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第11話 元勇者 考える

 第6の試練 ソラス印の中級迷宮を5日ほどかけて攻略した僕は蓮たちに連絡を取り、改めて残りの試練に意識を集中するのだった。


「あとの試練は4つ。気力体力十分ですか?」


「大丈夫だと見栄を張っておくよ。さすがにあの迷宮は厳しかったからね」


 第6の試練の迷宮ではいきなり自分にかかる重力が変化したり、右手側にはなった魔法がなぜか左手側に飛んでいったり、さらには見える景色が上下左右反転したりと難易度の高い迷宮だったと言える。

 アレを5日で攻略できたのは僕の実力が高いこともいくらかは関わっているが1番の理由はやはり運が良かったからだろう。


「では7つ目の試練 脱出ゲームを始めます」


「さあ来い!」




「うん?」


 僕はなぜか学校の制服を着て見慣れた教室の真ん中の列の一番後ろの席に座っていた。先ほどまで僕は間違いなく隠れ家にいた。クラウの言った脱出ゲームという試練名とこの状況からどうにかして元の隠れ家に帰ることができれば攻略完了ということなのだろう。

 では次に考えるのはこの状況が丸ごと現実で転移魔法でこの教室に連れてこられたのか、それとも幻覚を見せられているだけで実際のところはあの隠れ家から移動していないのか。場所だけではなく服まで変わっていることから幻覚のたぐいだと思うのだけれどそう思わせるために服も着替えさせたのかもしれない。


 大抵の幻覚は自分に衝撃を与えるか、衝撃を与えられないことで厳格だと悟り眼を覚ますので風魔法を使い自分を吹き飛ばす。


「………痛いな」


 普通に痛かった。ならば次はと教室の壁に向かって崩壊魔法を撃ち込み壁を崩そうとする。すると狙い通り壁は壊れるのだがすぐに元通りに戻ってしまう。


「壊すことはできてもそこから出ることはできないか。転移魔法は使えないようだし、おそらくは正しい脱出ルート以外は全て邪魔されるのだろう。だけど正しいルートはどうやってわかる?この教室に何か手がかりがあるのか?」


 いちおう教室内をくまなく調べるが不審なものや落書きはなかった。窓もドアも開かず壁や机は壊してもすぐに直る。窓の外に見える景色も特におかしなものはなかった。

 こういう謎解きゲームみたいなのはどうにも苦手で困る。と思いながら試しに壁を風魔法で吹き飛ばし続ければ出られるのではないかと思ったのだが僕の体が外に出るかどうかというところでいきなり教室の中へと吹き飛ばされ壁もいつの間にか直っていた。


「イライラするな。とりあえず力技ではどうしようもないってことか。目に見える形でのヒントはなかったし、目に映らないところにヒントがあるのかな?」


 解析魔法、解読魔法、読取魔法などの分析系魔法を使えるだけ使ってみると読取魔法に反応があった。

 この教室には僕が来る前に誰かがやってきて黒板にチョークで文字を書いていたことが分かった。そこには『東西南北火水風土』とかかれており、その通り方位に合わせて属性の違う魔法を使えばいいのかと考えたところでそもそもの方位が分からないことに気付いた。

 方位を知る魔法も存在してはいるのだが僕は適性がないため使えない。ならば別の方法で方位を探そうと考えたのだがなかなかうまい方法が浮かばない。




 そうして僕はかなりの時間を方位を調べるために使うのだった。











Side 黒羽蓮




 冒険者になって稼ぎ始めて3日。最下級のランクである10級から7級にまでランクを上げることができた………のだが。


「そういうわけでこの僕が勇者なんじゃないかってみんな噂しているんだよ」


「「「………」」」


 今現在、私たち3人はシリアの街の冒険者組の若手でエースと呼ばれる男に絡まれていた。


(ちょっと修一。ここはあなたがどうにかして)


(いやいやいや、こんな時こそ霞の包容力で)


(いくら私でも無理だよこんなナルシスト。ここはやっぱり蓮ちゃんがきっぱりと)


「そういうわけで僕に目をかけられるというのはとても光栄なことなんだよ。分かったかい?」


「「「無視しよう」」」


 満場一致で無視することにしたので早足で依頼の張ってある掲示板へと近づく。目の前にいた私たちがいなくなっても気づかないとはいったいどれだけ自分の世界に入り込んでいるのか恐ろしいものがある。


「この爆発草の採取はどうだ?」


「1本ごとに爆発するスイッチとなる箇所の違う草ね。私の『直観』を使えばその場所は分かると思うし、万が一、爆発したとしても霞の『回復』があれば大丈夫だと思うわ。いいんじゃないかしら」


「じゃあこの依頼受けてくるね」


「よろしく」


 霞に依頼書を渡し、受付に行ってもらう間に私と修一は組合にある図鑑で爆発草の生息地域とそこに何がいるかを調べる。あらかた調べ終わったところでタイミングよく霞が帰ってきた。


「無事に受け付けてもらえたよ」


「それじゃあ行きましょうか」


「ああ」




 これが私たちの最近の日常である。






「この前なんて隣の国で伝説級の魔獣、黒狼が討伐されたのだけどそれも僕が倒したんだよ。そんな僕の次の目標は聖国に封印されている魔王を完全に倒すことなんだよ」

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