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第12話 3人組 話し合い

Side 黒羽蓮




 爆発草を採取するためにシリアの街の北東にある森へやってきた私たちは順調に集めていた。


「これで30本ね」


「依頼された数は集めたがどうする?」


「この爆発草、錬成魔法を使えば疲労回復の薬になるらしいから私たちが使う分を集めてもいいんじゃないかな?」


「錬成魔法なら私が使えるから作ってもいいけど。作るならそれなりの数が必要よ?」


「どれくらいあればいい?」


「薬を1回分作るのに15本ね」


「今は大体3時ってところだし帰るのに1時間かかることを考えるとやめといたほうがよさそうじゃないか?」


「そうだね」


「じゃあ帰りましょうか」


 30本集めるのに2時間かかったことを考えると慣れてきたとはいえさらに15本、30本集めると暗くなってしまう。そうなると暗い森の中で魔物に気をつけながら帰ることになるのだけれどそう言ったことに慣れてない以上避けられるなら避けるべきだろう。


「ところで2人とも、帰ったらあの人に会った時のことを考えてる?」


「「考えてない」」


「即答!?でも何か考えないと会った時大変じゃない?昨日までは依頼を受けて遠出していたからいいけどあの人当分依頼は受けないって言ってたし、そうなるとこれから組合で何度も会うんじゃないかな?」


 シリアに帰る途中で霞がそんなことを言い出した。正直思い出すのも嫌だけど確かにこれから何度も会う可能性がある以上何らかの対策を考えておいた方がいいだろう。


「無視すればいいんじゃないか?」


「でもあれでもシリアの若手では一番なんでしょう?古株の人たちは口を出す気がないとはいえ彼の取り巻きたちがうるさいんじゃないかな?」


「なら徹底的にさけるのはどうかしら?組合に入る前に中にいるかを確認していなければ入り、速攻で依頼を探して速攻で出て行く。これならどうにかなるでしょう」


「でも受け付けはいつも行列ができるからどうしても時間はかかるよ。というか2人とも彼に捕まった時のことを考えようよ!」


「「嫌だ!」」


「即答しないで!?」


 あの手の男と知り合っていいことがあるとはどうしても思えないのだから仕方ないじゃないの。


「それかあれだ。あっちから模擬戦を挑んでくるように誘導してボコボコにするとかはどうだ?」


「でも向こうの方が強いかもしれないよ?」


「そうね。仮にも彼は若手のエース。実力も相当あるのかもしれないわ。だからここは気づかれない遠距離から精神魔法を使って私たちを認識できないようにしましょう」


「だからどうしてそんなに物騒なの!?」


「生理的に受け付けないのよ」


 男だというなら過去を自慢するんじゃなく何も言うことなくさりげなく大物を倒すのがいいんじゃないだろうか。こう、背中で語るというか、自分の苦労を口に出して心配させないというか………別に透がそういう男だからってわけじゃあないのよ。


「………結局まともな考えが出ないまま町に帰ってきちゃった」


「仕方ないわ。だから出会っても無視しましょう」


「それか問答無用で魔法を撃ち込もう」


「無視!無視でいこう!」


 爆発草を納品するため組合に向かうと何人もの冒険者が組合から出て急いでどこかに向かうのが見えた。なにかあったのかしらと思いながら組合に入るとやけに騒がしいのだった。


「何かあったのかしら?」


「爆発草を納品するついでに受付で聞いてみようよ」


「そうね」


 そうして珍しく空いている受付に行き話を聞いてみる。


「実は先ほどカレアさんが魔物に襲われ大けがをしまして。その襲った魔物というのがもしかしたら災害級の魔物であるバンデッドドールかもしれないということで3級以上の冒険者の皆さんに強制依頼を出したのです」


「カレアって誰だ?」


「今日あなたたちに絡んでいた冒険者です」


「え?あいつ大けがしたのか!?」


 すごくいい笑顔で聞く修一に若干苦笑しながら受付の男性は答える。


「ええ、右腕が重度の骨折、あばらも何本か折ってしまったようです。今この町には骨折が治せるほどの治療魔法が使える人間がいないので自然に治るのを待つしかない状態です」


 それを聞いた瞬間に私と修一は霞に視線を向けスキルを隠すようにと目線で語る。それを正確に察した霞は自分なら治せるということもなく黙っている。


「ところで災害級ということはユニーク魔法を持っているんですよね?いったいどんな魔法なんですか?」


「バンデッドドールのユニーク魔法は強奪魔法と呼ばれています。いまのところ分かっているのは相手の持ち物を奪うことと30秒ほど見続けた相手の魔法適正を奪えるようです」


「魔法適正を奪う?」


「例えば私が火魔法の適性を持っているとして、強奪魔法で適性を奪われると私は火魔法を使うことができず、バンデッドドールが火魔法を使えるようになります」


「それって取り戻すことはできるんですか?」


「奪われてから1時間以上たつと元に戻るそうです」


「そうですか」


「まあ先に出発した彼らなら撃退してくれるはずですよ」




 その話を聞くと何かひと騒動ありそうだなと思うのだった。











錬成魔法 決められた素材にかけた後、決められた手順を行うと別の物質に変化させる魔法。


爆発草の場合


茎と葉を切り分けた後、葉はすりつぶし茎はみじん切りにする。この時爆発のトリガーとなる箇所は別にしておく。そうしてすりつぶした葉とみじん切りにしたを一緒に鍋に入れ軽く混ぜた後分けておいた部分を入れ爆発させると疲労回復用の薬に変化する。

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