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闇の中の電球は埃を被っている、電球は古い型の粗悪品に埋もれている、積まれたガラクタ。
新しい皿がやって来た。皿は男の子をのせている、心臓。皿は女の子をのせている、顔面。皿は牛をのせている、肉。皿は…命をのせている。
埃はいつしか取り払われた、山が崩れる、電球は眩しくて眼を押さえた。
指の隙間からコードが見える、眩しい光、スイッチを探しても見つからない、リモコンは皿の上にあった、消したり、付けたり、やがてリモコンの上に埃が積もった。
「あら、窓は閉めたはずなんだけどね」
先に意識が鮮明になり、後に体が音を立てた
「おや、あんた起きたのかい?」
しわくちゃの皮と白い目玉がこちらを凝視する
「あなたは?」
「ジニー、薪屋をやってる、外見たらあんたが倒れてたもんだから急いで連れてきたのさ」
「僕は、マキア…いや、そんなことは今は重要じゃない、ありがとう、砂に埋もれずにすんだよ」
「なぁに困った時は支え合うものさ」
老婆はハンガーラックの方を向いている
「輪郭がはっきりしないのなら、改善できるよ」
「あぁ、これはどうも、かれこれ1年はこんな感じでね、もうほとんどろくに見えてちゃしないさ」
ベッドと棚の下には赤いカーペットが敷いてある、小さな空間にはささやかな花、マキアは背を立て起き上がり床に脚をつけた。
「僕は時計屋でね、秒針を巻き戻すくらいはわけない」
何もない隙間から移植人形が出てくる、箱形の人形は車輪を器用に回しながら老女の隣に移動した。
老女はその場にしゃがみ、箱を撫でる
「これはまぁ、随分と小さい、ジョークボックスに似てそうだ」
「先ず検査、それから施術、全て可能だ、まずは横になって身を任せて」




