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琢磨

「えっとね…」

会話にするとキリがなさそうなので、簡単にまとめることにしよう。

まず、術には発動するための力が要る。その原動力のことを魔力って呼んでる。

魔力が多い人ほど強くて、魔力が多い人ほど術がたくさん出せる。

しかし、いくら魔力が多いと言っても、魔力の配分をうまくできなければ意味がない。

配分は、アリスとかノワールとかのレベルになってくると、術に消費するだけで済むそうだ。

でも魔力の扱いが下手な人は術の消費+無駄な力を使わなくてはならない。

僕と祐樹は魔力は多いほうだ。(アリスが言うんだから本当だろう。)

特に僕は魔力だけなら、アリスに「私に劣らないわ。」と言われた。

ただ、それと同時に、アリスに「魔力の扱いが下手だわ。」とも言われた。

そこで魔力の扱い方を教えてくれるらしい。

また、魔力の扱い方って言うのは術の力にもかかわってくるそうだ。

扱い方がうまい人は力を研ぎ澄ませて攻撃するから、弱い術でもとても威力がある。

それと人によって魔力の質は違うようだ。

ベインとアリスを比べればすぐに分かる。

「まぁこんなところかしら。」

一通り説明が終わった。

「ずっと気になってたんですけど、無の属性の人は少ないって言ってませんでした?」

「えぇ、言ったわ。」

あっさりと言うが、矛盾しているのではないか?

「でもなんか基本の四つの力を使う人よりも特別な力を使う人のほうが多くないですか?」

アリスは考え込んでいる。

「私が説明不足だったわね。」

はぁ…っとため息をついた。

「いやっ…そんなことは…」

焦ってフォローしようとするとアリスが吹き出した。

「いいのよっ!それより帰ってきて初めて、竜らしかったわねっ!」

「そうですか…?」

アリスは笑顔で頷くと、話し始めた。

「無の属性って言うのはその人の属性なの。異って言うのは術の種類。異の術でも掠り傷を治す程度の治癒とか、簡単なものは無の属性が無くたって使うことはできるわ。難しい術は使えないけどね。あなたは、きっと原子の扱いだけでやっていけると思うけど。」

ぜひ治癒の術も教えてほしいんだけど…

まぁ、あとで覚えればいいか。

「時間を停止させるのは難しいんじゃないですか?」

安部さんのことを思い出す。

「ん〜…なんて説明したらいいかな。簡単に言うとね、自分の属性と術とでシンクロする値があるのよ。自分の属性を100に分けたとすると、私は無の属性が45、風の属性が25、火の属性が15、水が10、雷が5ってくらいかしら。」

まてまてまてまて…100に分けた自分の属性のうち、雷の属性は5しかないってことは、最大で術とのシンクロは5だよな…

消費税も馬鹿にはできないね…

「僕たちはどうなんですか…?」

「僕じゃないでしょ!オレ!」

そうだった…慣れるまで大変だ…

「祐樹は前にも言ったとおり100に分けた自分の属性のうち、100が雷よ。でも術とは最大で50までしかシンクロしてないわ。宝の持ち腐れよ。」

結構サバサバと言うもんだ。

「でもあなたはもっと宝の持ち腐れよ!持ち腐れというより、宝の不法投棄だわ!まったく…」

力を自分のものにしていないことよりも、アリスの言葉のほうがダメージが大きい…

頭の中で宝の不法投棄という文字がぐるぐると回っている。

「あなたはね、自分の属性を100に分けると無の属性が100なのよ。」

はい?

「みんなの基準だとね。」

「どういうことですか?」

「あなたの力のすべてを100に分けると、無が60くらいで他は10ってところね。でもあなたはとても魔力が多いの。そして強力な魔力を持っている。あなたの60は祐樹の100とほぼ等しいわ。」

実感がわかない。

「ともかくあなたは強いの!力を自分のものにできればね!」

「そうなんですか。それで、なんでほとんどの他の人は異の術を使えるんですか?」

アリスが目を瞬かせている。

「竜?」

「はい。」

「あなた私の話聞いてたの?」

「はい。」

あっさりと返答する。

「あなた祐樹より馬鹿ね。」

ガーン…

今度は祐樹より馬鹿という言葉が頭の中を回る…

「自分の属性を100に分けたら純粋な属性を持っている人以外は無の属性が少しはあるのよ。」

あ…そうだ。

「だから、その小さな無の属性を使って異の術を使ってるの。あなたたちが戦った敵は少し無の属性の割合が大きかっただけよ。」

あぁ…祐樹より馬鹿かも…

「みんな自分の属性のなかで30以上あるものは1つしかないの。1人を除いてね。それがその人の主な属性となるわ。」

祐樹より馬鹿…祐樹より馬鹿…

「ちょっと!聞いてる!?」

「はい…」

力無き返事を返す。

「もう…強くなりたいんでしょ!」

「はい!」

力を込めて返事を返す。

「よし、じゃあ修行するわよ!」

「はい!」

「はい、はい、うるさいわ。」

「すいません…」

ぐさっと心に来た言葉…本日3度目…

「じゃあ始めるわ。まず、地面を分解してみて。」

手をかざそうとしゃがむ。

「待って。」

「え…しゃがまないと無理ですよ。」

はぁ…アリスは深いため息をついた。

「簡潔に修行の内容を言っておくわ。1つは魔力の配分をうまくできるようになること。もう1つは想像力をつけることよ。」

想像力?

「なんで想像力がいるんですか…?」

「ホンッと馬鹿ね。」

ぐっさ……四度目。

慣れてきてしまった…そんな自分が悲しい。

「想像して創造するのよ。」

よく分からなかったが、もう聞く勇気は無い。

「まず…何をすればいいですか?」

「まずは魔力の配分をうまくできるようになってもらうわ。配分がうまくできるようになれば遠くのものとかも分解したり遠くで構築したりできるようになるから。」

「でも…せいぜい分解できるのは50cmくらいの距離じゃないと…」

「その距離を伸ばすための修行でしょ。いくら良い人材でも磨かないと輝かないわ。頑張りましょ。」

きっと厳しい修行になるんだろうなぁ…

こっちを見てにっこりとするアリス。

きれいな笑顔がまた悪魔に見えた…

ご朗読有難うございました。

無の属性と異の術について分かりにくい説明でスイマセン。

理解していただけたら嬉しいです。

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