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短編小説

居眠り

作者: とり
掲載日:2020/08/07

 




 車内(しゃない)アナウンスが鳴(な)って、Kさんは目を覚ました。


(やべっ)


 自宅のある田舎駅(いなかえき)は通(とお)り越して、都市的なホームに到着する。


(やっちまった~)


 Kさんは電車(でんしゃ)を降(お)りた。


 エスカレーターを下(くだ)り、反対(はんたい)側の線路(せんろ)に向かう。


 外(そと)は暗くなっていた。

 時刻はまだ六時だったが、秋(あき)に入(はい)った空は日暮(ひぐ)れが早(はや)い。


 スマホが鳴る。


『もしもし。K。K!』


 大学(だいがく)の友人(ゆうじん)からだった。

 彼とは高校時代からの付き合(あ)いで、地元でもよく顔を見る。


「 T野(の)じゃん。なに?」


『おまえ、今どこにいんの? 『××駅(えき)』?」


「いや、乗り過ごした。『〇△駅(えき)』。これからそっちに戻るところ」


 友人は気(き)が狂(くる)ったように『そこにいろ! そこにいろ!』とわめいた。


「なんだよ? そんな必死になって」


 しつこく繰りかえされる命令(めいれい)に、Kさんは少し苛立(いらだ)つ。


『……今、××駅を通(とお)りかかったんだけど……』


 友人は急に声(こえ)を小さくして言った。


『ホームに、鉈(なた)を持った女(おんな)が立ってたんだ』






 ※この物語(ものがたり)はフィクションです。



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 読(よ)んでくれた方、感想(かんそう)をくださった方、ありがとうございました。



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