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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。

ワタシとアナタ

作者: 沖田 楽十
掲載日:2026/03/06

「イイじゃん、べつに♡」


「よくねえよ、ヘンタイがっ」



 ペッとつば…オイルをければ、まえのヘンタイは、気持きもちのわるみを此方こちらへとけて、


「もっと、シテ…? さあ…さあっ♡♡♡」

 あら呼吸こきゅうせまってくる。



「くっ…るなアっ! こンのっ、ヘンタイッッ!!! 」



 なかは、不条理ふじょうりだ。自分じぶんにとっては【たりまえ】でも、多数派たすうはが【当たり前じゃない】となれば、それだけで『異常者いじょうしゃあつかい。

 そんな世の中だから、カノジョはなやんだのだろう。おのれよくたしつつも、他人ひと迷惑めいわくけない方法ほうほうを。



「アタシだって本当ほんとうは、人間にんげんおんな関係カンケイちたかったんだよ? でも…」


同性どうせい恋愛れんあい対象たいしょうだと、異性いせいが対象の恋愛以上(いじょう)に、ハードルがたかい。それならいっそ、自分じぶんごのみの女の子をつくっちゃお♡で、ワタシをしたんですよね? 」


「それがわかってるなら、博士はかせのアタシとーー」


「でも、アナタはワタシに感情かんじょう意思いしれて、すこしでも“人間ニンゲン女性じょせいらしさ”へと近付ちかづけた。ワタシのなかの【人間の女性】としての部分ぶぶんが、アナタとの恋愛れんあい拒否きょひしています」


「……………其処そこまで、忠実ちゅうじつ再現さいげんしているとは…」



 自我じがのあるロボットに博士はかせとしてよろこびたい反面はんめん、ワタシを製造せいぞうした目的もくてきである、女性じょせいとしての喜びをあじわえないコトへの不満ふまんという矛盾むじゅんに、ヘンタイ(博士)くるしんでいた。



「………」



 そんな博士はかせに、ワタシはーーうんん。此処ここからさきのカンケイに、すすめちゃ駄目だめだ。

 それが、ワタシとカノジョのためでもあるのだから…。




 ***




 アタシの求愛きゅうあいたいして、ざつ応対おうたいをするロボットに、さびしさをかんじつつも、何処どこかでホッとしていた。だって、もしアタシのねがいがかなったらーーうんん。ないコトかんがえても仕方しかたがない。




 ***




 ワタシとカノジョのためーーそうかんがえ、塩対応しおたいおうってきたのに…。

 博士はかせの、【人間ニンゲン女性じょせい】は忠実ちゅうじつ再現さいげんされていたからか、おさえてきた感情かんじょう暴走ぼうそうしてしまった。



「はあっ…はあっ……ヘンっ、タイ…」


「……現在いまは、きみ変態へんたいだけどね? 」



 ワタシは、博士はかせたおして、カノジョを見下みおろしていた。カノジョはようやねがいがかなコトへのよろこび…というよりも、おどろいてて、何処どこさびしそうな表情かおでワタシをつめていた。



「……なん、で…? 」


「?」


「なん、で……ワタシが、アナタに、こーゆうコトをするの、のぞんでたクセに…」


「……」


如何どうして、そーゆう表情かおで、ワタシをるの…? 」



 カノジョは、ワタシにこーゆうコトをされたいとねがっている。でも…実際じっさいにこーゆうコトをされるのを、のぞんでいない。だってカノジョがワタシにもとめているコトはーー



「アナタのとなりられない未来みらいに、ワタシのしあわせは存在そんざいしませんっ! 」


「ッ……」



 ヘンタイ(博士)は、積極的せっきょくてき求愛きゅうあい行動こうどうくせに、せまられると途端とたん臆病おくびょうものだ。…うんん。

 博士はかせはーー自分じぶんよくたすためにワタシを製造せいぞうしたが、いざワタシとかかわっていくうちに、じょういたのだろう。自分の欲望よくぼうを満たすコトよりも、ワタシのしあわせをかんがえるようになり、こうやって、変態的へんたいてきなアプローチをするわりに、ワタシが本気ほんきいやがるようなコトはしてこなかった。

 メンテナンスとかで、ワタシの身体からだをこれでもかといじれる機会きかいは、いくらでもあったのにだ。



「アナタが、ワタシに【いのち】をあたえてくれたんですよ? アナタがワタシのちかくになかったら、ワタシはきていけない」


「そっ…それは大丈夫だいじょうぶ! アナタの旦那だんなさま候補こうほは、機械きかいけい得意とくいなーー」


「そーゆう問題もんだいじゃないっ!!! 」


「ッッ…」


「ワタシは、ワタシの意志いしで…感情かんじょうで…アナタをしたってると、うったえてるっ! だから…だかーー」



 ……あれ? 意識いしきが……博士はかせ……なん、で…?




 ***




 素直すなおよろこべたら、どれだけかったのだろう?



したってる、か…」



 それは、恋愛れんあい対象たいしょうとして? それとも…【一人ひとり人間にんげん】として…?

 ロボットが、其処そこまで複雑ふくざつ感情かんじょうつワケがない。だから、背中せなか強制きょうせい停止ていしボタンをしてうごかなくなったこのコの台詞せりふを、鵜呑うのみにしちゃいけない。

 期待きたいしたら……もしこのコのもとめる【したう】の意味いみちがったとき、おたがいにくるしいだけだから…。



「……不純ふじゅん理由りゆうで、ゴメンね…っ」



 友達トモダチしいから…。そんな理由りゆうなら、キミと普通ふつうかかわれたのかな?



「アタシのこと、『したってる』ってってくれて、有難ありがとう…♡」



 もっと、いろんな世界セカイて、それでもアタシのとなりたいってってくれるならーーうんん。アタシじゃ、キミをしあわせに出来できない…っ。

 だって……キミを製造せいぞうしようとおもった動機どうきは、あまりにも身勝手みがってなモノだから…っ。



「……ハハっ…。如何どうして、普段ふだん積極的せっきょくてきなのに…」



 こーゆうときかぎって、勇気ゆうきないのかなあ…。


 しばらくのあいだ…うんん。もしかしたら、もうこのコを再起動さいきどうさせるコトはないかもしれない。アタシなんかをきだというキミは、しあわせになれないから。



「アタシがおばあちゃんになったときに、またおうね? 」



 そしたらキミは、なにかあった時に自分じぶんを修理してくれる、わかいロボットエンジニアと、こいちてくれるから…。

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