壊れた町
(なんだ…この匂い…どこだここ)
自分の部屋で寝ていたはずだが、まったく知らない場所にいる感じがした。
起きてみて、あたりを見回してみると確かに自分の部屋にいた。
しかしそれは、自分の部屋のようだが何年、何十年と放置してきたかのような、廃墟のような部屋になっていた。
「おい!誰だ!こんなにしやがった奴は!出てこいや!」
いくら叫んでも誰も反応もしない。
それも人の声どころか、虫の鳴き声・電化製品の音・風の音すらも何も聞こえない。
まるで自分以外の時が止まっているかのようだ。
(何がどうなってやがるんだ…)
なんだか嫌予感がし、あたりを警戒しながら部屋から出た。
家の中も廃墟化しており、歩くのですら困難な状態だった。
電気・水道も使えず、冷蔵庫の中はすべて腐りきっていて、何がどれだかわからないものだらけだ。
携帯も確認したが、これも電気どころかボタンも壊れて押せないものだった。
(夢じゃないみたいだな…俺が寝てるあいだになにがあったんだ)
とりあえず外に出てみようと玄関を開けると…
見る影もない町だった場所が広がっていた。
知っている場所に確かに家はある、自販機もある、ただそれらはすべて朽ち果てていた…
「誰かー! 誰かいないのかー!!」
と、大声で叫んでみたが何の反応もない
まるで自分以外の時間が止まっているようだ…
…きっと夢だろう…
そう思いながら、元々いた自分の部屋らしき場所へ向かった。