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1話 それは理不尽だなぁ…。

説明

マナとは魔力を細分化し細かい粒子にしたもの。

マナ系攻撃魔法と魔力系攻撃魔法とでは威力が段違い。

魔力系攻撃魔法は最強格の魔法に多く使用されており、マナ系攻撃魔法の大体は初級魔法に使用されている。稀に両方の性質を持った魔法も存在する。

ここでいう最強格は魔王と渡り合える程度、中程度は魔王の配下と渡り合える程度、初級度はフィールドモンスターと渡り合える程度である。

ハカタカタニアについて

ハカタカタニア(初級マナ系攻撃魔法)

特徴: オーロラのような小さな光のリボンを召喚。チャル・マハルズへと繋がる系譜。

チャル・マハルズ(最強格マナ系攻撃魔法)

特徴: 優雅に舞う光のリボンですべてを切り落とす。残酷なまでの美学が宿る魔法。

私の名前は魔女エナガ。

十年前から師匠と修行を積んでいる。

全ては最強になるために。

今まであった修行をちょっと見せてあげよう。

ある日、私たちは空の境界すら超えた場所にいた。足元には星の海が広がり、巨大なマナの渦が銀河のように回っている。

「いいかエナガ、あの銀河の回転に合わせて、自分の中のマナを逆回転させるんだ。中心を太い光線で貫きつつ、周囲の粒子は星屑のように踊らせる。ほら、やってみろ」

「……場所考えてくださいよ! なんで宇宙にいるんですか!? 逆回転とか言われても、私、今、息するだけで精一杯なんですけど! っていうか、この銀河の渦、私を飲み込もうとしてない!?」

「うへへ、平気だ。ちょっと魔力で押さえてるから。さあ、やってみろ!」

そして私は果てしなく広がる銀河に飲み込まれた…。

水晶の森、降り注ぐ光の雨

次に連れてこられたのは、木々がすべて透明な水晶でできた静かな森。空からは、マナの粒子が美しい雨となって降り注いでいた。

「見ろ、エナガ。この雨粒一つ一つに自分の顔を映し出し、それを鏡のように反射させて世界を塗り替えるんだ。美しいだろう?」

「……確かに綺麗ですけど…。ちょっと待って、この『雨』、一粒一粒が花崗岩を貫くくらいの威力あるじゃん! 避けるだけで必死なんだから、顔を映す余裕なんてあるわけないでしょーが!」

「へへ、反射神経が鈍いな。もっと優雅に、雨とダンスするイメージだ。ほら、左からも来てるぞ?ww」

「煽るな魔法変態!! ダンスじゃなくてこれ死の舞踏だよ!!あっ、タメ口ごめんなさい…。」

そして私は優雅な武闘会をした。

夕暮れの断崖

「よし、今日はここだ。エナガ、あの対岸の崖を『なかったこと』にしてみろ。空間ごとザックリ切り離すイメージだ」

「……ねえ、師匠。あの崖、私の村から見える大事な目印であり道しるべなんですけど…」

「気にするな、後で私が木工用ボンドでくっつけておいてやる。うへへ」

「ボンドで直るかそんなもん!! なかったことにしちゃダメなものまで消そうとしないでよ! 帰る! 修行おわり!!」

私は貫かれた。

「ちょっと師匠、痛い! 引っ張らないでよ!」

「バカ者。お前のこのアホ毛はもはや体の一部だ。これがしっかり立っていないと、そのデカい魔女帽子が安定せんのだぞ」

師匠はうざいほど真剣な顔で、エナガの頭のてっぺんにある太いアホ毛をキュッキュと結い上げている。

「っていうか、リボンきつすぎ! 頭皮締まってるって言ってるでしょ! アホ毛で帽子を支えるとか、そんな物理法則、魔法変態のあんただけだよ!」

「うへへ、これでよし。完璧なバランスだ。私の《ハカタカタニア》で結んだこのリボンは、私が解くまで一生解けま……」

「一生とか重いから! 早く朝ごはんのトースト焼いて!」

「……ふぅ。今日も私の溢れんばかりの才能を、師匠が引き出しきれなかったわね」

トーストを口に詰め込みながら、私は勝ち誇ったように言った。

「ほう。山一つ消せなかったのにか? うへへ」

「あんなの、本気出せば余裕だし! 今日はたまたま、あの山の形が気に入ってたから残してあげただけ。私はいつか、師匠を超える最強の魔女になるんだから!」

「……そうか。なら、いつその時が来てもいいように、しっかり食べておけよ」

師匠のその言葉の重さを、私は「やっぱり私の才能を認めてるんだな」くらいにしか思っていなかった。

師匠との修行は毎回きつくて、つらくて、でもそれでも私は毎日めげずに修行をした。

最強になるために…、幼稚な師匠とともに…。

私はこんな修行がこれからもずっと、ずっと続くと思っていた。

あの日、空が赤く染まるまでは。


挿絵(By みてみん)


師匠は何者なん。

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― 新着の感想 ―
スケールがでかくていいですね。つづきが楽しみです。
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