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知っている町
部屋だった場所に戻り、眠気もなかったがどうせ夢だと信じ、ホコリなど気にせずそのまま倒れ込んだ。
もしこれが現実だったら…などの不安も出たが、頭を振り忘れるようにとふさぎこんだ。
…気がつくと寝ていたはずだが、いつの間にか立ち上がっていた。
目を開けると、そこにはいつもの明るい町・人ごみがあった。
違ったのがその声・音が全く聞こえない、しかも体も動かないということだ。
なんだか町中で金縛りを受けてるようだが、その自分を気にかけてくれる人もいなければ見てくる人もいない。
遠くから知っている奴が歩いてくる。
そいつに声をかけようとしても声が出ない。
ここで初めてこれは夢だと確信した。
(めずらしいものを見たものだ…)
そう思い、意識してか目を覚まそうとする。
そして…
目を覚ますと、そこは昨日と同じ廃墟と化した自分の部屋だった…