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タネナシとキュウコン  take2  作者: 愛加 あかり
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馬鹿女と豚

東江が、諦めかけた頃に、安仁屋部長が出て来て助かった2人。

だが、東江は、怒り心頭だった。




 俺は、マスコミにリークして、もいいとさえ思っている。

 そんな中で、辺土名弁護士が頑張った。

 卑猥な動画だと言い張る砂川に、空手会館の外周を回ってくる西村。


 現在、安仁屋部長が出て来た。


「コチラは、私の依頼者で、この事件の被害者です。アナタが、この動画を見ないと、事件の事をマスコミにリークすると言っています」


 安仁屋は、一度、西村の方を見て、砂川の方を向いた。

 砂川は、首を横に振った。


「砂川くんは、向こうを向いてなさい。万が一の事があるかも知れない」


 俺は、頭にきて、受付のテーブルを蹴った。

 自分の方が痛かった。


「東江さん、落ち着いて下さい」


 辺土名弁護士は、安仁屋部長の方を向き。


「言葉に気をつけて下さい。万が一の事があるのは、貴方の方です。リークをしないで済んでいるのは、東江さんの温情ですよ」


 砂川と西村は、納得してないようだが。

 安仁屋部長は、迷わずに再生ボタンを押した。


 開始、2分は中村も現れず。無駄な時間が流れる。

 礼が終わり、地獄の動画が流れた。


「コレは、何処の道場ですか」


「浦添の照喜名道場です」


「砂川くんも、西村くんも、この動画を見なさい」


「おい。ここで、一番偉い奴は、アンタか」


「いや、大城館長がいますが」


「それなら、二度手間になるだろ。一緒に見ろよ」


「砂川くん、こちらの方と弁護士の先生を、応接間にご案内して。西村くんは、自販機でお茶をお願いします。私は、大城館長と動画を見ながら、確認作業を行います」


「だ、か、ら、俺は、昨日ここへ、アポを取りに来たんだよね〜」


 受付のテーブルを、右手の人差し指で。(コンコン』と、鳴らした。


「そこの、バカ女。お前のせいで、子供たちを助けるのに、一日伸びたぞ。茶番で、汗かいてるデブ。目障りだ豚。キッチリ地獄に落とすからな、首を洗って待ってろ」


 俺が、背を向けて帰ろうとすると。


「お待ち下さい。大城館長の指示をいただかないと、行けませんので。お待ち願えますか」


「分かってないな。当然、大城館長の上も、存在するよな。照喜名道場へも確認もする。俺の予定を、一日遅らせて置いて、後何時間待たすつもりだ」


「どのようにしたら、宜しいでしょうか」


「大城館長よりも上の奴と、専属の弁護士先生と協議したら良いだろ。日にちが決まったら、辺土名弁護士に、連絡入れてくれ」


 俺は、辺土名弁護士方を向き。


「帰るぞ。あー、リゾートホテルの中華を、食べ損ねた」


 帰りに呟いて、辺土名弁護士と玄関を出た。


「おい。お前の事務所で、作戦を練り直すぞ」


「はい。徹底的に、やるんですね」


「馬鹿にし過ぎだろ。あの女とデブは」


「ですね。反省させる必要があります」


「アレは、流石に、おかしいだろ。無理があるだろ。本当に、世も末だぞ」


「僕の弁護士バッヂを、偽物呼ばわりしましたからね」


「いや、そこは、合ってるだろ」


「東江さん、言って良い冗談と、悪い冗談があります」


「無能の弁護士は、お前だよ。昨日は、感情的になったけど。托卵された旦那は、認知して子供が大きくなるまで、面倒をみているのだろう。生まれて直ぐに、DNA鑑定をしなかったんだから。旦那が悪いって方向で、勧めれば良いんじゃないか。人としては、間違っているけど」


「ソレです。ソレしかありません。有り難うございます」


「何か、降りてきたぞ。ソレだよ。人として、間違っていることをすれば良いんだよ」


「チョット、コンビニへは入れ、腹が減った」


「分かりました。人使い荒いですよ」


「今日は、日当いくらのバイトしてるんだよ。無駄になったけど」


「僕のせいじゃ無いですよ。受付の女性が悪いのですから」



 辺土名弁護士事務所で、中村の殺処分の方法を考えて、同時に金を取る方法も考えた。


 夕方に、家へと戻り。晩飯を作る気には慣れず、パントリーにある、御当地の美味しいものに、頼ることにした。


 味の濃ゆい料理が並び、酒が進みそうだ。

 呑気なことを考えていたら、19時前に辺土名弁護士から連絡が入った。


「空手会館の方から、連絡が有りました。明後日の13時に、リゾートホテルの『中華包龍』に決まりましたが、OKしても宜しいですか」


「あぁ、やっとか。それで、頼む。中村のカウントダウンを、始動させよう」


「はい、あまり気乗りしませんが」


「何度も、言っただろう。中村は、人としてのラインを越えんだ。情をかけては、被害者が増えるぞ」


「はい、分かりました」


 辺土名弁護士を、説得させて。書類の作成を頼んだ。


「中村の処分する方法が決まった。明後日の13時に、リゾートホテルの『中華包龍』だで処する」


「ねぇ、そこへ私も行ってもいいかな。東江さんを、疑っている訳じゃないけど。普が、私のせいで、あんな事になってしまって、複雑な気持ちもあるけど。許せないの」


「ナンシーさんのせい、なんかじゃないよ。アイツは、子供たち皆に、八つ当たりをしていたんだよ。普、だけを虐めていた訳じゃない」


「そう言って貰うと、大きな荷が取れたような気がする」


「どうする。ホテルの中華」


「明後日よね。参加する」


「それじゃあ、辺土名弁護士に、一人追加と伝える」


「お願い」


 あまり、人に見せられたモノじゃないけど。中村の最後を、見せる必要があるかも知れない。

 俺は、辺土名弁護士に、もう一度連絡を入れて、『中華包龍』の席を一つ増やすように頼んだ。


 ナンシーは、中村の死刑判決をどう見るのか。軽蔑されるかもしれないが。中村の死は確定している。


 翌日、ナンシーを連れて、ドレスかスーツを買いに出た。


 全てが揃いそうな、アウトレットに出かけて、他にも、デパートをハシゴした。


 ナンシーの服がメインだったが。俺の服ばかりを手にして、「コレなんかどう」と、聞いてくる。


 ここは、触れないように。


「俺は、ここに来た時に着ていた、ダークグリーンのスーツで良いよ。アレが気に入っている」


 ヤクザを辞めて、BOSSのスーツを着るまで。スーツは全て、エトロだった。

 派手で、目立って、オシャレだと思っていた。


 20歳の成人式も、エトロのスーツだった。


 その頃は、どっぷりチンピラしていたから、浮いていても気にして無かった。

 逆に、ソレが良いとさえ、感じていた時期もあった。


 黒歴史だ。夜の世界は、まだ、バブルが弾けてなかった。

読んでいただき、有り難うございます。

高評価、星とブックマークを、宜しくお願いいたします。

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