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第22話 幼馴染 助ける方法は

 逃げる。恥も外聞もなく全力で走って逃げる。僕が通る場所を予測して爆破させられているのだがこちらも不規則に動いて簡単に読まれないようにする。

 僕がこんな逃げの一手を打っている理由はこの結界内ではスキルが使えないうえに魔法もその力が減衰させられているからだ。しかも魔法を使うたびに精神的に疲れてくるおまけつき。なんともありがたいお心遣いなことだ。


「ははははは!ほらどうしたトオル先輩?この場面から挽回して見せろよ!」


「くそ、好き勝手言いやがって。だったらこの結界のルールを変えろってんだ!この腐れドラゴンが!」


 ひとしきり暴言を吐いたところですっきりしたので打開策を考える。魔法はともかくスキルが完全に使えないというのがかなり痛い。それに今の感じだと消滅魔法を2、3回使えば疲労で倒れてしまいそうだ。

 地形はどうやらモノリスを模しているようだが何か利用できるものはあるか走りながら考える。




 結果として僕が直接ガリアを倒すことはできないとは言わなくてもかなり難しいので気絶しない限界まで力を振り絞って爆砕魔法を使い結界内を壊しまくることで現実世界にある基点を(おそらくは)大きく震えさせたのだった。


「あとは任せたよ………」











Side 黒羽蓮




「蓮さん!冒険者組合が大きく震えています!」


「向かうわよクラウ!」


「はい!」


 地震もないのに大きく組合の建物が揺れるのを見た私たちは急いで向かう。すると建物の中にいた人たちもなぜ揺れたのか分かっていないようで急いで建物から避難していた。


「蓮さん、私が防壁魔法をかけますから『直観』と『未来視』で危険を察知したらすぐに教えてください」


「分かった、うっ!?」


「蓮さん!?」


 建物に入ると同時に息苦しくなり胸を抑えながら倒れてしまう。今まで全く反応しなかった『直観』が今までにないほどの警鐘を鳴らすのだった。


「蓮さん!蓮さん!」


「ぐっ、大丈夫。ちょっと『直観』の知らせが強すぎたみたい」


「そんなことがあるんですか?」


「それほど強い相手ってことなんでしょうね。気を抜かないようにしましょう」


「はい」


 そうして2人で1階から探していく。この建物は3階建てだが広さが結構あるので探し終わるのに時間がかかりそうだと思う。そして探しているうちに『直観』が働かない理由に気付く。基点の位置が分からないのではなく、基点に近づけば危険だから発動しないということなのだろう。




 3階の組合長室にそれはあった。赤く光る石が小刻みに震えている。それに解析魔法を使うとやはり結界の起点であるという結果が出た。


「これを壊せばいいのね?」


「はい。まずは私が行きます!」


「ええ、お願い」


「ではいきます。粉砕魔法!」


 クラウの魔法の中で最も破壊力のある粉砕魔法により、石ではなくクラウの体が砕け、飛び散ったのだった。




「はっ!?」


「ではいきます」


「待って!」


「粉砕、どうしたんですか?」


「今、『未来視』が発動したの。あのまま粉砕魔法を使って体が砕け散るクラウが見えたわ」


「………もしかしたら解析魔法でもわからない、反射させる魔法が使われているんでしょうか?」


「そうかもしれないわね。よく考えてみれば大事な基点を無防備においておくはずがないわね」


「ですね。迂闊でした。とはいえ私たちはこれを破壊しなければいけません。おそらくさっきの大揺れはパパが結界内から何かしたんでしょうし、わざわざそんなことをしなければいけない状況に陥っているということでしょうからね」


「そうね」


 しかし攻撃が反射する以上、私たちが死ぬほどの威力の魔法は使えない。かといって威力の弱い魔法ならそもそも壊せるかが分からない。そこまでかんがえたところで1つの案………というのもばかばかしい考えが浮かんだ。だがこの考えが今のところ1番成功率が高そうなのでクラウにも聞いてもらい、彼女からも可能性があると言われたところで私は通信魔法で霞に連絡を取ったのだった。






「私の『回復』を使う?」


「ええ、そうよ」


 連絡を取り霞と修一にも来てもらい私は考えを伝える。とはいってもある意味シンプルな作戦なのだけど。


「基点に使われているものは元々何の変哲もない普通のものだったの。それを魔法で基点という性質を足した………いえ、改変したと認識して頂戴。そして霞の『回復』でその改変を治してほしいの」


「………そんなことができるの?」


「分からないわ。でもこれが1番可能性が高い方法なの」


「つまり、私に透君の命がかかっているんだよね?」


「そう考えてもらって構わないわ」


「そっか………」


 そういうと霞はなぜか笑顔になった。プレッシャーを感じて怖気づくならわかるのだけどなぜ笑顔?と思ったところで彼女の口から理由が語られた。




「好きな人を救えるなんて最っ高のシチュエーションだよね!」


 綾崎霞 どこまでも私の予想を超える親友だった。

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