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魅瑠と梅田の繋がり

 一瞬、言葉を失った。その話題だとは思わなかったので、頭の中がフリーズしてしまった。



「な、なんで」



 そう思うんだ、と言いたかったが、声が上擦って続きが出てこない。



「昼も様子がおかしいなって思ったけど、授業中でも集中できなかったみたいだって聞いたから。さっくんの悩みの種って、今のところ久留島君くらいしか思い当たらないしぃ」


「それ、誰から聞いたんだよ」



 咲夜の授業の様子など、クラスメイトか先生くらいしか知らない。クラスメイトも先生も、知っているかどうか怪しいが、候補はそれしかない。だが、クラスに親しい人がいないし、魅瑠が二組の生徒と話した場面を見たことがない。だから魅瑠にも二組に親しい人がいないと思っていたのだが。



「慎にぃから」


「だれだよ、そのしんにぃって」


「梅田慎介だよぉ」



 意外な人物の名前に、驚愕した。



「梅田って、オレのクラスの担任の……?」


「そう。慎にぃは近所のお兄さんでね、昔からよく遊んでもらっていたんだぁ」


「梅田先生とお前が話すところ、見たことがないぞ」



 担任ではないので話す機会がないのは当たり前だが、それを抜きにしても、二人が一緒に居るところを見たことがない。



「学校だと話さないようにしているだけで、近所では普通に話すよ~? 変な噂が立つのもあれだし」



 それもそうだ。中学生の頃も、とある先生と生徒がよく一緒にいるからと、変な噂を立てられたことがあった。だから、そうしたほうがいいのは理解できた。



「へ、へぇ。ていうかあの人、慎介っていう名前なんだな……」


「そこなんだ。まあ、慎にぃは面倒くさがりだから、入学式のときも、『梅田だ』ってだけで自己紹介済ませたんでしょう~?」


「当たり」


「やっぱり~!」



 魅瑠が大声を上げて笑った。



「梅田先生から聞いたって、なんか意外というか」


「面倒くさがりだけど~。根はお人好しで面倒見がいいし、人のことをよく見ているんだよね、慎にぃって。だから、魅瑠のこともなんだかんだで面倒見てくれたんだよねぇ。さっくんの様子がおかしいからって、『お前、丹羽と友達だろ? ちょっと相談に乗ってやれ』って頼まれてさぁ。魅瑠も気になっていたから、話に乗ったんだよ~」


「そうだったのか」



 梅田の台詞らしきところは、魅瑠が声真似をしていた。声はもちろん似ていなかったが、雰囲気が似ていて少し可笑しかった。



「それで、久留島君となにがあったの?」


「断定か」


「だって否定していなかったしぃ。さっくんって分かりやすいし~」



 視線を逸らし、口籠もる。


 とても言い辛い。それに、暦にも伝わってしまったら。



「大丈夫。こよみんには言わないから!」



 その言葉に、咲夜は横目で魅瑠を見た。



「……本当か?」


「ほんと、ほんと! そんな火に油……ごほん。面倒事になるようなこと、しないって!」


「言い直す必要あるか?」



 確かに暦に言ったら、大変なことになるのは火を見ても明らかだが、言い直す必要があるのだろうか。語弊としたら、前者の方がいいと思うのだが。



「あ、こよみんだけじゃなくて、あかりんにも慎にぃにも、錦くんたちにも言わないから安心して!」


「……二人だけの秘密にしてくれるか?」


「! するするぅ!」



 魅瑠が強く頷く。


 その言葉を信じて、まず事のあらましを説明するために頭の中でまとめた。

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