキルレベルを一定まで上げることで手に入るスキルポイントを消費して取得する方法。スキルポイントとは、スキルレベルが5の倍数になる度に手に入り、手に入るスキルポイントの量もスキルによって変化する。しかし、スキルポイントはスキルの進化にも用いるので、バンバン使ってしまうと後が大変になる。
「と言う訳で隠蔽習得っと。」
〈スキル、隠蔽を取得しました。〉
⋯⋯なるほど。このスキルはただ隠すだけではなくほかの情報に見せかけることもでき、同レベル以上の『看破』と言うスキルでしか見破ることが出来ないと。それじゃあさっそく弄りますか。
⋯⋯よし、これで良しっと。ステータスを1レベルの時に見えるようにして、ついでに『隠蔽』も隠して『節制』は『料理』に変えておいた。
それじゃあ、クエストの場所に行きますか。