わたくし、無駄なことはしません。
あっさり断罪。
「な、何故ですか」
突然の事にステファノンが叫ぶが、マルケナス王や王妃は微動だにせず、冷ややかにステファノンを見ていた。
「男爵令嬢絡みの断罪は回避出来た様だが、アルフレッド王太子殿下の暗殺未遂の件は回避出来るはずがない」
デビッドが鋭い視線で、騎士に両腕を取られ、顔を白くしているステファノンを睨む。
「学園の門でお会いしてすぐ、イヴォンヌ様には内密に話をしておきましたの」
エレオノーラが淑女の微笑みでステファノンを見るが、目が笑っていない。
イヴォンヌと会った時からステファノンの断罪は決まっていたのだ。
「エレオノーラ様にはなんと感謝したら良いのか分からないくらい感謝しております」
イヴォンヌが深く頭を下げ、王太子となったアルフレッドも頭を下げた。
「アルフレッドは古くからの友人ですもの、助けるのは友として当然ですわ」
数ヶ月前、マルケナス王からの極秘の依頼をエレオノーラはすぐに承知し、留学を決めていた。
本来ならば宗主国の王太女であるエレオノーラの耳に入れる事は国の恥にもなるがマルケナス王は息子の命を第一に考え、アルフレッドが倒れた時、すぐにエレオノーラに助けを求めた。
そしてエレオノーラは即座にマルケナス王に協力した。
「驚くほど杜撰だね。証拠も証人もあちらこちらに残し、バレないと思っていたのかな?」
デビッドがクスクス笑いながら、青くなっているステファノンに一枚の書類を見せた。
彼が手にしているのは、ステファノンが裏組織からアルフレッドを暗殺する為に手に入れた毒の販売証明書だった。
こんな物を残すなんて、とデビッドは呆れているが、ステファノンにしたら見つかるはずがないモノをどうして、と理解出来ない頭で必死に考えていた。
ウチの猫
ウチの猫は私のベッドで寝る。
ピタッとくっ付いて寝るなら可愛いけど、ベッドのど真ん中でのうのうと寝る。私は何処で寝たらいいのか?