ハーレムとリハビリ
俺は、過去を語り終えて。雀のお宿のお金で有ることを話し。
2人に軽蔑されたが。朱美は、気にして無かった。
「それじゃあ、あのお金は、女性たちが、体を張って稼いたお金なの」
「そうなるかな。綺麗なお金じゃないし、税金対策して、懐を肥やした爺さん達から、せしめたお金ではある。だが、お金には、違いがない。使うのを辞めるか」
「酒池肉林って、東江さんもそうなの」
「そうです。彼女たちは、俺の子種を欲しがり、子をなしたら、后的な位置に置かれます。なんせ、全国展開された施設の、トップの子を出すのですから。勃たなくなっても、勃たせに来ますよ」
「パパの子は、私が孕みますから、リラックスしてて下さい。私も、次は男の子を、望んでいます」
朱美は、参戦を決意した。
「二人も、三人も、四人も無いです。皆で、パパの子を、孕んだら、問題解決です」
京子とナンシーが目を合わせた。
「そんな理由無いでしょ。何でそうなるの」
「正妻は、いつの時代も、一人だと決まっているのよ。この、お花畑は」
「じゃあ、皆さんは、降りて下さい。私が、パパの正妻になりますから。浮気は、ボドボドにしてくれれば、私は、目をつむります」
「私だって、月イチでかまってくれたら、文句は言わないわよ。ちゃんと、可愛がってよ」
「………」
「何よ。ピンクの穴あき下着を買うのでしょ。お花畑を相手にすると。こっちの、ペースが崩れるのよ」
「よ、宜しく、お願いします」
か細く、恥ずかしそうに、ナンシーは言った。
「何よ。そこは、穴あきなんて、履きませんでしょ」
「えっ。パパは、穴あきパンツが好きなの」
「アナタは、黙ってて。ややこしくなるから」
「む〜」
小さな子供のいる前で、する話ではない。
「俺からも、いいかな。学さんの事を知りたい」
「そうよ。相良に殺された、学さん」
京子が、野次馬みたいに、身を乗り出した。
「間違っているのかも知れないけど、東江さんの思い過ごしだと思うの。学さんは、パトロール中に、麻薬でハイになった相良容疑者に、至近距離から、5発の弾丸を受けたの。捕まった時は、呂律も回ってなかったと、聞いているわ」
「だけど、俺が、相良の指でなく。腕ごと落としていたら、こんな事には、なっていなかったかも知れない」
「タラレバを語っても、学さんは、帰ってこないし。仕事に出した、私も同罪になってしまうの」
「そうよ。私の歴史にバツなんかは、付いて無かったはずよ」
「天音がいたから、パパと会えたの」
「パパ、グ〜って鳴った」
天音ちゃんのお腹が鳴ったらしい。
「もうこんな時間になるの、全然、夕飯作ってないんだけど。ここでカレーを作って、届けるつもりだったのに」
「まだ居座るつもりなの」
「しょうがないでしょ。看病よ、か、ん、び、ょ、う」
「は~い。そしたら、明日は、私がお風呂に入れます。それを、濡らさなければいいんでしょ。楽勝、楽勝」
「何であんたが、私の仕事を取るのよ」
「パパのお世話は、私の仕事でもあるから。明日は、私が当番です。決まり、お終い」
「東江さん、ここへピザを運んでもらっても、良いですか。普も、呼びたいのですけど」
「別に、それは構わないけど。飲み物が、水しか無い。飲み物とかも、オーダーできるの」
「それは、大丈夫だと思う。何なら、普が自販機まで走ればいいし。問題ないわよ」
普くんに、電話をする前に。ピザ屋へ、電話をかけた。チラシも見ずに、適当にオーダーも済ませた。
「普、お母さんのお財布と鍵を、大家さんの家まで持って来て。あと、お家の戸締まりもお願い。ピザを取ったから、こっちに食べにおいで」
「ちょっと、そんなに、いっぱいのピザ頼んでたけど、大丈夫なの」
「横井さんは、子供を呼ばないのですか。きっと、お腹を空かせていると、思いますよ。お、こ、さ、ん、は」
「私も頼む。お稲荷さん食べようか」
「うん」
天音ちゃんの満面の笑みが出た。
朱美は、スマホの画面を見ながら選んで、注文をかけた。
「あっ、兆志。お母さんだけど、大家さんの家で、お夕飯を食べるから、降りて来なさい。お姉ちゃんにも、連絡入れてね」
『ブー』
どんな顔をすればいいんだ。
ケガや漁港の事は、喋れないし。
「大丈夫。パパ」
「大丈夫。問題ない」
俺は、お水を吹いた。
「もう、いつまで、薄い座布団に座っているのよ。椅子を使いなさいよ」
京子が、ダイニングテーブルの椅子を、リビングに運んできた。
ナンシーは、俺が吹いた床を、拭き取っていた。
『ピンポ~ン』
「押忍、お邪魔します」
普が、ナンシーのカバンを手に現れた。
「普、有り難う。上がって、ピザ取ったからもうすぐ届くと思う」
ナンシーは、普を玄関まで迎えに行ったが。
『ピンポ~ン』
「あの〜。お母さんが、お邪魔してますか」
「兆志。そのまま、上がって。お姉ちゃんは」
「来ないって。コンビニで済ますから、要らないって」
「もう」
京子が、スマホを取り出した。
「真琴、大家さんの家に来ないと。来月の小遣い無いからね。分かった」
京子が、一方的に話して。直ぐに切った。
「無理に、来て貰わなくても、良いんじゃないのか」
「嫌よ。ただで、ピザが食べられるのよ。いっぱい食べて、明日の朝の分も、持ち帰ってもらうの」
京子も、スマホを取り出して、デリバリー会社を検索し始めた。
「まだ、注文するのかよ」
「何よ。私が注文したらダメなの」
「そうは、言ってないだろ」
「なら、良いじゃない。パパさんは、肉ジャガでも、豚汁でも好きなものをどうぞ」
「肉ジャガと豚汁を、温め直しましょうか。キッチン借りますね」
ナンシーは、2つの鍋を火にかけて。軽くかき混ぜている。
普は、ナンシーのスマホを使い、動画を見始めた。
その横で、天音ちゃんが、動画をチラチラ見ている。
兆志も、携帯でゲームを始めた。
『ピンポ~ン』
「デリバリーピザです。お会計お願いします」
「は~い」
朱美が、玄関まで行き、受け取りを終えた。
「お会計は、済んでるみたいです。受け取るだけでした。便利ね」
「松田さん、お支払いされたんですか」
「つい、いつものクセで。お店でも、家でも、カードで払っていたから」
「後で、お支払いさせて下さい」
「お支払いだなんて。元々、東江さんのお金ですから」
「コレは、コレです」
「はい、そこは、イチャイチャしないの。今日は、私が、看病する日よ」
キッチンで話す2人に、京子が割って入った。
9時を回った時点で、ウトウトだった天音ちゃんが、限界を迎えて、朱美が帰った。
真琴も、隅っこであまり喋らず。一時間ちょっとで、兆志と共に帰り。
ナンシーは、頑張ったが。普に、限界が来た。
そして、俺は、医者の忠告を破り。激しい運動をした。
ベテランの看護師が、言うには。
「リハビリよ、リハビリ」
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