表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
タネナシとキュウコン  take2  作者: 愛加 あかり
50/50

早苗と公康

公康リターン。今度は親子で。

ターゲットにされたのは、真琴の友達の早苗だった。




 俺は、真琴の通う海雲高校の前にあるコンビニに、コスモで向かった。

 皆、学年も変わり、春を迎えていたが。忘れ物を届けに、海雲高校の正門へと向かおうとして。


 コンビニの駐車場に、コスモを止めると、見慣れたヤツ等がいる

 一人は、真琴の同級生で、ヤンキーレディースのメンバーだった、早苗だ。


 対話している2人は、瑞慶覧親子だ。


「東江さん、お疲れ様です」


 俺のコスモに気付き、早苗は運転席に近付いてきた。


「久し振りだな、早苗。瑞慶覧親子とトラブルなら話に乗るぞ」


「マジッスか。実際トラブってるんすよ。お願いできますか」


 早苗は、制服が汚れていて、擦り傷を負っている。

 対して、公康も手の平を見せている。


「接近禁止だろ。近寄ってくんなよ」


 瑞慶覧の父親も関わってきた。


「東江、お前は関係ないだろ。とっとと、失せろ」


 胡散臭いし。普通なら、関わりたくないのだが。真琴の友達でもある、早苗の頼みも、聞かないとならないから。話を、聞く事にした。


「早苗、トラブルの原因を教えろ」


 早苗は、制服のスカートを捲り、擦り傷を確認していたが。

 俺に、事故の報告をした。


 公康は、捲ったスカートに目が釘付けだった。


「あざ~す。私は、学校から出て来て、コンビニに向かおうと、信号を渡っていたんですよ」


 早苗は、学校とコンビニの間にかかる、横断歩道を指した。


「信号は、確実に青だったんッスよ」


「嘘を付くな。俺の方が、青だったんだよ。見ろ、俺の手の平と原付が、傷だらけじゃないか。弁償しろ」


「俺も見ていたぞ。公康の信号が青だった。間違いない」


 瑞慶覧親子が、図に乗っている。


「信じて下さい。横断歩道が、青だったッス」


 俺は、頭を掻きながら。


「事故は、現場検証が必要だからな。何で、警察を呼ばなかった」


 早苗は、申し訳なさそうに。


「授業中抜けて来たから、騒ぎを大きくしたくなくて。それに、最初は、このスケベ『大丈夫、大丈夫だから、気にしないでって』言ってて」


 早苗が、切実に訴えてきて。


「厳しいな。取り敢えず聞いてみるか」


 俺は、瑞慶覧親子に、聞こえるよに話して。


「なぁ、大丈夫って、言ったのか。そうなると、お前らが悪るくないか」


「そんな事は言ってない。その女の聞き違いじゃないのか」


 公康は、目を合わそうとしなかった。


「チョット、待ってて。着信が入った」


 三人を無視して、スマホを取り出した。


「あぁ、俺だ。分かったよ。連絡入れとく」


 スマホをいじり。通話ボタンを押した。


「もうチョット、待っててな」


 若い方の男に繋がった。


「今、チョット、厄介事に捕まってて。身動きが取れないんだよ。海雲高校前にある、コンビニまで出張を、お願いできないかな。大至急で、お願いね」


 通話を終えて。早苗と向き合った。


「スマン、スマン。っで、何だっけ」


 早苗が、呆れ顔で。


「真面目にして下さい。さもないと、こいつ等の玩具にされちゃうんです」


 何だそれは、公康ばかりではなく。父親の方も、バカ面をしている。


「どういう事だ。説明しろ」


「どうも、こうも無い。我々は、バイトをしろと、言っているだけだ」


「パパの言う通りだ。肉体労働だ。働いて返せ。若い女の子を募集しているのに。全然、集まらないんだよ。やましい気持ちはない」


「どの口が言っている。覗きの変態」


「何の事だ。知らないぞ、そんな事は」


「問題無い、アパートの契約の時に、誓約書に書いてあった筈だ。守秘義務で守られている。公康が捕まることはない」


「えっ、覗きの変態って、引っ越しした、比嘉さんアパートの」


「察しろ。守秘義務で守られている」


『ウーウーウー』


「おせーぞ。また公康が、女子高生を流しているぞ」


 俺が、召喚したのは。以前、家ノ前で公康と揉めた時に、お世話になった制服の警察官だ。

 少し離れているが、市町村は跨いでないので、ギリギリセーフだろう。


「マジで、勘弁してください。警察官を何だと思っているんですか」


「交番の暇人だろ。世間一般は、そう思っているぞ」


「失敬な。平和を守る為に、日夜苦労をしています。撤回して下さい」


 公康と父親が、不安な顔をしている。


「それよりも立ち、事件を解決しろ。一般の女子高生が、公康親子の毒牙に掛かろうとしている」


「人聞きの悪い。あの事故は、赤信号を渡った、そちらのお嬢さんが悪い。バイクの弁償と、ケガした公康の介護をして貰うんだ。分かったか」


「それも、献身的な介護だ。反抗したら、こうだ」


 公康は、何度も、アスファルトの駐車場を踏んづけた。


「相手は、まだ未成年ですよ。それに、コレは、違法です。暴力も行けません。未成年の女性に、献身的な介護なんて。言語道断です」


「お嬢さん、何があったのですか」


 警察官が、やる気になった。


「私が、そこの横断歩道を渡っている時に、横から原付バイクが突進してきて。体は、避けたんですけど。カバンが、バイクに引っかかって。引っ張られるように倒れて、ケガしたんですよ」


 早苗は、腕の擦り傷と、スカートを捲って、太ももの擦り傷を、警察官に見せた。


 公康親子は、早苗の太ももをしゃがんで眺めた。


「この嘘つきビッチ。俺の方が、青信号だったんだ」


「そうだ。この人、スマホを見てました。片手運転です」


「本当ですか。瑞慶覧さん」


「さっきから、何度も言っているだろ。俺の方が青だったって。皆して、嘘つきビッチを、信じるんだから。証拠ないだろ。コッチは、証人がいるんだぞ」


「俺が見ていた。間違いないし、この女は、嘘つきビッチだ」


「おい、もう良いだろ。正直に話せよ嘘ついてましたと。でないと、また拘留されるぞ。いいのか」


 2人は、少し怯んだ。


「あの、防犯カメラの映像を確認しろ。俺たちは、中に入れないし。間違っていたら、俺がバイク代と、慰謝料を払ってやるよ」


 俺は、早苗に賭けた。


「本当だな。慰謝料も払うんだな」


 お花畑の公康は、買ったつもりでいて。

 瑞慶覧親子は、警察官を連れてコンビニのバックヤードへ入った。


「早苗、ちょっと付き合え」


 俺は、早苗を連れて、コンビニの中へ入った。

 向かう先場一つだった。


「東江さん、有りましたよ。この穴ですか」


「コッチにも有った。えげつないな、正面に堂々と有ったよ」


 公康は、懲りて無かったようだ。女子トイレに、2つのカメラ用の穴を発見した。

読んでいただき、有り難うございます。

高評価、星とブックマークを、宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ