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エピローグ
30000年後
『世界は今日も理不尽である。』
日記にはそう書き始められている。
この日記は、崩れ落ちた家の中で発見された今は滅亡したエルフの日記である。
エルフは各国で反乱を起こして討伐させられていった。
30000年前の伝説の勇者はエルフの持っていた矢を抱え込んで死んでいた。
しかし、この日記には、伝説の勇者リューとその御付きのハイエルフの少女についても述べられていた。
勇者リューは、復活した魔神王に殺されて激情したハイエルフの少女も、殺されたらしい。
その日記の作者は分かっていない。
作者の名前は、消されていたからである。
しかしながら、エルフの崩れ落ちた家で一つの奇妙なペンダントを発見した。
中央の顔だけいないエルフ村の集落全てのエルフを撮ったような写真であった。
そこには、書かれていた。
「君が、健やかに生きていけますように。」