トイレとタンス貯金
アレの話で、持ち切りだった。
朱美は、素が出で。手が付けられない。
だけど、まとめたのは、朱美だった。
「別に、凄くなくてもいいだろ」
「何、普通に大きくて、硬かったぞ。私は、東江さんので、満足出来そうだぞ」
「どっちなのよ。アレが凄いって何よ」
「アレは、秘密よ。アナタたちも、欲しがるからダメよ」
「そんな事言わないで教えて下さい」
「だったら、横井さんは『ケダモノ』じゃないと言いなさい」
「はい。横井さんは『ケダモノ』ではありません」
「やけに素直ね。そんなに、アレが気になるの」
「後でみんなで、見に行きましょう。私が、ケダモノのはず無いじゃない」
「やっぱり、横井さんは、ケダモノです」
「私は、年に一回浮気をするか、しないかよ。相手が、独身だと思ったから。今回だって、東江さんは、ずっと一人で暮らしてたわけだし。文句を言われる筋合いは無いわよ」
京子が、発言をしないナンシーに矛を向けた。
「何を、黙っているのよ。そんな卑猥な体しているのだから、取っ替え引っ替えしてるんでしょ。私たちは、話したのよ。アナタは、どうなのよ」
「やっぱり、パトロンとかって居たりするの」
「取っ替え引っ替えなんて、してません。横井さんも、そんな事するんですね」
「ストレスのたまる職場だから、だからと言って、職場や子供たちの関係のない所で、しているつもりよ」
「東江さんが、遠いとか、近いとかでは無く。私は、無いの」
「何が無いのよ」
「その前に、皆さんは、離婚されているんですよね」
「私の元の旦那は、結婚する前から、浮気ばっかりしてた」
「私のは、女に騙されて。ホイホイ付いて行った感じだったかな」
「私は、違うの。死別したの。悲観的にならないで。もう、6年前だから」
2人は、驚いてる。
「18の時に、横浜に上京して、彼と出会ったの。19で、普を出産して、彼は、23の時に、他界したの。それからは、夜の店で働いた。いろんな誘いを受けたけど。普の為だけに、生きて来たの。私は、彼しか知らないの」
ナンシーは、コレまで頑張ってきたのか。涙を浮かべて、過去を語っている。
京子は、貰い泣きしている。
「ゴメン。こんな空気にするつもりなかったのに」
完全に、ナンシーの目からは、完全に涙が溢れている。
「松田学って、どんな人だったの」
聞く気は無かった。空気を読んだら、聞くのは、おかしいとも思ったが。口から言葉が出ていた。
ナンシーは、素に戻り。タンクトップを捲って、涙を拭いた。
Gカップとピンクのブラジャーを、お披露目させる。
「何で、悟さんがここへ来たの」
「来た。いろいろと教えてくれた」
俺は、正座したまま、頭を床に着けた。ゆっくりだが、体が悲鳴を上げても、ナンシーには、謝罪をしなければならない。
「松田さん、差し支え無かったら、この家とアパートを、受け取ってもらえないかな。俺は、アナタにとんでもない事を、してしまったのかも知れない」
「アレは、ダメよ。私の老後資金なのだから」
「別に、お前のじゃないだろ」
「いずれは、私なものよ」
「アレって何なのよ。いい加減に教えなさいよ」
ナンシーも、アレが気に気になっている。
「付いて来なさい」
俺は、足を崩して。トイレへ、ゆっくり向かった。
テンプレ通りの、仏壇に目が行き。
「こんなもんじゃないわよ」
2人は、別に動じなかった。
「私も、お世話になったから。こんなモノでは無いでしょ」
朱美も頷き。
「こんなのでは、驚かないの。羽瀬から、沢山取ったから」
二人とも、数千万のお金を、東江から与えられたから、100万以下では、驚かなかった。
京子は、自分の金銭感覚を疑い、二人を奥の部屋に連れて行った。
「ここの引き出しに入っているの」
「コスプレ衣装とか、女装の趣味があるとか」
「コスプレも、女装も、イメージ出来ないのだけど。横井さんは、理解できる」
「あの背中に、女装は引くわよ。私も無理」
引き出しを開けて、シャツやネクタイを重ねて出し。敷き詰められた、万札を2人に見せた。
「コレは、マネーロンダリングなの。噂話の」
「きっと、そうよ。マネーロングリングよ」
京子とナンシーが、見つめ合った。
「東江さんのここに、私そのお金も足して良い」
東江からの返事は無い。
「アナタは、いくら持っているのよ」
「少し使ったから、分からないけど。いっぱいある。取ってくるね」
「天音、二人を見ててね」
京子は、返事のない俺を探して。
ナンシーは、現金を数えた。
俺は、トイレに入り、用を足そうとしていた。
「もう、先に言ってよ。トイレなら」
トイレの電気が付いている事に気付き、ドアを開けて、トイレに入ってきた。
脇腹から顔を覗かせて、ズボンを途中まで下ろし、シッカリと握った。
「出していいわよ。見てるから」
普通、このセリフの後は、縮こまって出ないはずだろ。
出た。思いっきり、出た。量も、勢いも、我慢していたのもあるが、止まらないほど出た。
チョンチョンと何度も振り。適度な位置で、チンポジは収まった。
ブーメランパンツの性でもあるが。食い込まずに、収まっている。
「いつでも言ってね。大でも、お尻を拭くから。我慢しないでね」
心強いセリフだが。目が円マークに見えてしまっている、俺がいた。
「只今」
我が家に帰って来たかのような、セリフを朱美が玄関で吐いた。
3000万にしては、古くて、大き過ぎるバッグだった。
「ボロボロのバッグじゃない。私のお古でも上げようか」
「要らない。パパに買ってもらうから」
東江さんの事を、パパと呼ぶようになった。
「ちょっと待ってよ、今お金数えているんだから」
「数えなくてもいいわよ。パパのお金なんだから。パパが、私たちを幸せにしてくれるの。ね」
3000万を、足した後。どさくさに紛れて、玩具も入れ始めた。
「コレは、ホントにダメ。別に引き出しに入れて。お願いだから」
「ダメなの」
「コレは、ダメ」
「パパに、専用のサイドテーブルを買ってもらうから」
「お願い、そうして。出来れば、鍵付きでお願い」
あの顔で、あの性格よ。麻縄とバラ鞭なんて考えられない。
京子が、トイレから戻り。朱美が持ってきたバッグの中から、白い封筒を取り出した。
「琉雲病院のだ。なんだろう」
京子は、封筒の中の診断書を見て驚いた。
「ねぇ。貴方種無しなの」
奥の部屋から、大声で叫んだ。
「あぁ、俺は、女性を不幸にする」
俺も、奥の部屋に向かって、大声で返した。
診断書は、京子が預かり。
朱美は、お金をタンスに預けて。
ナンシーは、シャツを綺麗に並べて、引き出しを閉めた。
三人が、仏間を通った時に、変な事を言い出した。
「東江さん、洋服が欲しいから、少しお金を借りていいかな」
「別に構わないけど、多く取るなよ」
京子が、仏壇のお金を適当に取り。数えたら、10枚取っていて、2枚足して。12万にした。
2人に、見えるように4枚を、右手で抜き取り。
「新しい、下着欲しくない」
間違ってはないと思うが、下着だ。
「は~い。私も欲しい」
朱美も、4枚抜き取った。
「分かったわよ。だけど、条件がある。私は、肌が黒いから、ピンクは避けて。淡いのもダメ」
「ピンクを、避ければいいのでしょ。白よ。断然、純白よ。私は、パパには染められるの」
あの玩具と量を見て、純白は、疑わしいでしょ。
「二人とも、お子様だな。私は、黒よ。赤と紫も、捨てがたいな」
「ロリババアが、ほざいてろ」
「卑猥なだけの、経験人数が1」
「二人とも、喧嘩しないの。パパに、怒られるよ」
「「エッ」」
「仲良くしようねぇ」
おかしい、朱美のペースだ。
三人は、リビングへと戻り、定位置のように同じ席に座った。
「東江さん、貴方は、私に謝罪がしたいと、言ってましたが。私は、納得してません。貴方の過去を、教えてください。できるだけ詳しく」
読んでいただき、有り難うございます。
高評価、星とブックマークを、宜しくお願いします。
少し長くなってしまい、申し訳ありません。