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第四話

夢を見た。レオがレオを見ている夢だった。

レオが家の中で歩いている。ずっとノロノロ、ベッドと椅子の間を行ったり来たり。目にはまったく生気が無い。誰かに操られているような……そんな感じだった。


人の気配を感じた瞬間、バンッと激しくドアが開いた。急に入り口から誰かが入ってきたのだ。謎の人物はギロリと部屋の中を見渡す。レオは彼を無視するように歩き続けた。謎の人物もレオの事を気にしていないようだ。

ふと、気がつくとレオは一人になっていた。

自らノロノロと歩いている。時々躓きながらも床の上を歩く。疲れているのに、足が止まらないのだ。腰に剣をさした謎の人物はしばらく自由にレオの家を歩きまわっていたが、ふとレオの方を見た。なにかに追われているような顔で、睨み付けてくる。レオは何か言いたかったが、声は出ずただ口が動くだけだった。

動きやすそうなズボンとΤシャツ、頭には帽子。彼は大きな黒い瞳をギョロつかせながら、レオの前に立った。

何か、ビリッとしたものが体中を駆け巡り、気が付いたら口から声が放たれていた。

「勇者のほこらで謎を解くための歌があります。

一つ手に取れ、右に左に回してごらん。先代様も見てらっしゃる。上上下下上下上。これが解ければ誰だって知識と勇気と強さの象徴、聖剣が授けられるでしょう」

天井に四角く黒い物体が表れた。昼間、あの村人に話しかけた時と同じ。レオの言った言葉が白い字で書かれていく。

きっと彼は聖剣が欲しいのだろう。よく見ると、体中に擦り傷がある。

彼はもう一度レオの目を見た。

再び背中に痛みが走る。さっきよりも強めな痛みだった。

「勇者のほこらで謎を解くための歌があります。

一つ手に取れ、右に左に回してごらん。先代様も見てらっしゃる。上上下下上下上。これが解ければ誰だって知識と勇気と強さの象徴、聖剣が授けられるでしょう」




そのまま時間がたくさん過ぎた。台詞を言う前に走るあの痛みが強くなる。レオは汗をかきはじめていた。しかし、彼は止めない。しつこく何回も彼はレオの目を睨んでは、レオが言う台詞を聞き取った。


早く出ていって欲しいと、少し思う。ビリッ


何が知りたいのだろう?ビリッ


足が震える。ビリッ


……もう止めてくれ……

と思った瞬間!




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