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光はことあるごとに遮られる
嵐が砂を巻き込み高く空へと舞い上がる。纏わりつくその風は二人の視界を遮る
「北緯30度1200mの歩測誤差、修正、規定の位置に…」
機能不全に陥った方位が何度目かの修正を終え再び羽を回転させる。
砂の粒がかき乱れ、夜空を舞う音は酷い雑音に変わった、互いを介した人形は朧の中に埋もれた。
人形使いは中指を折り畳む、指は規則正しく同調する、見えない糸が隙間から合図を送る、特異な人形は枯れ木の杖を空に向け、只、孤独を叫ぶ。
『支配者は槐の一端を成し、麓に黎明をもたらす』
身体から砂が抜け落ちていく、風は己の領分を取り戻し根源に還った。
徐々に晴れていく視界にシダーシェイクの屋根が映った
人形は方位の補助を捨て、目の前の建造物に一直線に進んだ。




