ハイスペック超人は辛い過去をお持ちのようです。
出だしからいきなりのシリアス展開入ります。
昔から俺、五十嵐 善鬼は、自分でもいうのだどうかしていると思うがあり得ないほどのハイスペック超人だった。
小学校のころから高校に至る今までのありとあらゆる全教科のテストは100点以外を取ったことがない。
また、部活には入っていなかったがその高すぎる運動神経でいろいろな運動部の助っ人に入って次々と勝たせ、ありとあらゆる大会の新記録を塗り替えた。
よく行われる文科系の大会の賞を取り尽し、いまだかつてない千年に一人どころか、十億年に一人と、人類の歴史からはみ出してしまっている。
スタイルもモデル並みに良くイケメンの為、街を歩いていてスカウトされた回数は両手でも数えきれない。
告白された回数?そんなものは100回を超えてから数えるのを諦めてしまった。バレンタインの時なんてチョコレートを貰い過ぎて暫くの間、主食がチョコレートになったことがある。チョコレート、怖い。
さて、ここまで聞けば俺がいかにハイスペック超人か分かってもらえただろうか?言っておくが、どこぞのハイスペックなニート程のぶっ壊れ性能はさすがに持っていない。
人生イージーモード?リアルチート?生まれた瞬間勝ち組?もしかしてそう思っているのだろうか?
ならばはっきりと答えよう。そんなもの、すべて間違っている。
確かに小さい頃は周りからもチヤホヤされた。でも、それは最初のころだけだった。
いつからか善鬼は100点取るのが当たり前、ハイスペックなのが当たり前という評価に変わっていった。
よくよく考えてみて欲しい。いくら努力を積んでも、血反吐を吐くほどの思いをしても、どんなに偉大な功績を残しても、善鬼ならそれくらい当然と、評価をしてもらえない。自分の頑張りを認めてもらえないのだ。
時がたって中学生にもなってくると、周囲の本心も分かった。分かってしまった。
嫉妬と羨望による嫌な視線。
わざと本人に聞こえるように陰でささやかれる悪口。
強者のお零れにあやかろうと媚びを売ってくる意地汚い連中。
机の落書き、物を隠される、明らかなシカトなど水面下で行われる陰湿なイジメ。
「存在がムカつく」などという年上からのあまりにも理不尽すぎる暴力。
これでもまだ、さっきの様に俺を羨ましがるのだろうか?
人生イージーモード?クソゲー並みの鬼畜モードだ。
リアルチート?それらはすべて血反吐を吐くほどの努力の結果に過ぎない。
生まれた瞬間勝ち組?負け組の間違いだろう。
だから俺は
高校を通信制に変えて
自宅に引きこもり
リアルを捨ててゲームへと、
One More Time Onlineへと逃げ込むことにした。