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時計仕掛けのエンドロール  作者: みたらし団子
10/15

偉そうな肉が偉そうな肉を食っちまったのさ

マキアは待ち人を待っている。アートセンターの階段にスチュースカ、ヒールの音が空虚な路地に響く、彼女はすぐそば。


白のドロップショルダーから蛇の刺青がはみ出している


「何かあった?傷が増えたみたいだ」


「ただの傷、なんともない」


二人は並行してしばらく路地を歩く


「d区画の空地で数匹の馬に黒い服が群がっている、馬は随分と高そうだ」


「そう。じゃあ、エスコートしてくれる?」


「喜んで」


「ところで機嫌はもう治ったのかな?」


「さっぱり。あなたの一言がなければ違ったかも」


「どうやらまた間違いを起こしたようだね」


「ええ、壊れやすいの丁寧に扱って」


◇◇◇


スーツの男が空地を厳重に見張っている、奥にはワラワラと集まるスーツと厳密に守られた荷馬車。


「止まれ、この先は進入禁止だ」


「そう」


一番効果的な急所への蹴りは呆気なく避けられ終わる。


「なんの真似だ」


「やっぱりダメね」


彼女の背後にはマキアの傀儡が2体


蟷螂鋏の傀儡が男の首を切り落とす、物言わぬ肉となった男からは砂に染み渡る赤い絵の具が漏れ出た


Kキリング


人形は名を呼ばれ、糸からの指令を完璧に受けとる


「誰だ」


複数人のスーツの男たち、馬を囲うように守っている


『殺害実行』


人形の胴体に熱が籠り、発砲音が響く、何着かの黒から絵の具が染み渡った。


大量に転がった死体の中から一人、刺青の男が這い出てくる。


「邪魔なんだわ、消えてくれ」


片手には切れ味がよさそうな短刀が握られている。


「誰が何だって?奪ったもの返せよ」


蟷螂鋏が刺青の男に迫る。

右腕肘から奥、蟷螂鋏が振り落とされる前にそれは落ちていた。


「マキア」


「分かっていますよ」


男の目は動く人形には向かず、指揮者を狙い迫る


指揮者が指を動かすような間は無かった


Sサイレント


気配を消した人形、上空からの首を狙ったその軌跡は的を見失い空を切る


倒れ混むように傾いた男の胴は再び指揮者へ向かう


作り出した僅かな時、その時間で指は動いた


Bブレード


東方の刃、異邦人が伝えたその柄を握り携えた人形が佇む


『居合い、五点必勝』


音は訪れず、胴体を狙った刃が走った


男の上半身は折り畳まれたように後ろへと反り返っている


「それ、元があるだろ。スペックが追い付いてないぞ、人形」


膓の擦れる嫌な音と、口からの吐血によって男の動きが止まる


「クソッ」


膝から崩れおちる。首は丁度いい角度で据えられている。


「マキア、殺せ」


「はい。マスター」


落とされた刃は新たな声に止められた


「待ちたまえ」


口ひげを蓄えた老紳士が杖を片手に荷馬車から下りてくる。

老紳士の手には黒く赤い石、石には不思議な輝きが瞬いている。


「見つけた」


スチュースカは鋭い眼光を黒い石へと向ける、


「探し物はこれだろう」


「返せ」


「ダメだ。君ではこれの価値にも気づけない」


「どいつもこいつも、価値価値価値価値、鬱陶しんだよ。早く死ねよ」


「マスター…」


マキアは主の狂気に顔をしかめる。


「光に群がる蛾そのものだな、私に君を殺す力があればこの不快感も消えたのだろうが、どうやらあの男には君の方が価値があるらしい」


老紳士は一体の人形に目を向けると手に持っている石を人形に放り投げた。


マキアはただその石を受けとるしか出来ない。


「持っていきたまえ。いずれ返して貰うが、今はその時ではない」


老人は荷馬車に乗り込み、去っていく、そこには黒い服も強者もなにも残っては居なかった。

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