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減って増えた謎

偶然か?

いやいや。そんなはず無い…とは言い切れない。

「竜。どうしたの?」

祐樹は気づいていないようだ。

「いや、なんでもない。早く逃げよう。」

そう。ここはまだ戦場。気を抜いている場合ではない。

差し足、抜き足で門の外まで来たらすぐに門を元に戻した。

「ふぅ…ミッションクリアってか?」

「うん!そうだねっ。」

2人で喜びを分かち合う。

「今からどうするの?」

ん〜…今は12時くらいか?

「何時か分かる?」

「11時半だよ。」

僕たちがさっきいた中華料理店を指差して言う。

「よく見えるなぁー。」

「視力Aですから!」

僕はBだから少し羨ましい。

「まずここから離れよう。」

いくらか歩いたところでちょうど良いカプセルホテルがあったのでそこにチェックインする。

「話したいことがあるから1部屋のほうがいい。」

「せまくない…?」

「何とかなる。」

2人ともインすると明日の食事代が危うくなりそうなので無理して1部屋だけにしてもらった。

畳1畳ほどの広さなのでさすがに窮屈だ。

「竜の嘘つき…せまいよ…」

「仕方ないだろっ!そんなことよりこれだ。」

CDを2人のせまい間に置く。

それはやはり予想したとおりオレンジ色の文字でcocoonと書かれていた。

「電気系のトラップは無いのはホントだな?」

今更ついていたとか言われたらご愁傷様だ。

「うん。発信機も盗聴器もついてない。」

よし。

「じゃあ僕の考えを言っていくよ。」

「声を落としてね。」

分かっている。今でも十分過ぎるくらい静かだ。

「安部さんは初めは1時間以上もかけて僕たちのところまで来た。そんなことわざわざする必要はない。なぜ僕たちとそれほどの距離をとっていたか分かる?」

真剣に考え込む祐樹。

「何か理由があった。でも…それが何かは分からない…」

「そう。理由があった。安部さんが自分の家へ忍び込んでもらうと言うことをばれないようにするという理由が。」

どうやらいまいちピンと来ないようだ。

「僕たちがあの家を出るときに僕は見たんだ。彼の家が安部だったことを。」

祐樹の表情が一変した。

「なんのためにそんなことを?」

「ここからはまったくの空想だけど、このCDは兄弟で作ったものだったんじゃないかな?でもこれをお兄さんのほうが自分の物にしようと考えた。そんなことは許せない。だから奪われる前に奪おうと考えた。兄弟で作ったならこのCDがあれだけ無防備に置いてあっても不自然じゃない。」

「なんで兄弟だと分かるの?」

正直聞いてほしかった質問だ。

「ほら、安部さんの名前雄二だっただろ?あれは声に出しただけでは分からないけど安部さんのポケットから雄二って書かれたハンカチが見えたんだ。二っていうのは基本的に兄弟の弟のほうにつけられる。だからそう思ったんだ。空想だから分からないけど…」

「それならたくさんあの家について知ってるのも変じゃないね。」

「うん。これですべてつじつまが合うはずだ。」

やっとすっきりした…

多分安部さんの家に来るまでに2時間以上もかかるような場所に僕たちを来させたのも時間帯を夜にして、ばれにくくするためだったんだろう。

でも初めから夜専門の仕事にすればよかったのに…

そうだ…なんで契約のとき昼にしたんだ?

「まてよ…このCD…相当すごいものかも。」

「やっぱりそうだよね。昼間に僕たちを来させておいて夜に忍び込むように時間を調整するような面倒なことまでしてるからね…」

祐樹も気づいているようだ。

初めから夜専門にするとCDがすごいものと悟られる可能性がある。

だからこのCDに重大な秘密があることを隠すために昼に来てもらうようにしたのか?

しかもDランクのクエストに…

「う〜ん…このCDが何であれ僕たちはこれ以上知る必要はないんだよね。」

「そうだな。もう今日は疲れたし寝るか。明日CDを渡してクエスト達成だ。」

少しせまい中で体を縮めながら眠りについた。

ありがとうございました。

謎が増えてしまいましたね。

次か、その次には戦いが入ると思いますので楽しみにしていてください。

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