これが…敵...か
シュフゥゥゥ
目の前に現れたのは巨大な龍、その体は30mはあり、体が全体的に黒に染まっている。
こ、こんな、やつ、が、こんなのに、勝てるか?
ズドンッ
歩いてるだけなのに、その足音は『洞窟中』を震わせる。
無理だ...絶対に、勝てない。
この世に絶対なんて言葉は無いと、そうずっと思ってきた。だけど、そんな考えは今日でぶっ潰せれた。これに勝てる奴なんて誰にもいない、そんなことが簡単に分る程の龍、さっきの巨人なんて目じゃない。むしろあれは幸運だった。何故ならこんな馬鹿げた力を持っているとひと目でわかる様な奴がいるのだから。
俺は、龍が見えなくなるまで目が離せなかった。
はぁはぁ、何なんだよあの龍は!あんな奴がこの世にいて良いのか?
『スキル『威圧耐性』を覚えました。』
と、兎に角このダンジョンからはやく出なきゃ!って、あれ?さっきまでダンジョンじゃなかった?
『スキル『幻覚耐性』を覚えました。』
え?あれ幻覚だったの?
ま、まぁいいや、どっちにしろあの龍に見つからないためには物陰に隠れたりする必要があるから、幻覚が解けているならいいや。
取り敢えず龍とは別の方向に進むか。
「シュルゥ...」
ん?
「シャァァァァ!!」
うわっ!いつの間に!
『ダンラナーです、酸で攻撃してくるので注意が必要です。』
4m程の蛇だった。
これ位ならいけるか?
『炎』発動!
ボファァァァ!!
勢いよく炎が出て、蛇を焼く。
しかし、蛇はその攻撃に耐え、尻尾をしならせ横に振る。
その攻撃をぎりぎりの所で躱した田中は、再び炎を使う。
ボファァァァ!!
「キシェ!」
ドサッ
ふぅ、あんなに凄いやつもいたのに普通の敵もいるんだな、まぁ、そのお陰で助かったゆだけどね。
『ファイヤーバードのLv.が2上がりました。スキルP30獲得しました。』
お、やった!
ステータス見てみよ。
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種族名 ファイヤーバード
名前 田中友
年齢17
【ステータス】
Lv.5
HP100(4up)
MP55(4up)
攻撃42(4up)
防御50(4up)
魔法攻撃60(4up)
魔法防御46(4up)
素早さ65(7up)
【スキル】
『火風』『キャス』『火剣』『炎』『シャボン玉』『シャボン玉火炎属性』『シャボン玉の理解者』『威圧耐性』『幻覚耐性』
スキルP53
【称号】
『鳥になった転生者』
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う~ん?何か伸び悪い?いやそんなことないか。
にしても素早さの伸びは凄いな、他の2倍くらいない?
バコーンッ!!!!!!
突然奥の方でとてつもない爆発が起きた。
うわっ!な、何だ?
も、もしかしてあの龍か?
...こ、怖いけど見に行ってみよう。
田中が爆発した場所に向かう。
そこでは自分を襲った巨人が無惨な姿であった。
酷すぎる...。
何もここまですることないじゃないか。
何でこんなにして去っていくんだ。
自分を襲って来た奴の筈なのに、とても悲しく感じた。
俺はこの姿のまま残されるよりは良いと思い、巨人を自分の炎で跡形をなくした。
俗に言う火葬という奴に似ている行為だ。
『称号『天からの恩』を手に入れました。
スキル『モンスターの加護』を覚えました。』
...モンスターの加護?
『ただ今火葬したスモールキラーからの加護です。きっと感謝しているのではないですか?』
スモールキラー...アイツの名前か。
...そっか、少しでも喜んでくれてるなら、やって良かったって思える...。
あー、それと一つ決まったことがあるわ。
あの龍ぶっ殺すわ。