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パンデミック起きたけど生き残る気力がない  作者: ちぐい
おひかえなすってヤクザ編
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4話 ロシアンですかい?

アズマver


高齢の男性が俺たちの近くまで来て、話し始める。


「悪いな兄ちゃんたち、龍も悪気があったわけじゃねぇんだわ」


「いえ、こちらも突然の訪問失礼しました」


「お前普通にしゃべれたんかい」


俺が礼をしながら謝罪すると、周りが「ええっ」て空気になった。


「おじき、こいつふざけたり真剣になったり頭おかしいっすよ」


「龍、礼儀がしっかりしてるのはいいことじゃねぇか、お前ら少しはどしっと構えろや」


怒鳴ってるわけでもないのに、空気が引き締まる。


「兄ちゃんたち、気悪くしないでくれないかぃ?うちも最近トップが攫われてね、まぁ、攫われるような奴じゃないから何か考えてるんだろうが...とにかくこんなご時世でさぁ、隠居してるわけにもいかねぇんで俺が出てるわけよ」


「そうなんすね」


「おぉ、そうだ。それでうちにも回しもんがいるんじゃねぇかって、そこに来たのが兄ちゃんたちよ」


なるほどな。

どうやら俺らが疑われてしまってると。


「そこでさぁ、仲間に入れるのは良いとして、試させてもらえねぇかい?」


「いいですけど、組員ってそんな簡単になれるんですか?」


「そりゃぁおめぇ、簡単になれちゃ困るでさぁ。ただ、こんなご時世だ、漢気がありゃあ入っていいって考えなわけよ」


「わかりました」


これから入会テストが始まるみたいだ。

何やるかわからんけど、漢気とか見せればいいんだろ?前の俺だったら即帰ってたけど、何とかなりそうだな。


「おじき、俺からもいいですか」


「なんだ竹、俺の決定に文句でもあんのかい?」


「いえ、微塵もありません。俺は漢気試しについて提案があるんです」


「ほぉ、じゃあお前に任せるぞ竹山」


「へい!じゃあこちらの銃を使いやす」


ゴトッと机に置かれた銃は、西部劇とかで見たことあるリボルバー式の銃だった。


「こちらを使ったロシアンルーレットで漢気を見せてもらいやす」


「は?」


そう言うと竹山は一発の弾丸を込めてカララララと回して閉じる。


「うちはやったことねぇんだが、どうやら海外のギャングで流行ってるらしいじゃねぇか?」


いや、漢気って死ぬ可能性あるの?

これ場合によっては死ぬよね?焼き土下座とかなら全然するよ?


「い、いや、これ場合によっては死にますよね?その時はどうするんですか?」


「俺らが集めた情報によると、うちのトップを誘った連中は宗教団体らしいんだ」


「はぁ、なるほど」


「その信仰者たちは命よりも修行を納めて貰える大事なコインを持ってるらしい。だからもし兄ちゃんが死んだら、死体漁ってコインを持ってるか確認すればいい」


「え?普通に全裸になって証明しますけど?」


「ゴチャゴチャうるせぇ!男だったら死んででも証明しろや!」


龍が文句を言ってくる。いかれてんのかこいつ?

なんでわざわざ必要のないリスクを負わなきゃいけないんだよ。


「それとも何か?ビビって怖くてしょうがないから助けを求めてるんでちゅか?」


カチン


「ふ、ふふふ。嫌だなぁ龍さん。その程度でいいのか確認しただけですよ...?ロシアンのケイちゃんと言えば俺ですよ?やってやりますよ」


こんな挑発に乗るとは...俺も血気盛んの男だな...。

くそ!ミスった!何が血気盛んだよ!?何がロシアンのケイちゃんだよ!!!


「はぁ、はぁ...」


撃鉄を引き、こめかみに銃口を当てる。

ま、まあ!6分の1だし?当たるわけーー


ゾワッ


あ、だめだこれ、弾入ってるわ。

え?分かってるのに撃たなきゃいけないとかあるの?


「あのー...これ弾入ってるって思った場合はどうすれば...」


すがるようにおじきの方を見る。


「そりゃあおめぇ...覚悟だろ」


「覚悟!?」


「兄ちゃんの漢気、見せてみんかい」


くそ!

分かってなかったら引けてたのに!

なんでほぼ確定で分かるのにやらなきゃいけないんだよ!


「俺はなぁ...!撃てる時は撃てるんだよ!」


「撃ってみんかい」


龍が文句を言ってくる。

うるせえ!誰が確定で弾入ってる銃頭に撃てんだよ!やってみろ!


「だ、だけどなぁ、場合によっては撃たない時もあるだろ?」


「はよ撃たんかい!」


「ううぅぅう!よっしゃあ!」


指に力を入れる。引き金を引けば弾が俺の皮膚を破り、頭蓋骨、脳を貫く...。


「ふぅ...ふぅ...!!...あぁ絶対入ってるから無理ぃ!」


ドンッ


こめかみを外して、引き金を引くと、鈍い音が鳴り、弾が放たれる。


銃口から出た弾は、真っ直ぐ進み...。

組員の竹山の脳天を貫いた。


「あ」


「竹ぇぇぇえええ!?」


「「「「.........」」」」


あれ、なんか僕やっちゃいました?


「兄ちゃんら...流石にタダで帰すわけにゃ「お、おじき!」なんじゃい龍」


終わったと思ってたら、龍から声がかかり、そちらを見てみると、竹山の首から下げられていたネックレスのトップに、何か模様が彫られているコインがあった。


「お前が裏切り者だったんかい!!!」

とりあえずGW連投はこれでおしまいにします。

評価とかしていただけると、今後のモチベーションに繋がるので何卒。

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