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第6話 元勇者パーティー(?) 賑やか

「この馬鹿!」


「雪白君の阿呆!」


「前代未聞、空前絶後の馬鹿の王が!」


「そ、そこまで言わなくてもいいじゃないか………」


「「「まだ言い足りないぐらいだ!」」」


 城であてがわれた僕の部屋でやはり蓮たちに怒られることになった。


「言いたいことは山ほどあるけどまずは1つだけ。作戦を変えるなら前もって私たちに話しなさいよ!」


「事前に話したら許可しなかっただろうに」


「それはそれ、これはこれよ」


「便利な言葉だね」


 まあ怒られるだけのことはしたのだからここは甘んじて受けよう。


「それで透。『闇の黒玉』は手に入れたのか?」


「ああ、これがそうだよ」


 収納魔法で異空間に入れていた『闇の黒玉』を取り出す。光も何もかも飲み込むのではないかと思わせるほど黒いそれを机に置くと3人はよく見てみようと近づく。


「これがそうなのか」


「ずいぶんと神秘的なのね」


「なんだかひきつけられちゃうね」


「ちなみにこれは悪用すれば見た人間を凶気に染めて狂わせることもできるんだよ」


「「「っ!?」」」


 僕がそういうと3人は一斉に後ろに下がる。それを見て幾らか溜飲を下げた僕は黒玉を手に取り魔力を込める。すると黒玉に赤色の矢印が浮かび上がる。


「その矢印は何なんだ?」


「『炎の紅玉』の場所を指しているんだよ。『属性玉』は光、闇、炎、水、土、風、光の順に場所を探知できるんだよ。実は『光の白玉』をすでに僕は持っててね。だから帝国に『闇の黒玉』があるって分かっていたんだ」


「そうなんだ。でもそんなことができるならどうして誰も『属性玉』を集めようとしないの?1個でも私たちを召喚するだけの力があるんだからもっとあればそれ以上のことができるって思うんじゃないかな?」


「確かに『属性玉』が複数あればあるだけ力は強くなる。けどね、それは同時に暴走する可能性も高まるんだよ」


 僕がそういうと蓮が睨んできた。いきなり睨まれた僕は笑いながらその視線を受け流そうとするのだが………


「だったら『光の白玉』と『闇の黒玉』を持ってる透も暴走するかもしれないってことよね?」


「普通ならね。当然その対策は取ってあるよ。具体的には『属性玉』を同時に使わないことと使わないときは封印魔法で可能な限り影響が出ないようにしてるんだ。僕なら『属性玉』1つだけしか使わないなら暴走することはありえないからね」


 まあ『属性玉』が半数以上集まれば封印魔法の効力も落ちていって暴走する可能性も急上昇するのだがまあ黙っていよう。

 そう思っていたのだが修はそのことに気付いたようで2人に気付かれないようにしながら厳しい視線を向けてくる。分かっていながら修は僕にやめろとは言わないから彼は親友なのだけど、本当にありがたい。


「で、『炎の紅玉』は大体どこら辺にありそうなんだ?」


「この矢印の色の濃さと方角から見て妖精人の森かな?あそこに炎の『属性玉』があるのは意外だけどまあ何か理由があるんだろうね」


「妖精人の森!?それって妖精人(エルフ)が住んでいる森のこと!?今では誰もその場所を知らないのに透君は知ってるの!?」


「お、落ち着いて綾崎さん」


 綾崎さんはよほど妖精人に興味があるのか興奮して顔が触れ合うほど近づいてきたので急いで離れる。しかしまた彼女が近づいてきたので風魔法で彼女を押して無理やり距離をとる。蓮も綾崎さんが落ち着くように手伝ってくれたので5分ほどで彼女は落ち着きを取り戻すのだった。


「ご、ごめんね透君。この世界にエルフがいるって知ってからずっと会ってみたかったんだけど帝国にはいなかったから」


「綾崎さんがエルフに興味があるっていうのは意外だね」


「そう?私、日本にいたときはライトノベルとか結構読んでたんだよ。『ウサギが石油を飲んで世界滅亡』とか『ヤンデレ嫁VSサイコパス姑』とか」


「それライトじゃない、ヘヴィだろ」


「あ、じゃああれは?『心臓破裂でふわふわ気分』!」


「ある意味ライト!?」


「何の脈絡もなく心臓が破裂した主人公がふわふわした気分になって天使や神様とお茶会をするあの小説がもう読めないなんて切ないなあ」


「確か最新刊では主人公が天国でのお茶会をとるか生き返って婚約者と結婚するかを選べってところで終わったんだよね」


「そうそう!いったいどっちを選んだのか気になるなあ」


「次で最終巻だっただけに未練が残るよね」


「うん」


 実のところ綾崎さんが名前を挙げたラノベは僕も読んでいるものだったので自然と話しは盛り上がったのだが蓮と修が生暖かい目でこちらを見ているのに気付き理由もなくあわててしまう。


「え、えっと」


「こ、これはだね」


「あとは若い2人に任せましょうか木戸君」


「そうだな。俺たちが邪魔になってはいけないからな」


「「待って!お願いだから待って!」」




 部屋を出ようとする2人を必死になって止めようとする僕と綾崎さん。そんなタイミングでアルスさんと笹原先生、清水先生が扉を開けて入ってきたのだった。











雪白透

性別 男性

年齢 17歳

スキル 『絆』 (詳細不明)

備考 元勇者


黒羽蓮

性別 女性

年齢 16歳

スキル 『未来視』『直観』

備考 幼馴染 世話焼き


綾崎霞

性別 女性

年齢 17歳

スキル 『回復』 (触れている生体を治す。触れている面積が大きいほど治癒力が上がる)

備考 恋する少女 天然トラブルメイカー

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