表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
タネナシとキュウコン  take2  作者: 愛加 あかり
28/50

アルファードとトカレフ

俺は、回復しつつあった。

ギプスが取れれば、全開だった。

そんな時に、忘れていたものが、過去から現れた。



 俺は、10日かけて、三人と関係を持った。

 最後に肉体関係を持ったのは、意外にも朱美だった。

 色々あった日の次の日は、朱美が世話係を立候補していたのだが。生理が来てしまい、2日続けて京子が、世話をした。


 その時に、初めてDay2と言う、下着メーカーを知った。

 面白バックプリントのボクサーパンツで、最初に見せてくれたのは、死体現場のヤツで。

 白線で人形を描き、周りが血の海になったヤツだった。


「パパ、ごめんね。生理が、来ちゃった」


 そう言って、1週間面白パンツを見せてきた。


 ナンシーは、外国製の下着を取り寄せて、俺を、喜ばせてくれた。


 朱美は、白い下着の上下に、ガーターベルト、白いアミアミのタイツは、レースとフリフリが特徴的だった。


 京子は、黒のレースのフルバックで、全体的に透けていた。


 驚いたのは、京子だ。事あるごとに、求めてくる。異常かと思った。



 そして、今日は、買い物に行く約束をした日だった。

 軽自動車を2台出して、大型のショッピングモールへ向かう予定で、夏休み出来なかった買い物をする予定だった。


 俺の体も、本調子に戻りつつある。

 左手でも、ある程度の事は出来るようになり。

 ギプスが取れれば、言う事はないのだが。


 そんな時に、天音ちゃんの誕生日を迎えて。

 魔女っ子の変身衣装を買いに行く事となった。


 そこで、兆志の奴が、張り合い。

「俺も、先月に誕生日だった」と言い。


 それなら、『みんなで買い物へ』と流れになり。

 今日を迎えた。


 兆志は、プレステを欲しがり。如くシリーズを、完結させる事だった。


 真琴も、一悶着あった。


「真琴も、新しいスマホを欲しがっていたでしょ」 


「私は、要らない。東江さんに、お願いするなら、遠慮する」


「何でよ。あんな高価な物、お母さんは、ポンと買えないわよ」


「だったら要らない。諦める」


「別に、大丈夫だよ。欲しくなったら、いつでも言って。お母さんからにするから」


 結局、真琴は、スマホの催促する事となり。俺に、オネダリする形になった。


 普は、普らしく。

「お母さんのマッサージ機が欲しい。肩が、コルみたいだから、楽にしてあげたい」


 京子が、ナンシーのオッパイに目がいった。


 俺も、ナンシーも、車を持っておらず。

 京子と朱美の軽自動車に、乗せて貰う事となった。


 出発をしようとした時に、入り口を塞ぐように、静岡ナンバーの黒塗りアルファードが、駐車場へ入って来た。


 運転席から降りてきたのは、雀のお宿のなっちゃんだ。


「少々、お時間を頂けますか」


 俺は、目を疑った。なっちゃんが、懐かしいモノを担いていたからだ。


 木製のギターケースだ。


 忘れもしない、25歳のカチコミ事件。

 黒井組は、カチコミ騒動がある前に、ガサ入れが入った。


 コレは、他所の組からのタレコミがあり、回避する事が出来たのだが。

 俺は、ドス3本と、トカレフとS&Wの2丁を持ち、組の車で走り回っていた。


 待ち構えていたかのように、検問が敷かれていて。

 3台待ち列の最後尾に付けた。


 緊張が走り、一世一代のピンチ。

 俺がここで捕まったら、組の車から事務所がバレて、警官が押し寄せてくる。


 Uターンも危険だろう。怪しまれてしまう。

 それに、逃げるなら外だ。


 俺の腹をくくった。


 俺は検問を過強行突破した。

 捕まる訳には行かない。


 必死にアクセルを踏み、追いかけてくる白バイや、パトカーに、何度もぶつけて。


 車が、動かなくなって、コンビニの駐車場へと入った。

 道具を抱え、コンビニの中へと入り。

 タイミング良く、美雪姉を見つけた。


 美雪姉のギターを奪い取って、ギターケースに道具を入れた。


「頼む。預かっててくれ」


 ギターを、コンビニの裏に置いて。

 コンビニの袋に、廃棄用のお弁当を入れて。

 そのまま、裏口から逃走した。


 タクシーを奪い取って、ひたすら逃げた。

 県境で、埼玉の田舎に入り。タクシーを、捨てた。


 俺は、タクシー強盗の指名手配となったが。

 龍紋會が、裏から手を回して、タクシー会社と示談が成立した。


 その後は、美雪姉と会えず。


「おい、ドスとチャカを、回収してこい。エンコじゃ済まんぞ」


「すみません」

 俺は、土下座して、黒井組の組員に、ボロボロにされていた。


「もう、良いだろ。その辺で、殺す気か」


「ソープ嬢は、逃がすし。ドスとチャカは、帰ってきません。はっきり言って、足手まといです。恩、知らず」


「だからと言って、殺すことも無いだろ。それに、このガキを囮に使って、馬鹿な商売を裏でしているのだろう。俺の目は、まだ、節穴じゃねえぞ、前田。そのガキは、不問にしろ」


 俺の命を助けてくれたのは、黒井組の組長だった。小指も、この時点で、落として無かった。


 タクシー強盗は、ローカルニュースにしか、ならなかった。


『今になっては、やんちゃしてたなっ、俺』


「コレを、届けに来ました」


「ごめん。ちょっとだけ、時間ちょうだい」


 俺は、皆に頭を下げて、時間を貰った。


「有り難う。散らかっているけど、家に行こうか」


 俺は、なっちゃんから、ギターケースを受け取り。家へと向かった。


 家に入り、ギターケースを開けると、湿気を取るシートや、乾燥剤が、敷き詰められていて、拳銃は、油取り紙の上から、新聞紙が巻かれていて。新聞紙は、新しかった。


「こんな物が、二十年も家の中に有ったなんて、知りませんでした」


 美雪姉は、娘にも黙っていたようだ。

 誰にも相談できずに、牧姉にだけ相談したらしいが。

 牧姉も、黒井組のソープから来た子に、様子を聞いていたらしい。


 そして、黒井組に俺がいる事を知り、安堵していた。


 ドスも、拳銃の手入れも、何度もして来た。

 状態も良かった。拳銃に関しても、二十年は、使われていない銃だ。足は、付いてないだろう。


『ガラガラガラ』


 突然、家の扉が開いた。


「もう、何してるのよ。皆ま…」


 ドスと拳銃を、急いでギターケースに隠したが、間に合わなかった。


「びっくり、させるな」


「隠すって事は、本物なのよね」


「皆には、黙ってろよ」


「どうしよっかな〜」


 京子が、いたずらな素振りをして。


「横井京子さんも、他の方々も、失礼だと思いますが、興信所を使い、過去を調べさせていただきました。浅草のお生まれですよね」


 なっちゃんは、京子と対峙して。


「初めまして、雀のお宿の、経理部の部長をしています。沢田なつみと言います。今回の件は、東江さんに渡したスマホが、質に流れた事が原因です。興信所を使い、東江さんの身辺を調べさせていただきました。そして、雀のお宿は、御三方を、正妻候補として見ています。宜しいですか。浅草生まれの、京子様」

 

読んでいただき、有り難うございます。

高評価、星とブックマークを、宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ