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刃の彼方
現地の情勢は一層悪化し、武装勢力との衝突が激しさを増していた。
医療チームは前線での活動を強いられ、精神的にも肉体的にも限界に近づいていた。
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そんな中、神崎とレイラは、武装勢力のリーダーとの交渉を試みる。
彼らの要求は厳しく、医療活動の自由は制限される。
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交渉の最中、現場で銃撃が起こり、神崎たちは即座に避難行動に移る。
その混乱の中、神崎は負傷した敵兵の治療を決断する。
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仲間からは反発の声もあがるが、神崎は言う。
「医者に敵も味方もない。命を救うのが医者の役目だ」
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この決断が、後に武装勢力との間に微かな信頼の糸を紡ぐこととなる。
信念の刃は、時に自分たちを傷つけながらも、未来への道を切り拓く。