第18話 いろいろ 短編1
ガリアノート・ドラゴ・アインテイル
龍の姿と人の姿を持つ龍人である。龍人の平均寿命は1000年を超えると言われている。そんな彼の歳は775歳であり、500年前に会った時は新人だったのに今ではフラジール王国の冒険者総合組合長(つまりフラジール王国の冒険者で1番偉い)になっているとのことだった。
そして妖精人の森に龍人ならば問題なく入ることができるので頼んでみてはどうかとオーウェン組合長は言うのだった。
「しかし彼が頼みを聞いてくれますか?今では総合組合長なんですよね?」
「そこはトオル君の交渉次第なのではないかな?」
「………まあ確かに」
「それに彼は最近退屈していますからね。あなた方がその退屈を埋めれば快く頼みを聞いてくれるかもしれないですよ」
「どうする?」
「私はその人のことをよく知らないから透に任せるわ」
「私も同じかな」
「以下同文」
「です!」
「………面倒がってるだけじゃないよね?」
そう聞くと4人は顔をそらす。
「なんて仲間なんだ………」
というわけでフラジール王国行きが決まった。
Side アルス・クラスタ・バオル
忙しい
忙しすぎる!
「軍の再編はどうなっている?」
「9割方完了しています。あとはアルス様の親衛隊だけです」
「それは後でいい。勇者たちの進路はどうですか?」
「だいたいの生徒たちは決まりました。後は神崎と天海、静だけです。その3人の中で全く進路が決まっていないのは静だけ。神崎は兵士につきたいと思っていますが具体的な配属先までは考え中で、天海は帝国の貴族たちから求婚が絶えず、どこにしようか悩んでいるところです」
「そうですか。天海さんの婚姻については申し訳ないがこちらにも関わらせてもらいたい。彼女のスキルは強力だし、子供に受け継がれる可能性も高いので不穏な貴族とは関わらせたくはないのです」
「理解しています。しかしそれならばできるだけお早くお願いします。今はまだ大丈夫ですが天海が惚れてしまうという可能性もありますので」
「わかりました。他の勇者たちの進路についても紙に記して提出をお願いできますか?」
「それは私の《筆者》スキルで何とかします」
「では次に………」
会議も終わり笹原さんと清水さんの3人でお茶の時間を楽しむ。最近はこの時間しかゆっくりできずにいるのでできる限りのんびりとする。
「アルスさん、最近きちんと寝てますか?」
「ん?ああ、まあ程々は取っていますよ」
「しかしクマができていますよ」
「………そうですか。しかしまあ、最近は忙しいですからね。仕方ないでしょう」
「仕方ないですませて体を壊しては元も子もないでしょう。もっと自分を大事にしてください」
「はい、ご忠告感謝します」
この2人には本当に世話になっているので素直に忠告を受ける。
「ところで勇者たちは本当に大丈夫なのですか?」
「はい。あれからみんな元に戻ったというか、日本にいたころの倫理観に近づいていますからむやみに人を殺したり、犯罪を犯すということはないと思います」
「万が一の時は私たちが止めます」
「ええ、それについては信頼していますが」
「なにか思うところが?」
「実は聖国に妙な動きがあるようで、もしかすると勇者に接触して何かしでかすかもと思うとなかなか考えを変えられなくて」
「聖国とは何かしでかすような国なのですか?」
「あの国は勇者を神聖視しているのです。ゆえに祭り上げるために何人かを引き込む可能性がないわけではないのです」
「もう簡単にはうまい話に乗るわけはないと信じたいが」
「力技という可能性もありますからね」
「まあ、なるようになるでしょう。さ、今日の菓子は帝国ではめったの出回らない特上品です。勇者の分もきちんとありますからどうぞ」
「いつもありがとうございます」
そしてこの後の地獄から目をそらしながら一時の安らぎを得るのだった。
Side ガリアノート・ドラゴ・アインテイル
寝起き
「目覚めはいいんだよなあ」
昼食
「最近は飯もあまりうまいと思えなくなってきたな」
午後
「暇だ。仕事をしてもやり足りないし、そもそも事務仕事をしようとすれば組合の職員に止められるし。昼寝でもするか」
夕食
「………」
就寝
「今日も暇な1日だった。最近の俺は生きてるって感じがしないなあ」
これがここ20年のガリアの生活だった。
笹原伊織
性別 女性
年齢 30歳
スキル 『教鞭』(人に教えるとき、それが身につきやすい)
備考 クラス主担任
清水幸
性別 女性
年齢 27歳
スキル 『筆者』(書くということについてのエキスパートになるスキル。文字を書くことだけではなく地図を描くなどの事にも優れる)
備考 クラス副担任
アルス・クラスタ・バオル
性別 男性
年齢 25歳
スキル 無し
備考 バオル帝国皇帝
おまけ
「ねえねえクラウちゃん、今日私と一緒に寝ない?」
「すみません、私はパパと一緒に寝ますから」
「じゃあ3人で川の字で寝ない?」
「川の字ですか?」
「川の字っていうのは3人で並んで寝ることでね。つまり私と透君でクラウちゃんをはさむんだ」
「興味深いですね」
「………綾崎さん?」
「と、透君!?あ、綾崎さんだなんてそんな他人行儀なのはやめてよ」
「蓮の親友さん。うちのクラウを使わないでください」
「ごめんなさい!謝るから霞って呼んで!」
「いえいえ、僕とあなたはただのクラスメイト………あ、今はクラスメイトでもありませんね」
「本当にごめんなさい!」




