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つちのこうやのラブコメ (それぞれ別々にお読みいただけます)

クラスのイケメンに告白した幼馴染が次の日二人分の弁当を持ってきたのでこれは付き合い始めたなと思ったら、ただ振られてやけ食いしたくなってただけだった

 僕の幼馴染の由花ゆいかには好きな人がいるんだけど、残念なことにその男の子はかなりモテるし、由花が告白しても、返事がどうかは全く予想がつかない。


 そんな状況の中、由花ゆいかは、今日、その男の子に告白する予定だ。


「あああああ……」


 と緊張しながら廊下を歩いていたりするので、僕はそっとしておいた。


 ちなみに僕は実は由花のことが好きで……とかいう気持ちは本当になく、だから応援したいところだが、変なことを言うと、失敗した時の責任がきそうなので、あんまり何も言わないことにしていた。




 その日の放課後。


 由花はその男の子に告白するために、男の子を呼び出していた。


 僕はうまく行くことを願って、部活に行った。




 そして次の日。


 朝登校してみたら、由花は自分の席におしとやかに座っていた。


 そしてお弁当の袋がいつもよりでかい。二人分あるなたぶん。


 おおおおおお!


 これは、告白成功&早速手作り弁当の流れか⁈


 めっちゃいいじゃんかそれだったら。マジで漫画みたいな、みんなが喜ぶ恋愛の実体験。


 いや普通に羨ましいし、絶滅危惧恋愛特別保護区みたいなもんなので、許可なく足を踏み入れることはできない。


 というわけで僕は優しく昼休みまで見守り、昼休みどうするのかみていた。


 が、今のところそもそも二人は一回も話してない。

 

 なんでだ?


 と思ったら由花が弁当を取り出した……。


 えーと男の子の方は……どっか行っちゃった、昼練かな。


 えええ……。


 じゃあどうすんのその弁当。


 と思ったら、普通に由花はめちゃくちゃばくばく弁当を食べ始めた。二人前くらいの量のやつを。


 あ……これ、振られたからやけ食いしてんだわ。


 気づいてしまったので特別保護区の指定は解除。しかし、危険生物である可能性があるので慎重に僕は近づいた。


「こんにちは……」


 お昼の挨拶をしたら、由花が顔を上げた。


「……ちょっと食べる? 流石に多かった」


「……うん」


 僕は椅子と共に移動していたので、そのまま由花の机のところに座った。


 由花と向かい合う。


「振られちゃいましたよそういや」


 と、思い出した感のないそういやの使い方で、由花は言った。


「まあ、どんまい。でもあれだぞ、食べすぎると良くないよ太るし」


「ふん! ていうかまあね、告白したことない人にはわからないだろうね。もう私別に恋が叶わないんだから、太ってもいいもん!」


「いや食べまくって太るのは健康に良くないよ」


「だからちょっと食べる? って訊いてんじゃん」


「はいはい」


 幼馴染の作ったお弁当はとてもおいしかった。


 ほうれん草とかあんまり好きじゃないはずなのに、おいしいし。料理がうまい。


 あー、あれだな、まあ。


「由花、今日放課後ボウリングでも行く?」


 ちょっとスッキリしに行きますか、由花と。


「行く! もうノーバンでピンに当てて見せるんだからね!」


「いやそれ設備が痛むからダメだって……」


「ふん!」


 由花はちょっとだけ楽しそうにそう言いながら怒った表情をして、また僕に、一つ卵焼きをわけてくれるのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] こういう終始穏やかな雰囲気の小説はなかなかないので面白かったです
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