表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/27

絶体絶命

はぁ…はぁ、

「うっ…」

腕に激痛が走る。

「きゃぁっ!」

「何よ、この子達。まったく相手にならないじゃない…」

クランが足を捕まれて宙吊りにされる。

「ぐ………はぁ!」

ヘレンは血の滴り落ちる腕で必死に雷球を放つ。

「こんな死に損ないの攻撃食らうものですか。」

片手で弾かれる。

「まさか…ユニオンが相手なんて……」

絶体絶命の状態だ。

「ヘレンは強いのよ…私さえ…私さえ足を引っ張らなければ…」

「ほぅ…よく分かってるじゃないの。じゃあ死んどく?」

そのとき、クランの足から輝きが放たれた。

「っきゃ…何よこれっ!」

「クランっ!?」

「大丈夫よヘレン。私がやったんだから。」

ヘレンは唖然としている。

「私ね、いつもいつもヘレンにばかり迷惑をかけて嫌だと思ったの。竜を見て思ったわ。私が変わらなきゃダメだって。」

「クラン……」

「だから一番シンクロ値が高い無の属性で、オリジナルではなく、故人の残していった術を身につけたの。」

「それは…それは何だ!?」

まだクランの足は輝き続けている。

「そんなこと知る前に、あなたは光の速さで死んでくわ。」

クランが消えたと同時に、ユニオンは真っ二つとなっていた。

クランの手には風刀が握られている。

目で追いつくことが出来ないスピードだ。

ヘレンの元へ歩いていく。

「それは一体…何?」

ヘレンは愕然としている。

「これは光の靴(シャイニングブーツ)よ。光の速さで移動できるようになるわ。でも……」

クランが途中でへなへなと座り込む。

「クラン!?」

「大丈夫…この術は、相応の体力と魔力を使うの。だからあんなやつには使いたくなかった…もっと修行しないと、多用は…ダメね…」

息を切らして話す。

「心配させないでよ……でも借りが出来ちゃったわね。」

にこっとするヘレン。

「私が受けた借りはこんなものじゃないわ。これからもっとしっかり返していくんだから…」

ヘレンが魔力を察知した。

「また…何か来るわ!」

「大丈夫よ…こっちに向かってるコアは光…どんなに離れてても、どんなに小さくても光のコアは目立つのよ。闇の中の灯みたいにね…」






くっそ……

もっと早く、もっと早く。

「竜っ!早く!」

「分かってる!」

祐樹は魔力のコントロールがうまい。

悔しいが、ついていくので精一杯だ…

「いた!」

すぐに地上に降り立つ。

足場が安定したところに立つのはすごく楽だ。

「ヘレン!腕、また怪我したの!?大丈夫!?」

すぐさま駆け寄るが、祐樹ほど気の利いた言葉はかけれない。

言葉より先にヘレンの腕を治す。

祐樹はさっきから心配してばかりだ。

「怪我…ひどいね…」

「クランに助けられたのよ…」

それにはオレがびっくりした。

「すごいな…オレとは大違いだ……」

「そんなことないわ。私が変われたのは竜のおかげだもの。」

にこっとしたが、顔が引きつっているのが分かる。

「足、怪我してるじゃないか!」

すぐに治そうとする。

「ダメよ!」

え…びっくりした。こんなに拒否されるとは思わなかった。

「私の回復に魔力を使って、いざという時に使えなかったらどうするの!?」

「仲間を助けるほうが大切だ。」

きっぱりと言うと、おとなしくなった。

「こんなの擦り傷だから大丈夫なのに…」

絶対に嘘だ。足に青アザが出来ている。

表面だけを分解してもダメそうだ。

「ゴメン、足を全部を分解するからちょっと驚くかも…動かないでね。」

すぐにクランの足がなくなる。

「っきゃ…」

「大丈夫、竜を信じてっ!」

祐樹がいい所でフォローしてくれる。

足を形成する。うん、元通りだ。

「ありがとう…でも魔力が…」

「大丈夫だって。オレ魔力多いほうらしいからっ!」

「本当にありがとう。」

交互に2人から感謝される。

こういうときは祐樹は決まってすねるんだよなぁ…

立場的に苦しくなる…

「竜、この辺の薔薇も無くなったことだし、配属場所に戻らないと。」

「うん。行くか…」

そのとき、嫌な悪寒がした。

「どうしたの?」

「来る…」

「どうしたの竜?私たちもう大丈夫よ。」

2人とも首をかしげている。

「違う、何かが、来る!」

ばっばっばっ…

囲まれた。

「おやおや…感のいい子ねぇ…」

どうやら修行で身に付いたのは魔力を察知することみたいだ。

みんなは気づかなかった…

「せっかくコイツらが行ったら女の子2人を料理してあげようと思ったのに…」

「大丈夫よ。どうせみんな死ぬんだし。」

どうしようもできず、会話を聞くことしか出来なかった。

「さて、ここで4人消して、私たちも昇格ね。」

何が起きてるんだ…

「めんどくさいから…抵抗しないでね。」

冗談じゃない…ユニオンが5体なんて…

最期まで読んでくださり、有難うございました。

竜たちは5体ものユニオンを倒せるのでしょうか?

次回をお楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ