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赤銃時弾  作者: 夢魔
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始まり

ビーッビーッビーッビーッ!!


ーーーカチッ


うるさい目覚まし時計を切って体を起こすとカーテンの隙間から朝日が流れ込んでまだ眠いと訴える体を無理矢理響く。

相楽(さがら) 京介(きょうすけ)は、枕元に置いてあった充電が出来てるであろう携帯を開いてメールの確認をする。

そこには新着通知が2件入っていた。

すかさず開いて見ると一件はただのメルマガだったが、もう一件は幼馴染の武藤(むとう) (ゆい)からだった。


『おっはー(^o^)/

今日から新学期だから早々に遅刻すんなよ?(笑)(笑)

そうそう、ダチが前にお前に頼まれてた銃。今日の昼くらいに届くらしいから、放課後兵站科に寄ってけよ!

んじゃなぁ〜^_−☆』


何とも軽いノリのメールだったが、唯のメールはいつもこんな感じだったのでもう慣れっこだった。

女子とは思えないくらいに大雑把な性格をしていてその上、大胆な行動が大好きと来ている。

だから自然と男子からの人気よりも女子からの人気が圧倒的に高い奴なのだ。


とりあえず、着替えを手短に済ませて昨日の夜に作り置きしていた朝食を食べていく。


俺が通っている学校は一般高校とは違い、完全な軍事目的によって設立された高校だった。

設立理由としては近年国内外での犯罪率が上昇し続け、右肩上がりの一途を辿っているにも関わらず、警官や自衛隊・軍隊等の人数は年々減少の一途を辿っている。

結果、人員不足のせいで犯罪率は高まる一方となった。

そこで設立されたのが、民間軍事育成機関。

通称:PMB機関と呼ばれ、学校として世界各国に認定された施設だった。

ここでは幼い頃から戦闘訓練を積み重ねる事によって実践での生存率を高め尚、犯罪検挙率の向上を目的にされた場所だった。

それによって、設立されてから最初の卒業生が現場に出てから年々犯罪の減少傾向が見られるようになった。

けれど、警察や軍隊と明らかに違う点が一つだけ存在した。それはお金を貰って仕事をするという事だった。

一般企業とかでいう給料とは別にその仕事内容によって報酬が出されるという事だった。

報酬は仕事のランクによって大まかな金額が決まっているが、困難な任務な程報酬はデカい。

一番上のSランク任務は国家レベルの問題として実践と戦績が十分に保証された卒業生・またはそれに見合った実力者でなければ受ける事が出来ない。

報酬は最低でも1000万〜。

逆に一番下のEランク任務では誰でも出来そうな任務ばかりで主に一般学校からの編入生達が受けている。

報酬は最高で1万とされている。


朝食を食べ終えるとワイシャツの下に拳銃のホルスターをしてテーブルに置かれていたMK.23を入れて防弾制服を羽織る。

最後にもう一つテーブルに置かれていた(ヒルト)の高いフルタングのナイフを腰のホルスターに閉まって準備が完了した。


PMBでは在学生である生徒は武器の携帯と防弾使用の服装を義務付けられている。

もし、これを破った場合は即反省対象とされて反省文を何枚も書かなければならないし、場合によっては罰金ということもありうるのだ。


時計に目をやると時刻は7:45分だった。

向かいのバス停に今から行けばちょうど良い感じに55分のバスに乗れる時間だ。

必要な物だけ持って外へ出て行くとバス停にはいつも通り何人かがバスを待っていたのだが、「あれ?何かいつもより多いな。」と普段見る光景と違うことに気づいた。

不思議に思いながらも最後尾に着くと悪友の朴月(ほおづき) (かなめ)が立っていた。

短い黒髪をオールバックにして髪がツンツンに尖っているのが特徴なのですぐに分かった。

「よぉ、要。」

「ん?あぁ、おはようさん。」

声をかけるとあくびしてる途中だったのか大口を開けて眠そうな顔をしていた。

「今日なんか、人多くないか?」

「そりゃそうだろ?今日から新しい一年坊主共が入ってくるんだからよ。」

「あっ、そういやそうだったな。忘れてた。」

そうだった。唯からのメールにも今日から新学期だってあったしな。

「この様子じゃバスに乗れるか不安だな。」

「じゃあどうする?歩いて行くか?」

「バーカ。今から歩いてっても絶対遅刻じゃねぇか。」

ごもっとも。

でも、これに乗れないとなるとまた担任(ゴリラ)にどやされるしなぁ。


ちなみにここは日本の領海内にある離れ小島で南北5km東西2kmと長方形の形をした半分人工的に作られた島で残りの半分は元々自然に出来た島に手を加えて作られた島だった。

通称:浮島と呼ばれている。

ここには生徒の為に一般企業がいくつも入って生活している。当然PMB生徒は全寮制で4つの寮に別れている。

1つは男子寮。2つ目は女子寮。3つ目は男女混合の寮。そして4つ目がSランク生徒の専用寮となっている。


そうこうしているウチにバスがやって来たが、微かに見える車内の様子を見て朝から愕然とした。

バスの中は既にこれ以上入らないと言わんばかりにぎゅうぎゅうに押し込められていてとてもじゃないが、自分達が入れるとは思えなかった。

「・・・どうするよ、要さん?」

バスの光景を見てボリボリと頭をかきながら何か諦めたように要はため息をついた。

「はぁ〜・・・しっかたねぇ。着いて来いよ。」

そう言って要は人差し指をくいくいっとしながら寮の中へ戻って行った。

「?」

俺は首を傾けながらもついて行くと、着いた場所はガレージだった。

要はポケットから操作キーを出してシャッターを上げると、そこには黒のペイントがベースに赤のラインが入ったバイクと碧のペイントがされたバイクが2台置かれていた。

黒赤がネイキッドタイプで碧色がSS(スーパースポーツ)タイプだった。

「おぉ!どうしたんだコレ?!」

「この間、同じ車輌科の奴とレースして勝った戦利品だ♪」

要は自慢げに胸を張って鼻高々となっている。

「お前、バイクの運転とか出来るよな??」

心配そうに聞いて来る要に「一応限定解除だよ。」と言ってやった。

「んじゃそっちの赤黒使えよ。俺は碧使うからさ。」

「ニケツしてけば良いじゃねぇか?」

「俺は女以外乗せない主義なんだよ。」

「あっそう。んじゃ遠慮なく使うかな。」

ガレージからバイクを押し出して渡されたフルフェイスのメットを被りながらエンジンをつける。

「んじゃ、先に行ってるぞ。トーちゃん(クラスの担任のアダ名)に怒られたくねぇしな。」

それだけ言い残して要はいつの間にかメットも付けてエンジンを吹かして先に行った。

相変わらずせっかちな奴だな。

そんな事を思いながら自分もすぐに出て行った。


久しぶりに乗ったバイクは風が心地良くて思わずしばらく走っていたくなった。

(やっぱバイク良いよなぁ。兵站科の奴に依頼しようかな?)


走り始めて数分後、誰もいるはずのない道路の脇にバス停で1人オロオロしながら立っている女の子が見えた。

赤茶色をした少し長めの髪と灰色の瞳をした少女だった。

(新入生か?バスに乗り損ねたんだな。仕方ない・・・)

バイクを少女の前あたりに停めると女の子は「ひゃぁ」と、びっくりした様子でいた。

風除けようのバイザーを上にやってその少女に話しかける。

「バスに乗り損ねたのか?」

「え?あっはい!」

戸惑いながらも声はしっかりしていた。

「元気が良いな。一年生か?」と話しながら被っていたメットを外してそれを彼女に渡す。

「そうですけど・・・初日から遅刻しちゃって、えへへ。」

「遅刻?あと10分もあるじゃねぇか。乗りなよ。はい、コレ。」

愛想笑を浮かべる彼女に外したメットを渡して後ろに乗るよう促す。

「えっ、でも・・・」

「俺のは気にすんなって。ほら、早く乗りな!時間なくなるぞ!」

「は、はい!」

おぼつかない手付きでメットを被ると上手く乗れそうになかったのでひょいっと持ち上げて後ろに乗せる。

「しっかり掴まれよ?ちょーっと時間押してるから飛ばすかんな。」

ブロンッブロロロォッ!!

アクセル全開にしてすぐにクラッチでギアチェンジして行く。

流石SS。

加速が速い速い♪

後ろの方では余りのスピードでびっくりしたらしいが、必死に腰に手をやってしがみついている。

ーー5分後。

何とか学校に着いて後ろを見ると彼女は若干目を回してしまっていた。

あ、しまった。やり過ぎたか?

「しっかりしろー。学校着いたぞー。」

ポンポンと肩を叩くと彼女はハッとした様子でお礼を言ってメットを外そうとするが、どうにも指がかじかんで金具が外れないらしい。

「ハハッこっちおいで。バイクに乗ったのは初めてなのか?」

「す、すみません。初めてです。」

バイザーの隙間からでも分かるほど、彼女の顔は赤くなっていた。

金具を外してメットを取ると彼女は真っ赤な顔のままうつむいている。

ーーそんなに風冷たかったのか?

「ほら、取れたよ。もうすぐチャイムが鳴るから急いだ方が良い。それじゃあな。」

ポンポンと最後に頭を撫でてやってバイクを駐輪場へと運んで行った。


バックミラーで後ろを見ると彼女はまだ、ぼーっと立っていた。

大丈夫かな?ってかスピード早過ぎてやっぱ怖かったとかかな。


念の為バイクを職員には分かりずらい場所に移動させるとそこには案の定要が乗って来たバイクが止まっていた。

左手首に付けた腕時計を見るとあと3分でHRが始まってしまうというほど時間が迫っていた。

慌ててバイクから降りて教室へと全力疾走して行く。


廊下を走って行くとゴリラが教室に入る直前でほぼ同時に教室へ入る事が出来た。

「相楽ぁ、間に合うのは良いが廊下走るのはやめろよ?」

と、着いて早々にゴリラ(担任)からお言葉を頂いて教室の皆が笑い出した。

渋々席へ着くと隣の席に鎮座していた金髪ポニーテールの唯がニタァ〜っと嫌な笑みを見せて来た。

「・・・何だよ?」

「別に〜?ただ一緒に来ていた可愛い女の子は誰かなぁ〜って思って♪」

「・・・何で知ってんだ?」

「視力左右ともに7.0の天才スナイパー様だから何でもお見通しなんだよ〜っと♪」

てへっと舌先を出してウィンクしてくるコイツは本当に悪魔のように目が良い。

だからこの教室からでもほんの一瞬通っただけでも見渡せるのだろう。

それに唯は強襲学部の狙撃科へ属している為どんなに離れた場所でも隠れていても見つけ出すことなど朝飯前だろう。

「別に、来る途中でバスに乗り損ねた一年生を親切に送り届けただけだよ。」

「ふ〜ん?じゃあとりあえずそーゆーことにしといたげるよ。」.

と、簡単に説明しただけでアッサリ引き下がってくれた。

たまには良いとこある・・・ん?

「ねぇねぇ、ミナちん!すっごいよ!京介の奴もう一年生に手ェ出したんだって!」

唯はすぐ後ろの席の子にそれを告げ口しだした。

前言撤回。

やっぱりこいつはアホでバカでな悪女だ!!

そして後ろの子もケダモノを見るような目で見て来る。

あぁ、俺の新学期が・・・まぁ特に思い残す事なんてないんだかな。


HRが終わってすぐ、体育館で全校集会が開かれると言うので今は体育館に来ている。

校長の延々と長い話がようやく終わると一年の学年主任から学部・学科説明が始まった。

「・・・ここには大きく別けて5つの学部が存在します。強襲学部・衛生学部・通信・情報学部・兵站学部・諜報学部。この5つの学部内にはそれぞれ違った学科があり自分の意思でその学部のその学科へ行くことが出来ます。ただし、途中で学科変更等は出来ますがその時の単位についてはまた0からスタートとなります。だから決して他人に左右されずに選択するようにしましょう。」

そこで学年主任の話は一旦終わって次に元から降ろされていたスクリーンに映像が映し出されて画像がスライドされた。



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