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第4話 元勇者の親友 友情?

 アルスさんとの話がまとまったところで次は蓮たちがどうするのかを聞くことにしたのだが。


「え?私は透についていくわよ」


「わ、私も雪白君と一緒にいるよ!」


「革命が成功したとしても帝国にいるよりはお前のそばにいる方が面白いだろうからな」


「私は清水(しみず)先生と帝国に残る生徒の面倒をある程度見なければいけない。それくらいは教師としてやらなければいけないだろう」


「つまり先生以外は僕についてくると?あまりすすめはしないけど」


「危険は承知の上よ。それでも透についていけばこの世界のことを詳しく知れそうだし、もっと好きになれるかもしれないから」


「私は、その、雪白君と………みんなと一緒にいたいから!」


「………透。そろそろ腹をくくったらどうだ?」


「あはは………」


 綾崎さんの思いを知ってはいるけど(というか彼女は分かりやすすぎる)僕はそれに応える気はない。しかし告白されたわけでもないのに振るわけにもいかないので僕としてはあまり触れたくない問題である。

 蓮のジト目と修の面白がっている顔を無視し話を続ける。


「僕は『闇の黒玉』を手に入れた後、この世界の様々な国を巡ることになる。移動に関しては転移魔法があるからそこまで問題じゃあないけど他の事では嫌な思いをすることもあるだろう」


 一息


「それでもついてくるのか?」


「「「もちろん!」」」


「じゃあ言うことはないよ」


 自分のしたいことをすればいい。この世界ではそれが許されるしそれが求められている。自分の行動に責任をもって、いつ死んでも悔いの無いように生きていった方がいい。


「ではアルスさん。いつ革命を起こしますか?僕としてはできるだけ早い方が望ましいのですが。あとどういった手段で革命をするかですね。夜中に闇討ちするのかそれとも真正面から戦って制圧するのか。そういうところも考えておいてください」


「真正面から帝国の近衛と勇者たちを相手にして勝てるのですか?」


「たぶん。転移魔法と重力魔法、あとは封印魔法を使えばどうにかなるでしょう」


「ならば決行は明日。今日これからリオネスに帰り雪白殿を勇者たちに会わせ、明日、父に話をし、それでだめだったなら雪白殿にお願いしたい」


「了解。それじゃあリオネスに帰ろうか」


 そうして僕は転移魔法で再びリオネスに行くのだった。











Side 黒羽蓮




 透をみんなに会わせ、夕食も食べ終わりあとは寝るだけと言った時間帯に私は透の部屋の前に来ていた。


「透、いるかしら?」


「蓮?こんな時間にどうしたんだい?」


「話があるの」


「………部屋に入る?」


「ええ」


 部屋に入ると透がどこからか飲み物をだしコップについでくれた。ありがたくそれを受け取ってから話に入る。


「透が勇者として呼ばれたのは13歳の夏休みの時なのよね?」


「そうだけど、それがなにか?」


「そのときに恋をしたの?」


「えっ?」


 私の質問に透は呆然とする。この幼馴染は私が気付いていないと思っていたのだろうか。あれだけ一緒にいて、私にとってはたった1日経った後にあれだけ変わっていたんだから何かあったことぐらいは分かっていたのに。


「ああそうか。蓮はあのころ僕に何かあったって分かっていたのか」


「そうよ」


「だから僕にべったりしなくなったのか」


「そう………違うわよ!もともとべったりなんてしてないわよ!」


「そんなことはないだろう。小さい頃は一緒に寝たり、風呂に入ったり、ひざまくらをしてあげたりしたじゃないか」


「覚えてないわよ!」


 そんな昔のことを蒸し返すなんて!小さい頃は親が仕事で忙しくて、仲の良かった透の家に泊まることが多かっただけで。そのころの透は(今もだけど)無駄に包容力があったからついつい寂しさを紛らわすために、ってそんなのは今どうでもいい!


「それよりも私が言いたいのは霞の事よ」


「………おおう」


「霞の気持ちには気づいているわね?頼むからあの子には真摯に向き合ってあげてほしいの」


「蓮はそういうのに関わらないと思っていたんだけどね」


「元の世界なら関わる気はなかったわ。でもこの世界では死が身近にあるでしょう。だからできるだけ望みをかなえてほしいのよ」


 死ぬ間際の後悔はできるだけ少ないほうがいいというのが黒羽家の教えの1だから………いえ、それもこじつけね。本当は私の理想を押し付けているだけなのに。


「まあそれは綾崎さんの頑張り次第ということで。明日は忙しいんだからそろそろ寝た方がいいと思うよ?それともここで一緒に寝るかい?」


「寝ないわよ。だからそんなにやついた顔はやめなさい」


「はーい」


 むかついたので立ち上がって透の背中に回り、思い切り蹴ることで溜飲を下げ他私は部屋に戻ろうと扉に向かうのだった。


「そ、それじゃあおやすみ」


「ええ、おやすみなさい」




 明日は頼むから透に何か起こらないでほしいと祈りながら眠りにつくのだった。











Side 木戸修一




 大変なものを見てしまった。


 『探知』スキルを使いこの城の住人の動きを探っていたら黒羽が透の部屋に行くのが分かったので気になって見に行ったのだが一緒に寝るだの風呂に入るだのと予想外の言葉が聞こえてきた。ただの幼馴染ではないと思っていたのだがまさかここまでの仲だったとは。

 この世界では一夫多妻制が認められているのでもしかしたら透ならハーレムがつくれるかもしれない。ならば俺は透のハーレムが少しでもうまくいくように力を貸そう。


 そう決意するのだった。




木戸修一

性別 男性

年齢 16歳

スキル 『探知』(自分を中心に半径1キロ以内の人間、または生物の動きを知ることができる。またマーカーと呼ばれる魔力物質をつけることでその動きを10キロ以上離れない限りは追える)

備考 透の親友。友のためならハーレムづくりだって手伝います。

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